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2024.01.05 2024/02/14

プロジェクトマネジメントは「船の操縦」のようなもの
ポイントや必要なスキルとは?

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プロジェクトマネジメントは「船の操縦」のようなもの<br>ポイントや必要なスキルとは?

「プロジェクトマネジメント」は、企業や組織がプロジェクトを成功させるうえで重要な業務です。その責任の大きさから、「プロジェクトを成功させないと……」「うまくメンバーをまとめないと……」など悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

しかし、プロジェクトマネジメントについて難しく考えすぎる必要はありません。役割についてしっかりと整理をしたうえで、「目的」「重要なこと」からブレなければ、その仕事が取り組みやすくなるはずです。

今回は、プロジェクトマネジメントの基本的な知識や求められるスキル、事例について紹介します。

プロジェクトマネジメントの基本知識
その仕事に悩みを抱える人も多い?

まずは、プロジェクトマネジメントの定義や重要性について整理しましょう。加えて、世の中のプロジェクトマネージャーは、どんな悩みを抱えているのか、調査をもとに紹介します。

プロジェクトマネジメントの定義について

プロジェクトマネジメントという仕事をひと言で表すと、「目的を達成するためにプロジェクトを管理すること」です。「品質・予算・納期」について責任を負い、プロジェクトの計画から達成までチーム全体をまとめます。

『ラシク』で過去にインタビューした、プロジェクトマネジメント協会会員の大森純子さん(※)は、プロジェクトマネージャーを「目的地に向かって船をこぐ船頭さん」と表現しています。

プロジェクトマネジメントは人生そのもの不測事態と向き合い、前を向いて生きるヒント

プロジェクトマネジメントの意義・重要性

一つひとつのプロジェクトには「目的」いわば「ゴール」があります。ゴールにたどり着くためには、限られた予算の中で着実に計画を進めなければなりません。

ここで大切なのが、プロジェクトは「チームで成功させるもの」であるという点です。プロジェクトマネージャーは、ゴールをしっかりと見つめながら、メンバー全員が足並みをそろえて進んでいけるようにチームを先導する責任を持つのです。

プロジェクトマネージャーの実態

プロジェクトマネジメントに悩みを抱える人は少なくありません。プロジェクト管理ツールを提供している株式会社アジャイルウェアによる、「プロジェクト管理についての調査」から公表データを紹介します。

引用:株式会社アジャイルウェア(2021年)「プロジェクト管理についてのアンケート」

グラフ内の「とても抱えている」と「やや抱えている」を合算すると、何かしらのストレスを感じているプロジェクトマネージャーは8割に上ることが分かります。「部門間の意思疎通が取れておらず、納期が遅れる」「ルールを守らないスタッフがいる」「ステークホルダーの調整が大変」など、その悩みは多岐にわたっています。

「悩みを抱えているのは自分だけじゃない」。そう思うと、心が少し軽くなるのではないでしょうか。

プロジェクトマネジメントに必要なスキル

プロジェクトマネジメントにはさまざまなスキルが求められます。特に注目しておきたいのが、下記3つのスキルです。

  • 全体を俯瞰するスキル
  • 問題発見・問題解決スキル
  • 円滑なコミュニケーションを行うスキル

各スキルがなぜ大切なのかについて紹介します。

全体を俯瞰するスキル

プロジェクトは、個人単位ではなくチーム単位で動きます。プロジェクトマネージャーは、「計画通りに進んでいるか」「遅れている場合どのような対策が必要か」など全体を広い視野で見なければなりません。ときには、目的達成のためにスケジュールを変更することも必要です。

なお、進捗状況を頭の中だけで整理するのは難しいものです。そこで、管理ツールを導入するなど、進捗状況を「見える化」して全体を俯瞰する方法が必要になります。

問題発見・問題解決スキル

プロジェクトを進めていると、必ずと言っていいほどなんらかの問題が発生します。プロジェクトマネージャーは、客観的視点でチーム内の問題を発見し、その問題を解決する役割を担います。

問題を発見するうえで大事なのが、受注や企画などの初期段階で依頼者のニーズを明確にすることです。これにより、「そもそも何が問題にあたるのか」を正しく判断できるようになります。

また、問題解決にあたっては、その問題を、構成する要素に分けながら構造化することがポイントです。問題の根本的な原因が分かりやすくなり、スムーズに解決に向かうことができます。

円滑なコミュニケーションを行うスキル

「プロジェクトマネジメントはコミュニケーションが9割」と言われることもあるほど、コミュニケーションスキルが重要です。メンバーと積極的にコミュニケーションを取りながら、「悩みを抱えていないか」「どこかの工程が滞っていないか」などを確認します。

「どこに情報を保管するか」「どんなコミュニケーションツールを使うか」など、コミュニケーション環境の構築について考えることもプロジェクトマネージャーの役割です。特に今は、リモートワークでプロジェクトを進めることも多い時代。直接顔を合わせる機会が少ないからこそ、メンバーの意思疎通が円滑になる環境を整えましょう。

プロジェクトマネジメントの経験知
3つの体験談をご紹介

プロジェクトマネジメントを成功させたり、プロジェクトマネージャーとしてのキャリアをイメージしたりするためには、経験談からポイントや考え方を学ぶことも重要です。ここでは、日常的にプロジェクトマネジメントを行っている三者の例を紹介します。

体験談1:チームでのプロジェクト達成に目覚め、後に起業

音楽業界からバックエンドエンジニアに転職したAさんは、入社から1年強が経ったころ、大型プロジェクトのマネジメントを担当することになりました。

Aさんはもともと、プロジェクトマネージャーになりたかったわけではなく、「自分で動いたほうが業務効率が早い」と考えていました。しかし、プロジェクトが進む中で、自分ひとりのリソースでは目的が達成できない状況になり、仲間の力を借りる重要性を痛感したそうです。

この出来事がきっかけで、プロジェクトマネジメントにおもしろさを感じるようになり、後に独立起業。2020年からは、プロジェクトマネジメントについて学ぶ勉強会やメディアを運営して、その魅力ややりがいを広く発信しています。

体験談2:企業での経験をもとに、広域なプロジェクトに挑戦

こちらは、過去のプロジェクトマネジメント経験を、別領域でのプロジェクトマネジメントに生かしている方の事例です。

総務省が2021年度に創設した「地域プロジェクトマネージャー」制度について知ったことを起点に、福島県葛尾村の地域プロジェクトマネージャーに就任したBさん。もともと外資系IT企業でプロジェクトマネージャーを務めていて、行政の現場を経験することで、自分に足りない知識やスキルを身につけたいという思いがありました。

Bさんは、2022年3月に着任してから移住・定住支援を中心に担当しています。前職で培ったコミュニケーション能力や調整力を生かしながら、移住者・地域住民の双方の気持ちを感じとることを大切にしています。

体験談3:編集デスクとして、いくつもの企画を進行管理

あるWebメディアの編集デスクとして、業務委託されているCさん。記事の企画立案からライターへの発注管理、原稿入稿まで、掲載予定の記事が滞りなくアップされるよう、細やかに進行を支えています。

ただやはり、イレギュラーな事態が発生することも。そのときに「狂いなくシステマティックに対応していく」というよりは、目的へのルートや形を柔軟に変えながら、落着するようコミュニケーションをとっていくことが大切だと痛感しているそうです。

プロジェクトの舞台は、企業内であったり地域であったりさまざまで、期間や規模、予算も異なります。しかし、いずれにおいても、チームメンバーやステークホルダーとのコミュニケーションが鍵となるようです。

目指すゴールは「成果物」かもしれませんが、プロジェクトに関わっているのは「人」であることを忘れないのもポイントですね。

最も重要なのは「目的からブレないこと」

プロジェクトマネジメントにおいて最も重要だと言えるのが、「目的」からブレないことです。

「プロジェクトマネージャーは船頭さん」という、先述した大森さんの言葉をお借りすると、船頭が目的地を見失えば、乗っている人は途方に暮れてしまいます。逆に、荒波だったり、予定していた航路から外れたりしても、目的地さえ見失わなければ、乗っている人たちはゴールを目指して頑張り続けることができます。

プロジェクトマネジメントという仕事を難しく考えすぎると、「リスク管理」に意識がいきやすくなり、プレッシャーを感じてしまいます。ですが、プロジェクトが計画通りに進まないのは当たり前のこと。目的をしっかりと見据えたうえで、その都度、チーム全体で最適解を見つける働きかけができれば、おのずと良い方向へとアプローチできるはずです。

最後に、このようなプロジェクトマネジメントの考え方は「幸せに生きることにつながる」とも、大森さんは語っています。

ステークホルダーにあたる人たちと良好な関係を築きながら「いつまでに・どこでやる」を決めて、自分自身で管理すること。それは日常生活においても同様で、人生も「プロジェクトの連続」と捉えられるとか。

たとえば子育てにおいても「子どもが健康で元気なら、多少のことはOK」とリスク管理の考え方が変わり、仕事にも良い影響をもたらしているそうです。

プロジェクトマネジメントの本質は案外シンプルで、生き方のヒントにも通じるものなのかもしれませんね。

リーダーだからといって常に強くいる必要はなくて、ひとりで抱え込む必要もありません。コミュニケーションを大切に「みんなで」目的地に向かっていくことを意識してみましょう。

【参考】

TechTrends「PMは、PMからしか学べないことがたくさんある」

先端教育「地域活性に必要な戦略的視点を学び魅力あるまちづくりへ

環境省 放射線リスクコミュニケーション相談員支援センター「移住者日記バックナンバー

まとめ

プロジェクトマネジメントは、チームを先導しながら目的達成のために全体を管理する、やりがいの大きい仕事です。責任が伴いますし、孤独を感じるときもありますが、そんなときには周囲を頼ることを意識してみましょう。

また、これからプロジェクトマネジメントに挑戦する人は、ぜひ当記事で紹介した「3つの必要なスキル」を意識してみてください。自分の持っているスキルを存分に生かしながら、チームで目的へと向かっていくことで、プロジェクトマネジメントのやりがいや喜びを最大限に感じることができるはずです。

ライター

紺野天地

ライター、文筆家

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