キャリア×ライフイベントで、もう悩まない!
自分の成長スピードが加速する、社外メンターって?

ラシク・インタビューvol.147

株式会社MANABICIA 代表 池原真佐子(いけはら まさこ)さん

メンターと聞いて何を思い浮かべますか?
今の自分にメンターと呼べる人がいますか?

メンターとは、自分の少し先をゆく先輩・相談者・導き役、といった存在のこと。悩んでいるときに一歩先をゆくメンターが寄り添ってくれたらどうでしょう。キャリアだけでなく、ライフイベントや子どもが成長する上で立ちはだかるさまざまな壁を前に、立ち止まることなくスムーズに乗り越えていけるのではないでしょうか。

まさにその役割を担ってくれる “社外メンター” が、今、注目されています。女性が自分らしいキャリアを育むために、少し先をゆく先輩にメンタリング(面談)してもらうことで、キャリアもライフプランも一気に加速します。(ちなみにLAXICの編集長である鎌田薫も社外メンターとしても活躍中)。そこで社外メンターの生みの親でもある株式会社MANABICIA代表の池原真佐子さんに詳しくお話を伺いました。

より自分に近いロールモデルに、自分の課題解決を

編集部:社外メンターと言う言葉、とてもイメージしやすいですね。いつ頃から構想していましたか?

 

池原真佐子さん(以下、敬称略。池原):2014年にMANABICIAを起業した当初は、人材開発のコンサルティングやコーチングの仕事をしていました。自分が得意な領域ではあったのですが、私がやる意味に結びついておらず、ずっとモヤモヤしていて。その頃、起業家向けのアクセラレータープログラムに参加し、新しい事業プランを考えていたのですが、その時に女性向けのメンタリングサービスの雛形を作ったことを覚えています。『女性のキャリア経験者が誰かの成長に寄り添う、それをスキームにして組織を変えていく』。その後、自分の妊娠・出産があり…… 最初の構想から数年経過していると思います。

 

編集部:ご自身のライフイベントと重なったのですね。

 

池原:そうですね。産後、今のメンター事業のプロジェクトを一緒に行っている女性と出会って、仕事と育児の両立って大変なので、そこをサポートしたいということで意気投合し、彼女と一緒に女性向けのワークショップを始めました。最初はワーキングママ向けの学びの場とロールモデルとの出会いということを意識しており、そのプロジェクトを[育キャリカレッジ]と名付けました。そこから、ロールモデル的なメンターと出会えるマッチング事業に発展。ロールモデルは、ただそこに居るだけというイメージですが、メンターは、もっと双方向なやりとりができて、相談できる存在です。

更に、女性のキャリア形成に関わる人生のイベントって育児だけじゃない。子供の有無だけではなく、介護、配偶者の転勤や、独身という選択肢での生き方もある…… と考えた時に、今年の7月に、育児のイメージが強い[育キャリカレッジ]という事業名から、[Mentor For]に名前を変えました。今では、法人へのメンター派遣も注力しています。

 

編集部:ロールモデルをシェアするメディアはありますけど、メンターとなると、グッと近づきますね。

 

池原:そうなのです。ロールモデルがキラキラしすぎると「自分のちっぽけな悩みなんて相談できない!」って思いません? 読めば読むほど辛くなってきて、私の中でもその経験が大きかったと思います。より自分に近いロールモデル=メンターが相談に乗ってくれたらいいな、ということでこの形になりました。

 

編集部:ご自身にも社外メンターという存在はいましたか?

 

池原:もちろん、折に触れて社外メンターがいました。学生時代は国費留学で来ていたコロンビア人の女性で、日本人と全く違ったマインドセットでした。「女性も男性も、家族を大事にしながらキャリアも大事にしていい」、という考えに影響を受けました。他にも素敵な女性メンターがたくさんいました。自分のキャリアもありながら家族も大切にしていて、何も犠牲にしていない。子どもを産むか産まないかで苦しんでいた時に、多くのアドバイスをもらいました。

一律に強いソルジャーだけではなく、さまざまな人たちが“働きがい”を

編集部:プロの社外メンターを企業に派遣、というのも良いですね。

 

池原:企業の管理職と仕事をすることが多いのですが、ほぼ男性。女性がいたとしても、キャリアのこと以外でも悩んでいるし、女性が上に行けば行くほど、生き方、あるいはリーダーとしてのあり方についての悩みは深くなる。働く女性は増えているのに、ちっとも女性リーダーは増えないことを、なんとかしたいなと。

あとは、”働きがい”という心の支援も大事なのに、現段階では働きやすさ(制度など)の拡充がメインです。復帰している女性の数が多いことが女性活躍と捉えられていることも多いのですよね。ただ、大事なのは、女性の数が職場に多いことだけじゃなくて、前向きに長期的にキャリアを積み上げて行ける環境だなと。これらのギャップを埋めたいな、と思います。ですので、企業で働いている管理職や、管理職候補の女性たちへメンターをご紹介し、女性リーダーたちの心をサポートさせていただいています。

 

編集部:法人向けに提案に行った時の反応は?

 

池原:このようなサポートはとても必要だった、そして今まで無かった、という反応をいただきます。そして私たちは、女性社員に社外メンターをつけてサポートするだけではなく、その女性たちが次の「社内のメンター」になれるような仕組みづくりのお手伝いもさせていただいていますし、メンターとしてのスキルを社内に展開するということもしています。

女性リーダーを増やしたいという企業だけではなく、社内でメンター文化を広げたいという企業から反応がいいように思います。でも、まだまだ、このような最先端の意識を持ってくださる企業は多くないので、これからよりアプローチしていきたいです。

 

編集部:まさに過渡期ですからね。ちなみに、男性は女性が悩んでいることが理解できないのでしょうか。

 

池原:お互いに壁があるなという気はします。男性は「わからない」と困って居るし、女性も「何で困っているか」を伝えられていなかった。ただ、私たちは男女の分断をうみたいのではありません。経験者が次世代をサポートすることで、みんなが働きがいを持てるようにしたいのです。今は圧倒的に「女性」が、組織において解決すべき課題だと思うので、まずそこをなんとかしなければ。

メンタリングのねらいは、思いの裏にある課題を見出すこと

編集部:どんな規模の悩みや課題解決が多いのでしょう。

 

池原:企業で働く方は、リーダー職とライフイベントの両立や、自分らしいリーダー像、あるいは、今後のキャリア形成の話が多いです。でも、キャリアにおいて自分が困っていること、解決したいことであれば、悩みの規模はあまり関係ありません。具体的な悩みもなく「やる気が起きない」「悩みがない」だとしても、そう思ってしまう奥に課題の本質があるのです。

もう一つは、職場においてより自分の力を発揮できるようになるために、「自分と他人を知る」ことがすごく大事。そのような、自己理解・他者理解の場として、メンターを利用するのも効果的です。

 

編集部:なるほど! 自分を整理をしてく上で壁打ち的にメンターを使おう、ということですね?

 

池原:そうです。メンター育成の場では「メンターに全てを依存するような関係ではいけない」ということはしっかり伝えています。メンターはその人の代わりに答えを出すのではない。あくまでも考えを整理してアドバイスするだけ。最後の決断はその人でしかない。クライアントの期待が「自分の代わりに決めてほしい」「指示して欲しい」では占いや宗教。これはメンタリングではありません。

 

編集部:そう思っている人いませんか? 「悩みをクリアにしてくれるんじゃないの?」「道を示してくれるんじゃないの?」と。

 

池原:いるとは思います、とにかく日本人は正解が知りたい(苦笑) でも正解はないし、自分で決めないと正解にできない。納得するキャリアを作るには、正解がない中を突っ走らないといけない。失敗するかもしれないし、転ぶかもしれない。でもよりワクワクする方へ走るしかない。

ですので、メンターは、メンタリングを始める時に丁寧に説明します。「考えるのはあなたですよ」と。「何でも決めてほしい」という期待をクライアントが持っている場合は、メンタリングの意味を丁寧に伝えます。逆に、メンターが「私のいうこと聞きなさい」「私についてきなさい」というのはメンターとしてはダメですし、私たちがご紹介するメンターの中にはいません。そこが弊社の信頼の証でもあります。

実際に多い相談はキャリア×ライフイベントの両立とキャリア形成

編集部:法人向けと個人向けと、違いってありますか?

 

池原:個人の場合はその方との間で話が完結しますが、法人の場合、企業として「この人がどうなって欲しいか」に沿って、その方が組織の中で力を発揮できるようにお手伝いをします。また、メンターのマッチングはとても丁寧に行いますし、メンタリングを通じてその企業の課題を分析し、より良い女性活躍のレポーティング、提案をします。

 

編集部:実際どんな課題解決が多いのでしょう?

 

池原:個人の案件では、転職やまずは仕事とライフイベントの両立、これからのキャリア形成についての話が多いですね。法人の場合は、女性としてのリーダーシップのあり方やマネジメントについての話、中長期のキャリア形成の話題でしょうか。そのような話にたいして、メンターは、丁寧に話を引き出し、整理し、必要があれば経験からアドバイスをして、一緒に前に進んでいきます。

 

編集部:キャリアの悩みが多いのですね。

 

池原:今まで女性が「もっと仕事を頑張りたいんです、キャリアアップしたい」という時に、プロに相談できる場がなかった。企業でもメンタリングニーズが増えていきていて、社内メンターがいるのか、優秀な人をどう育てるかと言う意識になってきているのです。

プロフェッショナルなメンター育成のためにスクールを開設

編集部:社外メンターが仕事として成立しているのが、新しいですね。

 

池原:私が一番大事にしていることは、プロフェッショナリズムです。大学と大学院で成人教育について学び、人材育成の仕事をし、海外でも修士をとった経験を、このメンター育成に役立てたいと思っています。

メンタースキルを特に意識せず自分の経験をシェアすることもできますが、プロとしてのサービスをお届けするには、メンターも常に学び続ける必要があると感じます。

 

編集部:日本初の女性キャリア形成に特化したメンター育成スクールも運営されていますね。プログラムもご自身で作られているのですか?

 

池原:テキストは作りましたが、様々な分野のプロの方に監修していただきました。このスクールを卒業した方全員がMentor Forでプロの社外メンターになるわけではなく、企業の中外でこの知識を活かしたり、認定講師として3時間のメンター講座を全国で開催したりしています。それもすごく嬉しい。私の全魂を注いでいるので!

 

編集部:実際にどんなことを学ぶのでしょう?

 

池原:女性に特化したキャリア形成の知識を学ぶとともに、メンタリングスキルの要素となる「コーチング」「アドバイス(助言)」「フィードバック(改善点の指摘)」この3点を基礎から学びます。中でも、相手の話を聞いて奥にあるものを汲み取られるかどうかというコーチングスキル、すごく大事です。アドバイスは場面に応じて適切に助言が伝えられるか、フィードバックは褒めるだけではなく言いにくいことを伝えられるかどうか。

実際に個人でメンターをお願いするとなると…… どんな感じ?


編集部:メンターのマッチングもしてもらえるのですか?

 

池原:はい。どのメンターがいいかわからないという方には、相談に合わせたメンターをご提案します。

 

編集部:個人ではどういう契約に?

 

池原:基本は全てオンラインでメンタリングします。お試し1回を受けていただくこともできますし、それ以外では3回、5回からのプランがあります。人が変化するのは3ヶ月と言われているので、月1~2回、3ヶ月以上は受けて頂くことをお勧めしています。サービス開始当初からずっと長く続けている方々もいて「メンターのいない人生なんて考えられません!」と。こちらとしても感激で……

 

編集部:私も受けてみたい……! それにしても1回1時間の間に、課題解決の糸口って見えますか?

 

池原:最初に今日のゴールを明確にしておきます。やはり3ヶ月はメンタリングを受けて、気づきを得て、振り返って内省して、修正する。1回受けただけでは気づきだけで終わってしまう。それではもったいないな、と。

 

編集部:それにしてもすごいスピード感ですね。

 

池原:事業のことですか? そうですね(笑) でも、まだまだ思い描いていたものとはほど遠く…… 究極にいうと、女性が前にもっと出て行ける社会にしたい、インパクトを与えたい、というのはもちろんですが、自社の企業活動としてもサステナブルでないといけない。まだまだいろんな改善点はありますが、今、自分がドイツにいる距離的なもどかしさもあります。だからこそ、スピードは本当に大切です。人生100年時代に、誰もが働きがいの持てる社会を目指して頑張っていきます!

 

編集部:たしかに今はドイツと東京の二拠点ですものね! お忙しい中、ありがとうございました。

ご家族の関係で今はドイツで生活していらっしゃる池原さん。月1~2回のペースで日本に来ていて、3歳になるお子さんは現地の幼稚園に。海外駐在があっても自分のキャリアを中断しないで仕事を続けている池原さんご自身、貴重なメンターです。

自分のライフキャリアについて、漠然としたモヤモヤがある時、具体的に立ちはだかっている壁がある時、自分の中で明確な何かを見つけるために、社外メンターをお願いするのはとても有効な解決手段だと感じました。一方で、さまざまな経験やこれまでの成功も失敗も、ほかの誰かのためになる大切な素材。自分が社外メンターとなる、というのも、人生100年時代の新しい職業ではないでしょうか。社外メンター、これからますます注目していきたいと思います。

池原真佐子(いけはら まさこ)さんプロフィール
福岡県出身、早稲田大学・大学院で成人教育を専攻。PR会社、NPOを経てコンサル会社で勤務。在職中にINSEADのパートタイムのコーチングと組織開発の修士(Executive Master in Consulting and Coaching for Change : 現EMC)を取得。同時に、エグゼクティブコーチング等の人材育成を手がける(株)MANABICIAを創業。その後妊娠するも、臨月でパートナーが欧州に転勤、東京でワンオペ育児開始。産後1年半経ったころ、女性のキャリアに特化したメンターを養成するスクール運営、企業の働く女性へのメンターをマッチング事業を行う「育キャリカレッジ(現Mentor For)」を新規事業として立ち上げる。2年半のワンオペ育児を経て現在はドイツと二拠点生活。2017年に英ユニリーバDOVEでNourishing SecretのCMに日本を代表する新しい女性として出演。ワーママオブザイヤー2018受賞。「第5回女性起業チャレンジ制度」グランプリ(2019)。その他、日テレNews等のメディア出演も多数。著書『自信と望むキャリアを手に入れる 魅力の正体』(大和書房:日本と韓国で発売)
HP:Mentor For

ワーママを、楽しく。LAXIC

文・インタビュー:飯田りえ

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