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2022.07.22 2023/02/15

「やってみないと始まらない」元女子サッカー選手が不動産情報サービス会社への道を選んだワケ

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「やってみないと始まらない」元女子サッカー選手が不動産情報サービス会社への道を選んだワケ

不動産情報サービスを提供する「アットホーム株式会社」に勤務している石原美聡(いしはら・みさと)さんは、小学5年生から大学4年生まで、サッカーひとすじ。大学時代に「なでしこリーグ」でもプレーしていた石原さんは、周囲がスポンサー企業への就職を選ぶ中、サッカーから離れ一般企業への就職を決断します。

日常の中心がサッカーだった彼女は、なぜ不動産情報サービス会社への道を選んだのか。現在は、会社員としてどのような日々を過ごしているのか。就職を選んだ背景や現在の仕事、これからのビジョンなどを語ってもらいました。

なでしこリーグでもプレー。学生時代はサッカーひとすじ

現役時代の石原さん(写真 左)

私がサッカーを始めたのは、小学5年生のとき。中学1年生からは「横須賀シーガルズ」、高校3年生からは「ニッパツ横浜FCシーガルズ※」に所属し、サッカーに打ち込みました。父と弟がサッカーをしていたことや、友だちに声をかけてもらったことから、「やってみたい」という一心で飛び込んだ世界。引退する大学4年生まで、生活の中心にいつもサッカーがありました。
※横須賀シーガルズは、ニッパツ横浜FCシーガルズに合併

 

サッカーを長年続けられた理由のひとつが、仲間に恵まれたことです。私たちの代は本当に仲が良くて、みんなが「全国大会」を目指して一丸となっていたんです。「このメンバーと一緒に目標を達成したい」という思いを胸に、大学生まで頑張りました。

 

うれしかったことも、悔しかったことも、たくさんの思い出があります。ひとつ挙げると、中学生時代。全国大会出場を目指していた私たちは、関東大会で浦和レッズの下部組織のチームに3年連続で負けてしまったんです。しかも、毎回接戦で。

 

ところが、大学生になってから、ニッパツ横浜FCシーガルズに所属しながら、横須賀シーガルズのオーバーエイジ枠として、高校生のカテゴリに出場する機会に恵まれて。宿命なのか、そこでまた同じチームとあたりました。その偶然手にしたラストチャンスで、ついに勝利を手にて、全国大会出場を決めたんですよ。中学生から一緒に頑張ってきた仲間と、最後の最後に目標を達成できた喜びは大きかったです。

 

大学生までは、サッカー漬けの毎日でした。学校外のチームに所属していたので、特に大学時代は学業との両立で精いっぱい。週に1日はオフがあったのですが、体調を整える日として過ごしていたので、常にサッカーのことを考えているような状況でしたね。

周囲がスポンサー企業でサッカーを続ける中、引退して一般企業へ

現在、アットホーム株式会社でIT営業として活躍中

大学生も後半になり、進路を決める時期になったとき、私の中で「サッカーをやめて就活する」という選択肢が出てきました。常にサッカーをしていたので、友人と遠くへ出かけることはできない。みんなのようにバイトをした経験もほとんどない。気が付いたら、「サッカーがない生活」をしてみたいと思うようになっていました。

 

親にサポートしてもらっていたおかげで不自由なくサッカーをできていたのですが、一方で「社会人になる節目で自立したい」という気持ちもありました。さらにいうと、目標が分からなくなってしまったことも大きいです。今は女子サッカーのプロリーグ(2021年9月開始)がありますが、私が大学4年生だった当時はなくて、「これから何を目指せばいいのか」と、燃え尽きた状態になっていたのでしょうね。

 

ただ、就活を始めること自体は、不安でいっぱいでした。私の周囲では、スポンサー企業で働きながらサッカーを続ける選択が当たり前で、一般企業への就職を選ぶ人がほとんどいなかったんです。「自分からサッカーを取ったら何も残らないのではないか」「自分に何ができるのか」と、当時はたくさん悩みました。

 

現在勤めているアットホーム株式会社を知ったきっかけは、大学の講義です。その後に参加した企業説明会で興味を持って、インターンシップにも行きました。就職先を決めるにあたって、興味がある業界はほかにもあったのですが、アットホームの人事担当者が本当に手厚くサポートしてくれて。たとえば、試合を見に来てくれたり、「監督変わったんだね」と声をかけてくれたり。サッカーの練習や試合が重なって面接の日程が合わず、別枠を設けて対応してくれたこともありましたね。

 

「こんなに温かい人がいる会社なら、自分も成長できるはずだ」。こう感じた私は、最終的にアットホームの「人」を理由に入社を決めました。

 

私は、今、不動産情報メディア・不動産情報サービスを提供するアットホーム株式会社で、お客様である不動産管理会社様が利用される賃貸管理システムの稼働支援や、契約を電子化するサービスなどを提案する「IT営業」を担当しています。自分の提案によりお客様の会社がより良い方向へ変わり、「ありがとう。おかげで良くなったよ」と言っていただける瞬間は、大きなやりがいを感じます。

 

入社からの約3年間は「アソシエイト」と呼ばれる仕事を担当していました。自分から積極的に提案していく今の仕事と比べて、アソシエイトは営業のサポートをする、いわば受け身の仕事。営業担当の指示を受けながら、不動産会社に商品の説明や利用促進をすることが業務内容です。今の部署に変わったときは、転職したような感覚でしたね。

選手時代に培った姿勢が、今の仕事でも生きている


「サッカーしかしてこなかった自分に何ができるのか」。入社当初はこのような不安を持っていましたが、選手時代の経験は今の仕事でも確実に役立っています。たとえば、業務の中では、自分よりはるかに年上の人や社長など、目上の方を前に提案することもあります。そういった方を前にしても、物おじしないでコミュニケーションを取れているのは、サッカーで培った姿勢なのかなと。

 

「切り替えの早さ」も、サッカー選手時代の経験が生きています。失敗しても落ち込むのではなく、同じことを繰り返さないように反省して次に生かす。これは、仕事でもサッカーの試合でも同じですから。もちろん落ち込むこともありますが、それ以上に強い気持ちを維持できていると思います。

 

一方で、少し苦労したこともあります。サッカーをしていたときは、お互いを深く理解しているからこそ、先輩にフランクな態度で接しても許されていました。私が「タメ語」でも優しく返してくれたり。でも、会社では初めて接する人ばかりで、そうはいきません。会社の人間関係には本当に恵まれているのですが、「すべての人に礼儀正しく」という点で、最初は苦労しました。ただそれ以上に、サッカー界にとどまっていた人間関係が大きく広がっていると、日々実感しています。

 

ちなみに、今も形を変えてサッカーをしているんですよ。引退したメンバーで去年新しいチームを作って(横須賀シーガルズに所属)、月2、3回は練習や試合に参加しています。所属リーグの3部から始まって、今年は2部に上がれたので、楽しみながら上のカテゴリを目指したいです。私とサッカーの間には、切っても切れない縁があるのでしょうね。

「人の心を動かせる自分」を目指して

石原美聡さん/オンラインで取材しました

私のこれからの目標は、「自分の言葉で人の心を動かすこと」です。これは、サッカーをやめて就職活動をしているときから、ずっと魅力を感じている分野なんですよ。

 

社内でも、ゆくゆくは発信活動に関わる業務を担当できたらと思っています。たとえば広告系の部署で、一般消費者の方々に対して「アットホームってこんな会社なんですよ!」と魅力を伝えたいですね。

 

「世の中」という大きな単位で影響を与えられなくてもいい。自分の経験や思いを伝えることで、周囲の人が少しでも明るい気持ちになればいいと思っています。「石原の言葉で楽しい気持ちになった」「石原の言葉を聞いて良かった」と、ささやかでも誰かの心を動かせる存在になれたら、うれしいです。

 

「サッカーをやめる」という決断は、これまでの人生において本当に大きな分岐点でした。当時は、見えない未来に対して不安でいっぱいで、毎日のように悩んでいたことを覚えています。

 

ただ、やってみないと何も始まらないんです。自分の決断が良かったのか、悪かったのかは、行動して初めて分かるもの。もし現状を変えようと迷っているのなら、前向きな気持ちを持って、まずは行動に移してみることが大切だと思います。

ライター/ 紺野天地

取材協力:アットホーム株式会社

ライター

紺野天地

ライター、文筆家

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