コロナ禍で進むジョブ型雇用
「時短×活躍」キャリアアップの転職も可能に

フリーライターの下谷内です。4歳と2歳の子どもを育てる私がかつて時短社員として働いていたころ、一番辛かったのが、重要な仕事を任せてもらえなくなったことでした。残業ができず、子どもの病気で急きょ休みを取得する私に上司は「どこまで任せたらいいのだろう」と迷い、私もまた申し訳ない気持ちを抱えていました。

会社にもよりますが、社内にはさまざまな勤務形態の人がいます。フルタイム、時短勤務、パート、契約社員…。同じ「ママ社員」でも、働き方や役割の違いから時短ママがフルタイムママに遠慮してしまう、といった話を耳にするなど、罪悪感やジレンマを抱えながら働く女性の多さが窺い知れます。
  

  • 子どもがいても、自分らしく働きたい
  • サポート役ではなく、「動ける人」の一人として認められたい
  • できるなら、時短中もキャリアアップしたい
  • かといって、プライベートを削ることなく子どもとの時間を大切にしたい

  
そんなワーママたちの願いは果たして叶うのでしょうか?

今回のコラムでは、私が先日参加したオンラインイベント(※)の講演でXTalent株式会社・代表取締役の上原達也さんが語った言葉をご紹介しながら、時短勤務を条件とした転職活動や時短ママが活躍できる企業の特徴についてお伝えしていきます。
(※)「柔軟な働き方でキャリアを伸ばそう!」 主催:キャリア支援・人材紹介サービスCAREER MARK(キャリアマーク)

コロナ禍で企業の人材活用と求人にある変化が……

XTalent株式会社 代表取締役社長 上原達也さん

育休復帰後の女性は、時間や気持ちの面で出産前と同じように働くことが難しく、「時短勤務」を選択する方も多いですよね。ただ、一方で、マミートラックという言葉もあるように、時短勤務をしている方の中には主戦力とみなされず、両立はできるけれど補助的な仕事がメインになりモチベーションが低下してしまう場合も…。時短でも職場から必要とされている実感を持ちながら働くことはできるのでしょうか?

XTalent株式会社では、ハイスキル×ママ・パパ向け転職サービス「withwork」を運営しています。上原さんによると、コロナ前から子育て中のママを中心に、時間的制約のある方を採用する企業は増加しているといいます。

時短勤務の方を採用する企業はコロナ前から徐々に増えていると感じており、コロナ禍の現在は在宅勤務やフレックス勤務の求人も増えました。今まで子育てによるハンディキャップとされていたことが、大きなハンディキャップではなくなってきています。

「子育てによるハンディキャップ」は一言で言うならば、時間的制約と柔軟さ。「保育園のお迎えがあるから17時前には退勤しなければならない」、「夕方以降のミーティングに参加できない」、「子どもの病気で急きょ欠勤する可能性がある」、「休日出勤ができない」といったことがこれまでハンディキャップとされてきました。ところが、上原さんは、そうした捉え方も時代の流れとともに変化してきていると話します。

パパだって当たり前に育児をする時代。この流れに順応できない、変われない企業には、残念ながら明るい未来がありません。男女ともに優秀な人材が集まってこないのですから。

最近は、新卒男性の半数以上が育休取得を希望しているというデータもあるほど、性別にかかわらずワークライフバランスを求める傾向は高まっています。働き方改革の風潮も追い風となり、長時間労働を見直し、時間あたりの生産性を重視する企業も増えてきました。上原さん自身も17時ごろに退勤し、保育園へお迎えに行くこともあるそうです。

パパ・ママはもちろん、介護などで時間的制約がある人は今後も増えていきます。XTalent株式会社で募集管理している求人情報はIT関連の企業が多いとのことですが、業界や職種によっては積極的に多様性を重視した人材活用を行っているようです。

今の会社で「時短で居心地が悪い」「理解を得にくい」「強みが活かせない」といった悩みがあるのであれば、転職するというのもひとつの手ではないでしょうか。

ジョブ型雇用は「時短×活躍」の追い風に

ところで、みなさんは「ジョブ型雇用」や「メンバーシップ型雇用」というワードを聞いたことがありますか? ジョブ型雇用とは、その名の通り、職務(ジョブ)を特定し、それに見合ったスキル人をもつ人材を募集する方法で、メンバーシップ型雇用は、年功序列や終身雇用といったこれまでの日本に多かった雇用のしくみです。コロナ禍の在宅勤務の広がりに合わせて、ジョブ型雇用を導入する企業が増えてきましたが、上原さんによると、アフターコロナ時代の新たな雇用制度としてジョブ型がより加速していくとのことです。

ジョブ型雇用は業務範囲が明確にされるため、メンバーシップ型の雇用に比べ働く時間の長さではなく、成果で評価されることが可能です。

ジョブ型雇用の広がりで、時短でもスキルを活かして活躍できる時代がやってきそうです。では、具体的にどんな人が時短でも活躍できるのでしょうか。上原さんは最初に「アウトプットのスピードの速さ」を挙げていました。

周囲からの期待値をしっかり見極めることがポイントです。責任感がある方ほど100点満点を目指してしまう傾向がありますが、タスクによっては70点で提出したほうがよいこともあります。求められるアウトプットの水準を見極められる人は仕事ができるな、と思いますね!

勤務時間が短くなった以上、これまでのようにすべての作業に100%の力を注ぐことはできません。時短でもきちんと成果を挙げるには、自分が求められていることをいかに正確に把握し、それに応えられるかが重要。自己開示や成果のアピール、そして周囲の巻き込みなど、積極的にコミュニケーションを取っていくと良いようです。

時間の制約がない人と同じ土俵に立つのだから、生産性を高める工夫が必要ですよね。家事のアウトソーシングなども一緒ですが、限られた時間で成果を出すには、いかに自動化する工夫や周囲を巻き込む力が重要になります。

経験×スキルでキャリアを棚卸し、面接では濃い対話を

転職活動をはじめる際にはしっかりと下調べをしてみましょう。求人票に「子育てママ歓迎」や「時短可」と記載されていたにもかかわらず、実際に入社してみたら働きにくかった…というのはよく聞く話。そうならないためにも、面接時にミーティングの開催時間やリモートワークの導入状況、社員の平均退勤時間などをしっかり聞いてみましょう。

最近では子連れ出勤ができる環境を整えたり、社内に保育ルームを開設したりする会社も増えてきました。経営者自身の働き方や育休取得状況、評価制度の明確さ、実際に制度を活用できる風土があるかどうかといったポイントも大切ですね。求人を探す際は、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(※くるみん、プラチナくるみん認定)を受けた企業なども参考にしてみるといいのではないでしょうか。

転職活動では、「キャリアの棚卸し」をすることは言うまでもなく大切です。時短で働きたい! と条件面を先に伝えるのではなく、相手が欲しい人材を見極めた上で自分を雇うべき理由、つまりPRポイントをしっかり伝えたいものです。

自分では「こんなこと履歴書に書くようなことではないよな」と思うようなことでも、企業からするとまさに求めているスキル、ということもあります。自分では役に立たないと思っているスキルでも、「経験」と組み合わせることで、マッチする求人はたくさん出てきます。

上原さんがおっしゃる「経験」というのは、経理や法務、営業やマーケティングといった職歴が中心になりますが、それ以外にも、育休中に学んだことや子育てやイベントやオンラインセミナーなどで得た知識でも構いません。スキルとは、WordやExcel、タイピング、語学やコミュニケーション力など、これまでの人生で培った能力のことです。特別な経験がなくても、履歴書への書き方次第で自分をブランディングし、相手の想像力をかき立てることは可能です。いま一度、ご自身のことを振り返ってみましょう。

(※)くるみん認定 および プラチナくるみん認定企業名都道府県別一覧

ひとつの会社に長くいる時代ではない

キャリア支援・人材紹介サービスCAREER MARK(キャリアマーク)では今後もさまざまなイベントを企画します

今や終身雇用、年功序列の企業に勤めていても先が保証されるような時代ではありません。会社員という働き方だけでなく、フリーランスや復業という働き方も注目されて、実際にそうした働き方にシフトしキャリアを確立するケースも増えています。

今回のトークイベントを主催したCAREER MARKでは、駐在帯同によってキャリアが一旦ストップしてしまった女性の今後のキャリアを支援しています。「時短」と「駐在帯同」は一見関連がないことのように思えるかもしれませんが、どちらもキャリアにブランクができやすい、という点では似通っています。CAREER MARKでは随時イベントも開催しているようなので、興味があればぜひ公式サイトを覗いてみてくださいね。

これから先、私たちは、自分で働き方を選べる社会、自分が笑顔でいられる社会をつくっていく必要があります。新型コロナウィルス感染症による社会の変化をどう捉えるかは、自分次第。ママがストレスを抱えていたら、子どもは「自分のせいではないか」と不安に思うでしょう。ママが自分で道を切り開いていく姿を、子どもはきっと見ているはずです。

ライター 下谷内 由希奈
医療機関の時短社員を経てフリーライターに。1歳7ヶ月差兄弟のママです。子育てや教育、
健康や暮らし、美容などがテーマのインタビュー記事やコラムを執筆中。

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