7年のブランクを経て週1出勤・在宅で仕事復帰! 「働く」ことは、人生に潤いを与えてくれるエッセンス
子どもを保育園に預けて働くワーキングマザーも一度は「一定期間はゆったり子育てに集中してみたいな」と思ったことがある人も少なくないのでは?一方で、「一度辞めたらもう働けないかも!」、「短時間だとパートのような仕事しかないだろうなあ」と思う気持ちがあることも事実。かくいう私も、第一子の育休中に、「このまま子どものスピードでゆったり子育てしてもいいなあ」と少し考えました。そして、もう少しフレキシブルに働ける働き方はないか?と常に思っていました。
今回のインタビューはそんなワーママの揺れる想い!?に光を与えてくれ、週1出勤・在宅で育児も充実!というフレキシブルな働き方を提示してくれる、株式会社あどばるでフリーランスとして働く横田彩子さんです。
仕事復帰のきっかけは、経済産業省が主管の主婦のためのインターン制度
宮崎7年のブランクを経たお仕事復帰だそうですが、働くことになったきっかけは?
横田さん(以下敬称略)
子どもが小学校に入った頃から自由になる時間が増えたので、空いている時間に仕事をしたいと漠然と考えていました。一方で、家事や育児、自分の楽しみのための時間を減らしたくないという気持ちもあったため、週に2,3日程度の短時間勤務といった条件でインターネットでゆっくりと仕事を探していました。
そこで目に留ったのが「中小企業新戦力発掘プロジェクト」という、経済産業省が主管の主婦のためのインターン制度。「ブランクOK」「週3日・1日4時間~OK」ということでしたので、そちらに登録をし、紹介を受けたのが今お仕事をいただいている会社です。
3ヶ月ほどインターンとして勤務し、そのまま引き続き業務委託契約の形でお仕事をさせてもらっています。
今のお仕事内容とワークスタイルは?
横田企業のコンテンツマーケティングに関わる業務です。具体的にはWEB記事の作成や取りまとめ、コンテンツの企画業務を行っています。週に1回、定例会議のために出社しますがそれ以外は在宅で作業しています。
週1出勤でその他は在宅という形態は、もともと会社の規定や前例があったのですか?
横田前例がなかったため、担当の方と話し合いを重ね、「業務委託契約」という形になりました。
前例がなくても新しい形を作るその会社の形、いいですね。
では、 週1出勤・その他は在宅での業務の実際の働きやすさはどうですか
横田大変働きやすいと感じています。勤務時間を長く取ることができない主婦としては往復の通勤時間はとても無駄な時間ですので、それを省くことができることは効率良く業務をこなす上でとてもメリットになっています。
今、私の中で最優先にしたい「育児」という仕事をしっかりこなしながら、効率よくお仕事をさせていただき、報酬をいただけるというのは大変有り難いと思っています。
横田さんのある日のスケジュール
【出勤日/木曜日のタイムスケジュール】
5:45 起床、朝食準備、子ども朝食、登校準備
6:45 子ども登校
7:00 朝食、片付け、洗濯等の家事、出勤準備
8:30 出勤
9:20 会社到着
11:00 コンテンツマーケティング定例会議
13:00 退勤、昼食、夕飯の買い物等
15:00 帰宅
15:40 子ども帰宅、おやつ
16:20 お稽古へ送る
17:00 夕食準備
17:50 お迎え
18:20 帰宅、宿題を見る、翌日の準備、夕食、お風呂
21:00 子ども就寝
23:00 就寝
【在宅業務を行う日/火曜日のタイムスケジュール】
5:45 起床、朝食準備、子ども朝食、登校準備
6:45 子ども登校
7:00 朝食、片付け、洗濯等の家事
9:00〜 PCにて業務をこなしつつ、家事(掃除、洗濯、食事の準備、買い物など)、昼食
15:40 子ども帰宅、おやつ
16:10 お稽古へ送る
16:45 お迎えに行き、別のお稽古へ送る
17:50 お迎え
18:20 帰宅、宿題を見る、翌日の準備、夕食、お風呂
21:00 子ども就寝
23:00 就寝
子どもが帰宅してからのスケジュールは毎日ほぼ同じです。
学校行事やプライベートな用事で昼間に外出した場合は、子どもの就寝後に作業を行うこともあります。
お子さんが学校から帰ってくる時間に家で迎えられ、そしてお稽古事への送り迎えもできる働き方はとてもいいですね!ではスケジュール管理に使っているアプリはありますか?
横田携帯アプリ「ジョルテ」を使用しています。常に身につけられ、入力・確認ができるため便利です。
人生において子どもと密に関われる時間はほんの一時期、この時間を大切にしたい
育児と仕事を両立する上で、一番大切にしていることは?
横田人生において子どもと密に関われる時間はほんの一時期だけですので、この時間を一番大切にしたいと思っています。お稽古の送迎、宿題の確認など、子どもの帰宅後のフォローは欠かさず行えるタイムマネジメントを心がけています。
育児と家事と仕事の両立、時短を助けてくれるアイテムや方法、仕事と育児を両立していく為、決めている自分の中での毎日のルールがあれば教えて下さい。
横田いずれは仕事量を増やしていきたいと考えていますが、子どもが低学年の今は、「育児」という仕事を最優先にし、子どもが帰宅する時間には必ず家にいたいと思っています。低学年のこの時期にしっかり目をかけ手をかけることで子どもの自立心が育ち、結果的に早い段階でより長く働けるようになると信じています。
働きながら育児をしていて、うれしかったことは?
横田7年以上のブランクを経ての社会復帰でしたが、自分ができることを責任をもって果たすことで評価をいただき、それが報酬につながることはとてもうれしいことです。初めて報酬をいただいたときは、初任給をいただいたときのような新鮮な気持ちでした。
また、「ママがお仕事をしている」ということを子どもは嬉しく思っているようで、それが私にとっても喜びになっています。
結婚出産のタイミングは考えていましたか?
横田結婚のタイミングは意識しませんでしたが、出産のタイミングは考えました。当時は広告代理店の営業(総合職)で荷物を持っての電車移動も多く、深夜残業や休日出勤、出張もありました。また、当時まだ産休をとった社員はいないという状況でしたので、会社を辞めなければ妊娠・出産はできないと思い、退職しました。
「働く」ことは、人や社会と繋がることであり、人生を精神的に潤してくれる
横田さんにとって「働く」とは?また、育児期間を経て「働く」意味は変わりましたか?
横田出産前は「働く」=生きるためのお金を稼ぐ行為という意味合いが大きかったのですが、出産、長いブランクを経て働き始めたことで、「働く」とは「人生に潤いを与えてくれるエッセンス」だと感じます。
いただく報酬で物理的に生活が潤うということもありますが、「働く」こと自体が人と繋がることであり社会と繋がることであり、自分の存在価値を高めてくれるという意味で、人生を精神的に潤してくれるものと感じています。
これは、自分の中での優先順位を崩すことなく、効率良く働けているからこそ感じることだと思います。
出産をきっかけに退職はしたけれど、子どもとの時間を大切にしつつも短時間で働きはじめたい!と思う人は多いはず。そして今は育児に専念している、優秀な女性たちは本当にたくさんいます。そして、そんな優秀な女性たちの力やノウハウを取り入れることは、企業にとっても大きな力になるはず。働きたい優秀な人たちが、働きたい時に短時間でも働ける環境を作り出すこと、企業が変わって行くことで日本も社会もどんどん変化していけると思っています。労働市場はもっとフレキシブルでいいはず。そんな社会と企業をLAXICは応援しています。
プロフィール
横田彩子さん
あどばる
大学卒業後、総合広告代理店に入社、営業職に就く。
退職後、事務職の派遣社員として放送局に勤務、出産のため退職し専業主婦となる。
7年半のブランクを経てフリーランスとしてコンテンツマーケティングの業務を開始する。
現在、長女は7歳(小学校2年生)になる。
文・インタビュー:宮﨑 晴美
ライター