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2023.07.27 2024/02/15

湘南エンタメ総合メディア発起人の「思い」の軌跡
後悔と恩返し、そして未来

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湘南エンタメ総合メディア発起人の「思い」の軌跡 <br> 後悔と恩返し、そして未来

地域活性を目指す湘南の情報サイト『Locomo』の発起人である栗原恵介(くりはら・けいすけ)さん。

栗原さんは地元湘南に在住し、スポーツや音楽など多彩な趣味を持つ29歳の青年。フルリモートの会社員としてエンジニアを仕事にしながら、『Locomo』の運営をしています。

生まれも育ちも神奈川県藤沢市であり、学生時代はサッカーに打ち込んだという栗原さん。しかし、数年前までは地元のイベントに参加することも、地域のコミュニティに属することもありませんでした。

そんな栗原さんに、どのようなきっかけから地域活性への思いが生まれ、『Locomo』の立ち上げに至ったのか……。現在の活動内容や思いの源泉、大切にしている価値観、今後の目標について語っていただきました。

湘南の魅力をキャッチできなかった後悔から
「IT×地域活性」の実現へ

フレスコボールをプレー中の1枚

私は、生まれも育ちも神奈川県藤沢市であり、現在も藤沢市に在住しています。根っからの「湘南っ子」ですね。

学生時代は、高校3年生までサッカーに打ち込んでいました。サッカーでは、パスをつないでいくようなチームプレーより、個人の力で自由に攻撃的なプレーをする方が得意でした。当時のプレースタイルは、良い意味で今の考え方や生き方に表れているなと思っています(笑)

大学では、東京工業大学の生命理工学院で生物に関することを学びました。卒業後の進路を決めるにあたっての転機は、就活でしたね。就活を通じてさまざまな企業を訪問したり、ビジネスパーソンとお話をしたりする中で、ITの可能性に気づいたんです。それをきっかけに、エンジニアの道を目指しました。

大学卒業後、1社目はIT系のベンチャー企業に入り、エンジニアだけでなく、採用や広報など多岐にわたる業務に携わりました。現在は、別のIT企業にてソフトウェアエンジニアとして働いています。

会社員のかたわらで『Locomo』を立ち上げたきっかけは、コロナ禍でした。当時の私は、外出制限などにより精神状態が良好ではなく、日々モヤモヤが募っていました。ある日、海辺を散歩しているときにフレスコボールというビーチスポーツに出会いました。フレスコボールとは、ラケットを用いて味方同士でボールを落とさずにラリーを楽しむ、ブラジル発祥のスポーツです。このフレスコボールが本当に楽しくて……。「こんなにおもしろいスポーツが地元でできるのか!」と衝撃だったんです。

思い返すと、地元湘南には楽しそうなイベントが数多くあるものの、後で知るパターンが多くて。毎回、イベントが開催された後に「そんなのがあったんだ!」「もっと早く知っていたら……」と残念に思うことが多かったんですよね。

コロナ禍にフレスコボールと出会ったこと、地元をもっと楽しみたかった後悔から、「自分と同じように “地元のイベントや魅力をもっと知りたい” と思っている人がいるのではないか」という仮説が生まれました。さらに、「イベント提供側はもっと地元の人たちに知ってもらいたいのではないか」とも。

こうした考えと、本業のエンジニアとしてのスキルの掛け算によって『Locomo』を立ち上げました。

地域の方々の協力があってこそ広がったサービス「発信」の大切さに気づいた

『Locomo』を運営する仲間たちと

『Locomo』は、ユーザーが自由に発信し合うことのができる、相互コミュニケーション型のプラットフォーム。イベント主催者のみなさんが投稿し、それを地域の方々が見つけていくスタイルです。

このサービスが広がるには、とにかく『Locomo』を認知して使ってくれる人たちの存在が必要と考えました。そこで、立ち上げようと思った背景や原体験、このサービスをどうしていきたいかというビジョンを、とにかく地元の身近な方々に伝えて、発信をしていきました。

2022年8月の立ち上げ以来、今では想像以上に地域の方々がサービスへの思いに共感してくださり、ありがたいことに湘南地域でどんどん認知度が上がってきています。ここまで湘南の方々に使っていただけるようになった理由は、とにかく発信をし続けたからかなと考えています。

現在の『Locomo』は、私を含めた数名のメンバーで運営されています。イベント企画や広報を担当してくださるメンバーや、写真や映像を撮ってくださるメンバーなどが関わってくれています。

運営メンバーも含めて、湘南の皆さんが「地域を盛り上げたい」という思いに共感してくださっているからこそ運営できています。

もちろん、課題もたくさんあります。具体例として、サービスを使用するシニアの方々がインターネットを使った情報発信の操作に慣れていないことがありますね。そういうときは、足を運んで直接サポートするなど、今はパワープレーで乗り越えています。

これからも大好きな湘南を、地元の皆さんと一緒に活性化していけたらと思っています。

つねに自分を整え、周りの人を笑顔に
ゆくゆくは全国の地域活性へ貢献したい

地域の方たちに支えられていることを実感

私は、湘南で生まれて湘南で育ちました。この街に支えられ、皆さんの優しさや温かさがあるからこそ、今自分らしく幸せに生きることができています。

『Locomo』は湘南への恩返しともいえるかもしれません。地元の魅力を見落としてきてしまった後悔から『Locomo』が生まれ、皆さんにもっと地元の魅力に気づいてほしいという思いで運営しています。会社員として働くかたわら、運営を継続できている理由と源泉は、湘南への感謝の気持ちなんです。

私には、これまでの人生で大切にしてきた価値観があります。それは「自分の幸せに責任を持つ」ということ。

これは、根本に「自分の周りの人たちには笑顔でいてほしいし、幸せを届けていきたい」という思いがあることが関係しています。昔も今も、たくさんの人たちに支えられたからこそ今の自分があり、そんな人たちには笑顔で幸せでいてほしいなと。

周りに幸せを届けていくにあたって「自分自身が良い状態であること」がもっとも重要ではないかと、私は考えています。自分の状態は、言葉に出さなくても態度や表情などを通して周りの人に伝わってしまいます。私も実感がありますが、自分の状態が良くないときって、どうしても人に対して優しくなれないと思うんですよね……

だからこそ、つねに自分が心身ともに良い状態であるよう自分を整えることを大切にしています。私が幸せである選択をし続けることで、自然と周りの人たちに幸せを届けられる自分でいることができると思っています。

その意味でも、本業がフルリモートで働けることは大きいです。都内まで出社せずに湘南の自宅から仕事ができるため、『Locomo』にもいい力配分で携わることができています。働き方は自分の状態の良しあしに大きな影響をもたらすため、自分の周りの人たちの幸せのためにも働き方にはこだわり続けていきたいと考えています。

今後の目標としては、『Locomo』を大きくすることで、ゆくゆくは日本全国の地域活性につながるプラットフォームをつくっていくことを目指しています。湘南だけではなく、地元とのつながりに課題を抱えている地域の手助けとなるような、そんなサービスへと展開していきたいなと。そして将来的には、日本国内にとどまらず世界にとどろくようなサービスを立ち上げていくことを描いています。

 

ライター

ラシク 編集部


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