株式会社現場サポートに学ぶ、チームと組織の可能性の広げ方
地方における「働きがいのある会社」事例(前編)

ラシク・インタビューvol.214

株式会社現場サポート 代表取締役社長 福留進一さん

働き方改革の推進によって「働きやすさ」を感じられるようになった人がいる一方で、「やりがい」を感じることができず、キャリアの停滞感に悩む人もいます。

「働きがいのある会社」に関する調査・分析を行うGreat Place to Work® Institute Japan(以下、GPTWジャパン)では、「働きがい」を「働きやすさ+やりがい」と定義しており、毎年行われる「働きがいのある会社」ランキングでは「働きがい」に特に優れた企業を選出しています。

今回、お話をうかがった株式会社現場サポートも選出企業の一社。「チームを活かす だれもが活きる」を理念にオープンコミュニケーションで組織力を高め、業績を伸ばす同社は、働きがいのある会社としても注目されています。

「地方企業における働きがい」をテーマに、組織づくりや人材育成、地域貢献、社員のキャリアアップの取り組み事例など、さまざまな角度からお話をうかがいました。前後編でお届けします。

地方と大都市圏のギャップを感じない背景にあるもの

経営説明会での集合写真/現場サポート様 提供

編集部:御社は、働き方改革や働きがいに関する外部評価で数々の受賞をされていますよね。先日は、GPTWジャパンによる2022年版「働きがいのある会社」若手ランキングの小規模部門で1位に輝きました。鹿児島の会社でありながら東京からも求人への応募があるなど、気になるポイントがたくさんあります。今日は「地方企業における働きがい」をテーマにお話をうかがえたらと思います!

 

株式会社現場サポート代表取締役社長 福留進一さん(以下敬称略、福留):実は、最近も鹿児県知事に表彰いただいて、ちょうど昨日も知事と話をしてきたところなんです。こうしてさまざまな賞をいただけるのは光栄です。
 
各地域における「働きがいのある会社」優秀企業発表会の場(※)でもお話ししましたが、私たちのビジネスではいわゆる地方と大都市圏のギャップ…つまり商圏や情報のひらきを感じることはまずないんです。

 

編集部:なるほど、それは興味深いです…!

 

福留:弊社は建設業に特化した情報通信サービスを手がけていまして、全国の顧客とはオンラインでも商談を行っています。社員の働き方もフルリモートも可能なので、大都市圏とのギャップを感じない背景には「働く場所を選ばない」というのはあると思います。
 
それに加えて、弊社は社員一人ひとりの生産性も高いので、正直、東京のベンチャーと比べても遜色ないと思っています。そういう意味でも、地方企業だからといってビジネス上何か支障を感じるということはまずありません。

 

編集部:とても地方企業の事例とは思えません!もちろん、いい意味で。

 

福留:われわれのビジネスだけを切り取ってみれば、極端な話、鹿児島じゃなければならない理由はなくて、大阪や東京が拠点でもいいわけです。オンラインでやれるので。でも、だからといって東京でビジネスする必要性もまったくないわけです。同じ仕事が地方でできるなら、わざわざ家賃が高いところにいる必要はないですから。
 
ただ、やっぱり地域への想いもありますからね。社員は地元出身者も多いので、「この地域に貢献したい」という想いで入ってくるメンバーもいます。私もかつて3年ほど東京で働いていましたが、地元を出て初めて故郷の良さを感じる、というのはありました。だから、地域貢献も含め、この土地で自分たちには何ができるか、ということを考えています。

 

※今、地方企業に求められる「働きがい」とは?人材獲得と地域活性化をつなげる組織づくりのヒント

 

自社の実績や事例を公開することが地域貢献につながる

株式会社現場サポート代表取締役社長 福留進一さん/オンラインで取材

編集部:GPTWジャパンの調査では、東京に所在地がある企業と地方に所在地のある企業とでは、社員が会社に対して誇りに思う要素と、働く上で尊重している要素に違いが現れています。地方では「社会貢献」がキーワードのようですが、福留さんはこのデータについてどうお感じになりますか?

福留:私も社員と社会貢献や地域貢献についてよくディスカッションします。先ほどもお話ししたとおり、故郷に貢献したい社員はけっこういるので。
 
弊社では社会貢献に関する指標を明確化して公表しているんです。その指標の3つ目に「自社の取り組みを公開し、社会に役立つ企業になります。」という項目があるのですが、ここをもっとも大事にしています。

編集部:自社の取り組みの公開、といいますと?

 

福留:ひと言でいうと、「目立つこと」です。今日もこうやって取材を受けていますが、こうして弊社の取り組みを紹介いただくことでさまざまな会社の刺激になりますよね。
 
たとえば、今日同席している牧園をはじめ、弊社には優秀な社員がいて、牧園についてはこれまでも他のメディアでも取り上げてもらったことがあります。「女性が働きやすい会社になるとこんなに業績が上がるんです!」という事例や実績を示すことで、他の企業が取り組むきっかけになればいいわけです。だから、自社の取り組みを公開することが一番の地域貢献だと思っています。

理想的な組織には「働きやすさ」と「やりがい」両方が必要

社員と福留さんの雑談中の一コマ/現場サポート様 提供

編集部:社員がメディアに取り上げられたり、会社が外部機関から表彰されたりするのは、社員ロイヤリティの向上につながると思います。やはり、「働きがい」というキーワードは重要そうですね。

 

福留:GPTWジャパンは「働きがい」について、「働きやすさ+やりがい」と定義していますが、まさにここじゃないでしょうか。働きやすさだけではなくて、やりがいも大事なんですが、働き方改革の流れで長時間労働をやめたり生産性を上げることだけが注目されてしまって「やりがい」が置いていかれてしまった。これはまさに働き方改革の弊害で、由々しき問題だと思います。
 
働きやすさとやりがいは両方セットで必要なんだ、ということを念頭に置いた組織づくりが求められているんだと思います。

 

編集部:福留さんから見て、「働きがい」を提供できている企業とそうでない企業は二分されているのでしょうか?

 

福留:どうでしょうね。でも、皆さん、本質的には「働き方改革だけじゃだめだ」と理解しているんだと思います。ただ、肝心の「やりがい」をどのように提供したらいいかがピンとこなくてもんもんとしているのではないでしょうか。

編集部:御社では、社員がやりがいを感じる職場をどのようにつくっているのでしょうか?

 

福留:この氷山の図で示していますが、理想的な組織には、ハード面とソフト面でそれぞれ工夫が必要だと思います。かつ、基本的なことはやっぱりコミュニケーションですね。お客様や社員に感謝されたとか、新しい仕事に抜擢されたとか、そういうことで人はモチベーションが上がります。ですから、職種を問わずそうした経験ができるような組織づくりをしています。

 

チャレンジ体験が社員の主体性とキャリアをつくる

「ありがとう大賞 2022夏」の一コマ/現場サポート様 提供

編集部:社員の自立性を高めるためにどのような取り組みをされていますか?

 

福留:ひとつはエンゲージメント調査の実施です。また、1on1などのコミュニケーション機会も積極的につくっています。ちなみに、以前は年に1回、社員満足度調査をやっていたんですが、「このままでは2030年のVisionを達成できない」と気付いて、それからはエンゲージメント調査に変えました。3年ほど前のことですね。

 

編集部:社員満足度調査の課題感は?

 

福留:これをやると、社員から経営陣に対して「もっとこうしてほしい」という要望が上がってくるわけです。中には会社の実力としてかなえてあげられないものもあって、経営側としてつらいなと感じることもありました。
 
でも、よく考えてみると、そうやって「かなえてほしい」だけだと、社員は受け身になってしまうんですね。課題が見えたのなら、それを自分たちで解決できるようにしていく。まずは、課題や要望を“会社ごと”から社員の“自分ごと”に変えることが大事だと気付いたんです。
 
エンゲージメント調査の結果が出た後は、部門ごとに課題の解決策を検討する場を設けています。

 

編集部:風通しのいい風土はそうした取り組みから生まれるのですね。他に、社員の自立性を高めるために工夫されていることはありますか?

 

福留:チャレンジの機会を与えることですね。社員が成長できる環境と教育制度が整っていれば、間違いなく社員はキャリアアップできます。社歴が長くなると当然できることは増えますから、できることをただやり続けてても仕方ありません。だから新しいことにどんどんチャレンジしてもらいます。

 

編集部:具体的にどのようなチャレンジをさせるのでしょうか?

 

福留:目新しいことじゃなくて、あくまで日常でできる内容です。たとえば、弊社では毎年全社員が集まる「経営方針説明会」という会議がありまして、運営は全て入社2年目の社員に任せています。ホテルで大々的に行うようなイベントですが、会場との交渉から当日の段取りまで全部やってもらうので、任された本人は本当に大変です。
 
本当は慣れている人がやれば、もっとスムーズかつ簡単にできるはずです。でも、これを学習機会と捉えると、とてもいい経験になるんです。

 

編集部:とても勉強になります。人材活用や採用の事例について引き続きお話をうかがいます。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 
後編に続きます。

働きがいのある組織づくりにおいて必要な考え方や取り組みについて、福留さんにうかがいました。
後編では、社内外で活躍するワーママ社員の牧園さんをお迎えし、リモートワーク下の人材活用や採用の事例についてお話をうかがいます。

福留進一さんプロフィール
株式会社現場サポート 代表取締役社長 福留進一(ふくどめ・しんいち)
1990 年大学を卒業後、鹿児島ゼロックス(株)に営業職として入社。2005 年新規事業撤退方針を受け、同社を退職と同時に (株)現場サポートを設立。
2019 年 鹿児島県経営品質賞知事賞・2020 年日本でいちばん大切にしたい会社大賞・2022年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング ベスト100(小企業部門 2 位)など受賞。(一社)施工管理ソフトウェア産業協会 理事・鹿児島県中小企業家同友会 副代表理事 ・鹿児島県経営品質協議会 幹事等も務める。
HP:株式会社現場サポート

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文・インタビュー:小山 佐知子

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