1. トップ
  2. 働き方・生き方
  3. 一般事務職から女性営業チームのリーダーへ。 長い仕事人生、新しいことにガンガン挑戦し続けたい!
2023.01.25 2023/02/15

一般事務職から女性営業チームのリーダーへ。
長い仕事人生、新しいことにガンガン挑戦し続けたい!

FacebookTwitter
一般事務職から女性営業チームのリーダーへ。 <br>長い仕事人生、新しいことにガンガン挑戦し続けたい!

ものづくりを支える工作機械・機械工具およびその周辺のシステム導入から、住設機器、建材、暮らしを豊かにする生活用品まで幅広く扱う商社、株式会社山善で、協働ロボットを販売する女性ばかりの営業チームリーダーを務める藤原誠子(ふじわら・せいこ)さん。一般職として入社し内勤業務を経験後、再就職の形で同社の海外現地法人へ。そこで得た刺激を糧に、帰国後は営業として活躍することになります。

「ガンガン行く!」をモットーとされている藤原さんが、キャリアチェンジをする中で見聞きしたもの、行き着いた思い、今後の目標などを語っていただきました。

迷いなく手を挙げたタイ行き。現地で働く人々にもらったもの

藤原誠子さん

山善へは新卒として2010年に入社しました。関西エリアだということと、営業職までの勇気はなかったけれど人と接する仕事がしたかったので、一般職でもその機会が多いだろうなという理由で決めました。仕事内容はおもに受発注や見積もり作成、問い合わせ対応でした。機工事業という、会社の売上ボリュームが一番大きい事業部だったのでとにかく忙しかったのですが、おもしろい上司など人に恵まれた環境でしたね。

粛々と業務をこなして商品知識も身についてきたタイミングで、部署の上司がタイ法人の社長を務めることになりました。その上司の着任と同時に現地顧客の新工場設立があり、何万というアイテムを取り扱う必要性が出てきたのです。そこで、商品知識があり日本語で受発注できる人材の公募がありました。公募といっても「誰か行かへんか〜」のようなカジュアルなものなんですが(笑) 迷わず「私、行きたい! 行きます!」と手を挙げました。

海外旅行は好きでしたが、留学経験もない中の海外生活ですから、さすがに両親には相談しましたが、「ええんちゃう」と(笑) でも、当時一般職の海外転勤は制度としてなかったので、いったん退職してから現地法人に採用されるという形になりました。事前にタイへ行って住居探しなどの算段を取っていたのが会社にも認めてもらえたのだと思います。

2014年にタイへ行ってからは、明るくイキイキと働く人々にとても刺激を受けました。売上は順調に上がっているけど、仕事よりもプライベートを重視し、飲みに行っても仕事の話は一切しないなどメリハリをつけて働いているんです。特に営業で活躍する女性の中には、育休復帰後フルタイムで働いている人も多く、見事に両立されていました。

ただ、営業として働く女性が魅力的に見えたものの、当時は日本人社員と現地社員の架け橋的な役割を担い、日本人社員が帰国した後も現地法人を守ってくれる現地社員を助けたい一心でサポートに徹していました。

サポートから営業へ。顧客の内側まで影響を与えられるおもしろさ

タイでの生活は刺激的だったのですが、年金などの諸問題から3年で帰国しようと思っていて、実際3年半ほどで帰国しました。でも、もとの部署に戻ったのではなく、タイの社長を務めていた人が帰国して責任者の任に就いた、新設部署への一般職としての復帰でした。新部署で新たなことをやってみたいという挑戦心があったので……

帰国後しばらくは営業を支える業務に就いていたのですが、タイで目の当たりにしていた女性たちの姿が浮かんで、自ら希望し営業へ異動しました。それからほどなくして、新たな視点やアイデアが必要ということで結成された、業界では珍しい女性営業だけのチームへ呼ばれる形で加わったのです。

現在は、深刻な人手不足に悩むお客様の現場の労働力として役立つ、台湾製の協働ロボットを代理店として販売しています。ロボットを使う過程で、お客様社内の人材育成にも効果をもたらしているとのお話をいただくこともあり、売って終わりの営業ではなく、その後のお客様へさまざまな影響を与えられることにやりがいを感じています。

また、代理店ではあるものの、顧客にとってそれは関係ないこと。私がその商品・会社の顔として、何かあったときに「分かりません」「できません」とは言えません。「藤原さんだから」と買っていただいていることにも責任を感じながら、日々お客様と向き合っています。

一般職の業務の時は、営業の指示で動くことが多かったですが、営業は完全に自分が主体で動く仕事なのが大きく違っているところですね。

ライフステージに則した働き方ができる環境づくりを

社内での勉強会の様子

現在、女性ばかりのチームリーダーとして人材育成にも当たっているのですが、メンバーのモチベーションを高く持たせ続けることの難しさはもとより、妊娠・出産・子育てといったライフステージの変化に伴い、思うように仕事を続けられないケースへの対応に課題を感じています。もともとこのチームに呼ばれたのも、先に2人いたメンバーのうち1人が妊娠でチームを離れてしまうことが分かっていたからでしたし。

性別に関係なく、ライフステージの変化はやってきますし、長期的な変化だけでなく、体調不良といったことで働き方を変えざるを得ないこともあるでしょう。幸い多少人が動いても補完できるだけの会社規模でもあるので、全社的にそれぞれのライフプランや生活の変化に則した働き方ができるよう、お互いに助け合い補っていける環境をつくっていきたいと思っています。

そして、それを率先していくのが女性であってもいいと思うので、今は管理職を目指しています。その背中をみて、後輩にも自分の望む働き方を実現していってもらいたいですね。そうした意味でも、社内に影響を与えられるインフルエンサーとして行動していきたいです。

「やらずに後悔はしたくない。なんとかなる!」の精神で

「ゼロからいろいろやるのは大変じゃないですか?」と言われることもありますが、未知の領域へ飛び込んで前例のないことに挑戦し続けているのは、つくられたものをやり続けることが苦手だからかもしれません。

人生100年時代、何十年と働く長い仕事人生を考えると、同じことをひたすら繰り返すのではなく、時代の変化とともに、新しいものをつくり上げては、また次をつくり上げてというようにしていきたい。やらずに後悔するのは嫌ですし、「失敗しても死ぬわけじゃなし、なんとかなる!」と思ってやっています。

会社のモットーも「挑戦と考動(何事にも主体性をもって考え、判断し、自ら進んで実践・行動すること)」なので、新しい=新しい環境(他社への転職)とは考えないですね。働くからには、その場でがむしゃらに頑張りたいので。

これまでさまざまな部署を盛り上げるべく、上司にはいろいろわがままも聞いてきてもらってきていますが、今になって強く思うのは、かつての上司は誰もが、話をまずよく聞いてくれたということです。聞いてくれたからこそ、私の言っていることが単なるわがままじゃないと分かってくれましたし(笑) そんな上司に倣って、私もきちんと若手の話を聞ける存在になっていきたいですね。

また、何も分からず行ったタイで現地の人の笑顔と優しさに助けられたことも忘れられないので、コミュニケーション自体の大切さはもとより、コミュニケーションの取り方にも気を配っていきたいです。背中を見せるだけでなく、きちんと話を聞くことで、周囲のメンタル的なフォローもできるようになるのではと。会社にとって何よりも大切な人財をライフステージの変化で手放すことのないよう、これからも「ガンガン」いきたいと思います。

ライター/大倉奈津子

ライター

大倉奈津子

ライター/プランナー/エディター

この記事をシェアする

FacebookTwitter