【千葉県流山市のシェアオフィスTrist】自宅近くでキャリアを活かしてリモートワーク 「新しいはたらき方」を叶えた3人のママたち
キャリアを活かして働きたい。でも自宅近くにはキャリアを活かせるような仕事はないし・・・。多くの方が思ってきたことなのではないでしょうか。
今回インタビューした方も、千葉県流山市にあるシェアオフィスTristと出会うまではそう思っていたうちの一人。現在は、リモートワークをしながら自宅近くで働いています。千葉県流山市で「新しいはたらき方」を叶えた3人のママたちにお話を伺いました。
時間と場所を選択することで得られた精神的ゆとり
LAXIC編集部:皆さん、現在は自宅に近い千葉県流山市の シェアオフィス Trist を利用し、東京にある企業の仕事をリモートワークでされているそうですね。まず現在のような働き方を選ばれた理由を教えてください。
山崎加寿美さん(以下、敬称略。山崎):私は2016年の6月末まで12年間、メーカーで人事の仕事をしていました。4歳・7歳の子どもがいますので、育休を取得して復帰し、ママになってからも都内の会社に通って働いていたんです。その中で「時間と場所を自由に選択できる働き方はないのかな」と思うようになりました。ちょうど、社内で早期退職制度を募集していた時期で、一度リセットすることを決め退職しました。
その後、たまたまご縁が繋がり、女性向けライフキャリア支援事業を展開する 株式会社リブ でカスタマーサポートの仕事をリモートワークでしています。前任の方もリモートで働いていたそうで、仕事は問題なくできていますね。
増田陽子さん(以下、敬称略。増田):私は、長男の出産直前まで広告制作会社の写真素材販売部門で営業デスクをし、出産時に退職をしました。その後、元上司から声をかけていただき、子どもが1歳の頃から在宅で仕事をしていていました。2015年に会社の事業の方針により契約が終了。家の近くで仕事を探そうと、大型ショッピングセンターでの仕事に応募してみたのですが、採用されず。個人としてというより、使いやすい人材を求められているんだなあと思いました。そんな時、Tristが実施する研修プログラムを知り、参加したのです。研修が終了したのち、 株式会社スペースマーケット で営業アシスタントの仕事をしています。1月末から1ヶ月間は研修兼実務という形で新宿まで通っていたのですが、3月からはTristでリモートワークをしています。
小林愛さん(以下、敬称略。小林):私は仕事を辞めてから7年のブランクがあります。以前は人事部でかなり忙しく働いていたので、結婚を機に一度リセットしたいと思い退職しました。でも、家にいるのは1週間で飽きてしまい、その後はケーキ屋さんをオープンする友人のお手伝いをしたり、派遣社員として出産の直前まで働きました。
我が家は主人が単身赴任だったこともあり、子どもが幼稚園までは子育てが仕事だと思って頑張ってきたのですが、子どもが小学校に上がった途端、今まで抑えていた「働きたい」という思いが溢れてきました。一時は自分のやりたい仕事よりも、場所や時間を優先し、増田さんと同じようにカフェや洋服屋さんなどのアルバイトにも応募しました。ただ、どこに行っても、聞かれることは当然、「何時から何時まで働けるか」ということだけで、自分が今までやってきた経験が聞かれることはなかったんです。本当にこれで良いのかなと思っていた時に、Tristと出会いました。私の思っていたことはワガママでないこと、今までの経験を活かし仕事探しをしようと思いを新たにし、復帰に向け研修を受けさせて頂きました。現在は、中高生向けのプログラミング教育を行う ライフイズテック株式会社 で、週3・9時〜16時まで、採用関連の仕事を行っています。現在は就業したばかりなので、会社に通勤しているのですが、今後リモートの環境を作っていければと思っています。
編集部:山崎さんは、自宅から会社まで1時間かけて通っていた生活から、近所のシェアオフィスに通いリモートワークをするという形に変わったわけですが、新しい働き方はどうでしょうか?
山崎:今までは毎日、往復2時間半かけて通勤し、働いていたのですが、バタバタの生活でしたね。12年間働いてやりきった感もありました。
子どもが小1の間はできるだけ時間を確保したいと思っていたところで、実際にリモートワークで働いてみて、ママにとって、時間ってすごく大きいんだなあと実感しています。精神的なゆとりが全然違うんです。
編集部:増田さんは今までもリモートワークを経験されていますが、現在の会社のリモートワークのしやすさや、在宅でなくシェアオフィスで仕事をすることについてはどう感じていますか?
増田:スペースマーケットは毎週水曜日がリモートワークデーで、実際、育児に積極的に参加している男性が多く、とても理解があって働きやすいです。
私自身は、在宅で仕事をしている経験が5年あるのですが、在宅で働くことの孤独感や、生活との切り替えが欲しいと思っていました。 Tristでは働くことに対して同じ意識を持っているお母さんたちがたくさんいる。ここで研修をして出会った人が、私のパワーになっていると思っています。前職に復職することも考えましたが、東日本大震災も経験したので何かあったら子どものところにすぐ駆けつけられる安心感が欲しいなと思い、この働き方を選びました。自宅の近くで仕事をするというリモートワークの魅力は、他の女性たちにもぜひ知って欲しいと思っています。
弱みを克服するより、強みを活かす
編集部:増田さんと小林さんは Tristで行われた「テレワークで働くためのキャリア教育プログラム」を受講されたんですよね。どのような内容だったのでしょうか。
小林:Tristのプログラムは3段階になっていて、
増田:Office系ソフトについては、今まで「できます」と言ってきましたが、本当にできるのかなという不安はありました。でも、今ははっきりと「できる」と言えますし、それが自信につながりましたね。
小林:私は今まで、「弱みを克服しないと社会に通用する人になれない」と思っていたんですよ。でも研修を受けて、一人ひとりが強みを活かし、持ち合ってチームで働けばいいんだと思えるようになりました。
私はお母さんでいた時間が長かったので、自分の意見を言う場がほとんどなかったんです。「その他大勢の中に入ってた方が波を立てずにいいのでは」と思うことも多かった。でも、研修では自分自身が軸なわけです。自分ってこういう人なんだなと見直すきっかけにもなりましたね。
増田:研修の中で、まずは自己紹介としてそれぞれの経歴を話す時間があって、皆さん「私は専業主婦が長く、できることがあまりなくて」と謙遜されるんですが、でも話してもらうとそれぞれに歴史と能力があって、研修が進むに従ってどんどん輝いていかれるんです。それが貴重な経験でしたね。
編集部:Tristで仕事の話もできる同じ価値観の人と出会えたという話を聞いていると、専業主婦時代のもやもやした気持ちが多かったのかなと思うのですが。
小林:常にもやもやはしていましたね。子どもの話がメインで、子ども以外の話はなかなか出来なかったので。この人のことをもっと知りたいのに、それを話す時間もなく、あまりお互いを理解しないまま時間が過ぎるような。
増田:仕事の話をすると温度差を感じてしまうので、あまりしないようにしていました。仕事のことも子育てのことも話せる Tristという空間はとても刺激がありますね。
子どもと同じように、自分自身も成長していきたい
編集部:皆さんにとって「はたらく」ってどういうことですか?
小林:子どもがいても、旦那さんがいても、自分は自分であり続けたいし、成長し続けたいんです。子どもが小さいうちは一緒にいてあげたいという気持ちもありますが、ママ業だけしていると、子どもの成長スピードに自分が追いついていない気がしてしまうんです。導いていく存在としては過去の経験だけでは難しい、インプットが少なすぎる。働くことで自分自身も成長していくことは、子どもにもいい影響を与えていけるのではと思っています。
増田:会社を辞める時に「育児に転職しよう!」と思ってやめたのですが、自分の世界を広げたいという気持ちもいつも心の片隅にあり、子供の成長と共にそれが大きくなっていきました。母親は家族の中心にいることが多く、母親自身が活き活きしていると家族にも良い影響を与えられるのではないかと思っています。
山崎:「はたらく」ことは人生のいろんな選択肢の一つでしかなく、最近、「こうでなければいけない」という気持ちが取れていて、もっと多様な働き方があっていいと思っているのです。仕事をすることによって気づきや学び、自己表現など受ける刺激はたくさんありますが、もちろん働かないという選択肢もあると思うんです。
編集部:「働きたいなあ」と思いながらも、とどまっている人がいるとしたらどんな言葉をかけますか?
山崎:今はいろんな働きかたが出てきていて、いろんな扉がたくさんあると思うんです。いろんな人に話を聞いて、まずは何か一歩進んでみると、自分にあった扉が開いて来ると思います。
小林:仕事を自分のために選び、楽しんで欲しいなと思います。あと、都心でバリバリ働くことが全てではなく、リモートワークのようにいろいろな働き方があるんだと伝えたいなと思います。
「専業主婦時代は、子どもの話がメインで自分のことを話せなかった。」と語る小林さん。募っていたもやもやは、研修で自分軸で語ることによって次第に晴れていったそうです。現状にもやもやを感じているなら、一歩踏み出してみる。そこから自分が望んでいる世界が現れるかもしれません。
プロフィール
ライフイズテック株式会社 小林 愛さん
流山市在住・小学1年生男子のママ
7年のブランクを経て、2月より仕事復帰。
株式会社リブ 山崎 加寿美さん
松戸市在住、年少男子・小学校1年生女子のママ。
昨年10月よりリモートワークという新しい働き方を開始。
株式会社スペースマーケット 増田 陽子さん
柏市在住 幼稚園年少女子・小学1年生男子のママ
長男出産後5年間の在宅ワークを経て、1月末より仕事復帰。
文・インタビュー:宮﨑 晴美
ライター