【新・旧編集長対談<前編>】
Afterコロナ、私たちの働き方はどう変わる? ワーママのいままでとこれから

ラシク・インタビューvol.164

LAXIC(ラシク)旧編集長 鎌田 薫さん

LAXIC(ラシク)新編集長 小山 佐知子さん

2020年6月、LAXIC(ラシク)編集長が変わりました。2019年5月より編集長を勤めた鎌田から、副編集長として共に編集体制を整えてきた小山へのバトンタッチです。

旧編集長の鎌田は、パートナーの海外転勤に伴い離職を経験したのち、帰国後は新規事業を生業にパラレルワーカーとして精力的に活動。LAXIC編集長業務と並行する形で主にtoC向けキャリアメンターとしても実績を積み、幼稚園ママである鎌田自身も多様な働き方を体現してきました。

一方、新編集長の小山は、大手企業2社で営業と編集の経験を積んだのち、ワーク・ライフバランスコンサルタントとして独立を経験。不妊治療と仕事の両立で悩み離職した経験をバネに、女性はもちろん、誰もが働きやすい社会づくりに貢献したいと考え、主にtoBへ向けた働き方改革コンサルティングや研修などを提供してきました。2018年には 「共働き未来大学」 プロジェクトを立ち上げ、家族や組織内のチームワーク(共働き方)向上のためのアクションを行なっています。

このコロナ禍で、働く人のキャリア観にはさまざまな変化が起きています。「このまま今の会社で働き続けていいのかな……」、「もっと自律的にキャリア形成しないとまずいかも……」など、不安を抱え始めた方も多いはず。新編集長の小山は、「今こそ働き方の課題を女性のものだけでなく、社会全体のものとして捉えていきたい」と言います。

新・旧編集長はこれからの時代の生き方や働き方、そしてLAXICをどう考えているのでしょうか。前後編でお送りします!

この5年、ワーママを取り巻く環境はどう変わった?

前編集長 鎌田薫(写真左上) 幼稚園ママとして限られた時間の中で子連れ取材もこなした

編集部:LAXICは2020年8月で5周年を迎えます。そんなLAXICのコンセプトは 「働きたいママが働けないミスマッチを解消する」 ですが、この5年で働くママを取り巻く環境も大きく変わりましたね。

 

旧編集長 鎌田 薫(以下、鎌田):これはあくまで定性的な話ですが、5年前は、「ワーママ=つらい」というイメージを持つ方が多かったように思います。確かに産休・育休や育児支援の制度が整ったとはいえ、産後に待ち受けるのはワンオペ育児や、家庭と仕事の両立でとにかく大変。もちろん、しんどい中にも楽しさややりがいを感じて働いてきた方もいらっしゃるとは思いますが、当時のメディアの影響なんかもあるのかな…… 実態のない虚像に不安を抱えていた部分もあったと思います。

 

新編集長 小山 佐知子(以下、小山):それすごくわかるなぁ。当時、「リーン・イン」という本を熱心に読んでいたんですが、「“幻の赤ちゃん”を抱えて必要以上に両立を不安視し、自ら選択肢を狭めてしまう」 という部分にすごく共感しました。

実際、女性の育休取得率は2007年からずっと8割を超えているものの、LAXICが立ち上がった2015年段階で、約5割の女性が第一子の出産を機に仕事を辞めています。ここで問題なのは、自ら望み、納得して職場を去っている人ばかりではないということ。

 

鎌田:さまざまな理由で泣く泣く職場を去った人も多かったからこそ、LAXICはその根底にある「ワーママはつらい」を変えたいという想いで立ち上がったんだよね。

 

編集部:実際、この5年で「ワーママはつらい」は変わってきた……?

 

小山:もちろんまだまだ両立への不安や職場環境の差はあるものの、少なくとも 「つらい=離職」 ではなくなってきましたよね。働き方の選択肢も以前より増えているので、状況に合わせて自分らしく働く人は増えたなと思います。そういう意味で、ワーママはもうマイノリティではなくなりましたね。女性の働く価値観の変化はもちろん、パートナーや企業、社会の姿勢も変わってきたことも大きいですね。

 

鎌田:私も自分の価値観がアップデートされた感覚はあるなぁ。私、第一子を出産したのがちょうど5年前だったんですが、夫が「育休を取ろうか?」と提案してくれたのに断ったんですよね…… 「出世に響くから取らなくていいよ!」って。

 

小山:それはびっくり!今の薫さんなら絶対そんなこと言わないよね(笑)

 

鎌田:男性の育休も特別なものではなくなってきているし、今なら「育休!いいじゃん!」って言うかな。でも当時は、夫の会社で育休制度を使う男性はまだゼロで。あとはそれ以前に、私の中で「子育ては母親の役目」という価値観も強かったんだと思います。

「ワーママ」という言葉はもう古いのかもしれない

新編集長 小山佐知子 女子大などでの講義・講演も積極的に行ってきた

編集部:「男は仕事、女は家庭」って根深い刷り込みですよね。無意識にそれに縛られてモヤモヤしていた女性は多いのではないでしょうか?

 

小山:女性は育児があるから働けない、とか、戦力にならないとか。これは組織側も働く個人も悪意なく何となく持ってきた感情だと思います。

 

編集部:確かに、ライフイベント期の女性=制約ある人という見方になると、配慮の対象になりますからね。

 

小山:Withコロナでリモートワークが広く市民権を得たわけですが、コロナ前は 「在宅ワーク=出社できない事情がある人の特別措置」 という温度感はありましたよね。育児や介護で制約があるから出社できないのは仕方ないよね、的な。

 

鎌田:うん、わかる。

 

小山:それが今や、多くの人が在宅ワークをやってみた結果、その良さに気づいて、「あれ?オフィスって必要だっけ?」という議論にまで発展しているんですからコロナショック恐るべし。出社神話も揺ぎはじめて、これからはいよいよ本格的に働き方や成果の出し方、あるいは評価の仕方なども見直していくことになりそうですね。

 

編集部:働き方改革の本質が試されていきそうですね。LAXICの読者の多くは女性ですが、お二人はワーママを取り巻く環境はどう変化すると思いますか?

 

小山:実は私、「ワーママ」 という言葉はもう古いと思っていて……

 

編集部:えっ! それはどういう意味ですか?

 

小山:「ワーママ」 って、もはや誰を指しているかわからないということです。働く母親の数が増えただけでなく、働き方の選択肢も正社員、派遣社員、パート、フリーランス、起業、副業などたくさんあって、色んなパターンが生まれています。それに、やりがいとして働く人、糧として働く人など、価値観もさまざまです。そうなると課題感も違ってきますよね。一度選んだ働き方が何十年と固定されるわけではない時代に、「ワーママ」 とひとくくりにして問題提起し解決しようとするのには限界があると思うんです。

 

編集部:確かに。

 

小山:あとは、これはあくまで個人的な話ですが、ワーママという“タグ付け”みたいなものにも少し違和感があるかなぁ……

 

編集部:タグ付け…… ですか?

 

小山:たとえば「○○ちゃんのママ」とか、「ワーママの小山さん」とか。子どもと一緒にいても、働いていても、趣味に没頭していても、私は私でしかないので。

 

鎌田:私は私……! 確かにそう。私もママであり、パラレルワーカーでもあるけど、バラバラ感はなくて、一つひとつが「私」という根っこでつながってる感覚がある。確かにもう「ワーママ」という言葉だけではくくりきれないのかも。

 

小山:そういう意味でも、ワーママを取り巻く環境がどうなるかというより、ママも含めた働く人を取り巻く環境がどうなるかという話になっていくでしょうね。

いろいろな働き方や価値観を受容し、自分らしく働く時代へ

旧編集長 鎌田薫(写真右)と新編集長 小山佐知子(写真左)

編集部:まさに多様性ですよね。お二人の働き方も、従来の「型」にはめようとしてもはまらない気がします。従来のワーママは子どもを保育園に預けて働くイメージが一般的でしたが、鎌田さんは幼稚園ママですし。

 

鎌田:働く幼稚園ママは増えてきていますよ。時間の縛りはどうしてもあるので短時間集中の働き方にはなりますが。私は子どもが寝た後に作業をする日もあるとはいえ、日中の4時間がメインです。

 

小山:本当にすごいよね。私は保育園のお迎えまでプラス4時間あるもの。

 

鎌田:確かに実働時間だけで見ると多くはないから、そこだけ切り取ると 「セーブした働き方」 になるんだと思う。でも私個人としては仕事をセーブしている感覚が全くないという(笑)

 

編集部:すごい!

 

鎌田:でもそれは、私が超優秀な“スーパーママ”だからというわけじゃないんですよ。時短でも責任あるポジションを任せてくれる人の存在であったり、足りない部分やできないところはチームで補い合う環境があったおかげなんです。編集長業も、さちさんが副編集長としてサポートしてくれたからこそ全うできました。

 

小山:ありがとう。確かに、私たちは時間の部分含め、お互いの足りない部分をうまく補い合ってきたところがあるよね。スキル的にも、私が苦手な部分は薫さんがすごく得意な領域だったりして。まさに持ちつ持たれつだったね。チームとしてちゃんと機能していたと思う。

 

編集部:このお話を聞いていると、つくづく働くママにとっての働きやすさは福利厚生や勤務条件だけではないと感じます。

 

鎌田:もちろん、私のような事例はまだ多くはないかもしれませんが、とはいえ私の周りにはスキルを生かして第一線で活躍している幼稚園ママもいますし、時間的制約に関わらず、働きたい方が自分らしく生き生きと働ける社会になるといいですね。

 

編集部:小山さんも、最近、ご自身の働き方に変化があったとか?

 

小山:はい。LAXIC運営会社の株式会社ノヴィータに入社しました。「週3日勤務のフルリモート複業正社員」という雇用形態で。おもしろいですよね?復業なので、自分の事業には引き続きコミットします。どっちが「本業」でどっちが「副業」ということではなく、双方の仕事にシナジーを起こしていきたいなと思っています!

 

鎌田:さちさんがまさに体現しているように、今は一口に 「ワーママ」 といっても、本当にいろいろな働き方があるよね。コロナ禍で先が読めない不安は常にあるけど、キャリアの部分ではアクション次第ではより自分らしく働ける時代になりそうだよね。

 

編集部:お二人とも、ありがとうございます。次回、後編では、組織のあり方などもテーマに、引き続きお二人にお話を伺っていきたいとおもいます。小山さんが考えるこれからのLAXICについてのお話も楽しみにしています!

※LAXICではよりよいコンテンツをつくるために読者アンケートを実施しています! 働くママ当事者のみなさんはもちろん、プレママやパパ、学生や女性のキャリアに興味のある方々、企業のみなさまからのご意見もお待ちしています!

 

後編はコチラ

2020年8月で5周年を迎えるLAXIC。「働きたいママが働けないミスマッチの解消」を目指し、時代のニーズを先取りした発信ができるよう、柔軟に編集体制を変えながら運営してきました。この対談では、「ワーママ」という言葉の定義について歴史を含め改めて考えてみましたが、結果としてコロナ前とコロナ後の社会の変化を再確認する機会になりました。後編もぜひお楽しみに!

鎌田 薫さんプロフィール
大学卒業後、大手生命保険会社の総合職を経てリクルートに入社し、ホットペッパービューティーのweb事業拡大に貢献。マネジメント職昇進を辞退し、ハリウッドビューティサロンに入社。総支配人として、事業企画、経営企画に携わる。結婚出産を経て、夫の転勤とともにロンドンへ。ロンドン在住時に在英日本人向けコミュニティHimemama Londonを立ち上げ、コーチング資格取得後はMentor For公式キャリアメンターに。帰国後、2019年5月よりLAXIC編集長に就任。2020年4月より、LAXICで立ち上げた『駐妻キャリア支援プロジェクト』 を 『CAREER MARK(キャリアマーク)』として事業化し、(株)エフケイ・ジャパン新規事業開発室長という立場で、共同代表となる。二児の母。
HP:CAREER MARK
小山 佐知子さんプロフィール
大学卒業後、株式会社マイナビに入社し、自社メディアの広告営業と編集に従事。28歳で当時珍しかった女性管理職に抜擢されたが、30歳で“不妊治療と仕事の両立”という壁にぶつかり離職を経験。これをきっかけに女性が自分らしく働き続ける社会づくりに関心を持ち、リクルートメディアの営業職を経て2016年フリーランスで独立起業。ワーク・ライフバランスコンサルタントとして法人向けに女性活躍推進支援、各種研修等を行う傍ら、ソーシャルコミュニティ 「共働き未来大学」 を立ち上げた。2019年よりLAXIC編集部に業務委託で参画し、2020年6月に編集長に就任した。一児の母。
HP:

ワーママを、楽しく。LAXIC

文・インタビュー:あさのみ ゆき

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