「働きがいのある会社」ランキングに学ぶ、VUCA時代に「やりがい」を持ってイキイキと働き続けるためのヒント

新型コロナウイルス感染症の拡大からおよそ2年が経過し、私たちの生活スタイルは大きく変わり、働き方についても、テレワークや時差出勤が浸透してきました。企業も働く人も、当初に比べて新しい働き方に慣れてきたとはいえ、対面でのコミュニケーションが何かと制限される中、仕事のやりがいやモチベーションを維持するのはなかなか難しい…と感じることがあるのではないでしょうか。

 
働きがいのある日本企業について、調査やランキング発表をしているGreat Place to Work® Institute Japan(以下、GPTW)が、このたび2022年版日本における「働きがいのある会社」ランキング ベスト100、2022年版 日本における「働きがいのある会社」女性ランキングを発表しました。

 
SDGsの指標のひとつにも「働きがいも経済成長も(目標8)」が掲げられているように、働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)が近年とても重要になってきています。「働きやすさ」や「働きがい」に対する企業の取り組み事例も増えてきていますが、VUCA時代ともいわれるこれからの社会で、働きがいを生み出し、持続的に維持していくためにはどうしたらいいのでしょうか? 今回は2022年版日本における「働きがいのある会社」ランキング ベスト100を踏まえ、そのヒントをご紹介します。

※2021年に取材したGPTW荒川陽子さんの記事はこちら

「働きやすさ」は向上するも、「働きがい」の改善には至りきれず

ランキングの元となる「働きがいのある会社」調査では、働く人へのアンケートと、会社へのアンケートの2つを同時に実施し、働く人の声と会社の施策の両面を見て現状を把握しています。

引用元:GPTW 2022年版 「働きがいのある会社」ランキングベスト100 発表資料

 
GPTWの荒川陽子代表によると、直近3ヶ年のうち、2年連続でアンケートを実施した企業は、全体では全設問平均にはほぼ変化がなく、スコアが改善した会社と低下した会社が半々という結果になりました。一方、3年連続でアンケートを実施した企業では、全設問平均は3年前から3.6pt改善して、特に積極的なリモートワーク導入などによる働きやすさの評価が高まったそうです。ただし、総合的な働きがいは微増ということで、働きやすい環境が整えられている一方で、総合的な働きがい向上までには結びついていない実態が浮かび上がりました。

 
直近3か年のアンケート結果によると、スコアが改善した設問は以下の通り。

 
■働く環境の設備が整っている
■仕事に必要なものが与えられている
■労働環境が安全・衛生的である
■裏工作・誹謗中傷はない
■経営・管理者層が重要事項・変化を伝えている

 
コロナ禍で在宅勤務を中心とするリモートワークが進んだことや、引き続き社会の緊急事態において情報発信が積極的に行われていることが影響していると考えられそうです。

 
次に、改善幅の小さい(または低下している)設問は以下の通り。

 
■経営・管理者層は気軽に話せる
■休暇がとりやすい
■経営・管理者層は従業員を意思決定に参画させている
■楽しく働けると感じている
■私の仕事には特別な意味がある

 
全体的にマインド面に関する言葉が多く並んでいます。対面でのコミュニケーションが減少している中、会社や上司が社員にとって心理的に近い存在でいることの難しさが伺えます。このことからも「働き方」という外的環境は向上したけれど、「働きやすさ・働きがい」という内的環境についてはまだ課題がありそうです。

働きがいを向上させるためには「信頼関係」と「コミュニケーション」が重要

以下は、コロナ禍での働きがいが向上、または下降している企業の数を表した概念図です。

引用元:GPTW 2022年版 「働きがいのある会社」ランキングベスト100 発表資料

 
コロナ禍前から1年目にかけて総合的な働きがいが上昇した企業群のうち、コロナ禍2年目も働きがいが維持・上昇した企業と下降した企業はおよそ半々という結果に。働きがいの向上または維持し続けることの難しさが浮き彫りになりました。

 
それでは、コロナ禍でも継続的に「働きがい」を向上させていくためには、いったいどうしたらよいのでしょう?以下の図は、「働きがい維持・上昇群」と「働きがい下降群」の企業の違いを表したものです。

引用元:GPTW 2022年版 「働きがいのある会社」ランキングベスト100 発表資料

 
最も差があった設問は、「仕事に行くことが楽しみである」という回答でした。コロナ禍2年目に働きがいが下降した企業はこの回答が最も低下しているのです。テレワークなどで物理的な距離がある中でも、「仕事が楽しい」と感じられる環境づくりがポイントとなりそうです。さらに、働きがいが維持、上昇している企業は、「誰もが認められる機会がある」という点が改善しており、信頼や心理的安全性、コミュニケーションといった、企業と社員間の信用に関連する部分が重要視されていることがわかります。

 
では、企業と社員の間の信頼関係を構築するためにはどうしたらいいのでしょうか。

 
思いつくのは経営者層や上司から、部下への情報伝達やコミュニケーションを密にするということですが、テレワークや時差出勤で対面で会うことが制限されている環境では、それも難しいはず。実際に、「働く時間のズレが生まれて、部下とのコミュニケーションが薄くなった」、「カレンダーの予定が忙しそうだとつい遠慮してしまい、電話がしにくく、チャットやメールのコミュニケーションにとどまる」、「顔が見えないから、納得しているのか、そうでないのか、相手の温度感が分からなくて困る」「ちょっとわからないことがあっても、隣の席に座っていたときのように気軽に聞くことができなくて戸惑う…」といった声も周囲でよく聞きます。

 
荒川代表は、「リモートワークなど物理的な距離を置きながら働く環境下にあっても、上司・部下の信頼関係を維持・強化すること、さらに安心だと感じる環境づくりを積極的に行っていくことが重要」と話します。社員が自律的に働き、職場のメンバー同士がお互いを認め合いつながりを感じることが、働きがい向上に欠かせない要素だということですね。

「働きがい」が向上している企業から学ぶ「自律」と「相互尊重」

以下は、従業員が自律的に働くことについてのアンケート結果です。働きがいの高い企業ほど、社員の自律性が高いと認識している傾向にあります。働きがい認定企業では「従業員の自律の度合いがとても高い」が35.3%、不認定企業では9.2%となり、大きな差が見られます。

引用元:GPTW 2022年版 「働きがいのある会社」ランキングベスト100 発表資料

 
社員の自律性を高めるための施策として、働きがい認定企業が多く選択しているのが「会社のミッション・ビジョン・バリューの共有と浸透」という項目です。一方で、不認定企業が多く選択した項目が「経営・管理者層から個人に対する期待の伝達」でした。会社のビジョンや方向性を一方的に伝達するのではなく、経営者と社員で共有することで、相互コミュニケーションが活性化するのですね。さらに、そうした風土が社員の自律性をより高めてくれるのではないでしょうか。

 
働きがい認定企業では「トップダウンとボトムアップ双方向からのアプローチ」「この会社で自分らしくいられる連帯感」「会社の事業を誇りに思う」といった部分を意識した組織運営をしているそうで、会社への信頼・安心のほかに自律と相互尊重の醸成がされるような試みが鍵となりそうです。

 

『持続的な社会、企業、社員であるということは、目の前の出来事だけではなく、周りの人までを含めて幸せに過ごす、ということが求められてきています。』

この言葉は、認定企業にランクインした、株式会社バーテック代表取締役社長、末松氏によるものです。

これからの時代において企業に求められるのは、社員はもちろん、その家族、取引先や関係者など、会社に関わる多くの人にどれだけ良い影響をもたらせるかではないでしょうか。

また、私たち個人が長く健やかに、そして楽しく働くためにも少しずつできることがありそうです。かつて当たり前だったものがなくなった今だからこそ、信頼関係を築く努力を惜しまないということ。たとえば、会社のビジョンを知るためのミーティングの場を作ったり、1on1を導入したり、ランチの場を設けてみたり、オフサイトで対面する時間を意識的に取ってみたり…。会社と自分双方向のコミュニケーションを積極的に深めてみるところから始めてみませんか?

 

ライター 永見 薫
エネルギースタートアップで働きながら並行して取材・インタビューライターとしても活動中。4歳児男子の育児に奔走しながら「働く母を諦めない」を実践中。執筆ジャンルは地域や街のコミュニティ、サスティナブル、教育と働き方など、主に本業とリンクする分野を得意とする。

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