ママたちの育休が今とーっても熱かった! 育休中のワーママ体験。「ママボノ」報告会に潜入レポート
育休中、オムツ替え・授乳・寝かしつけをしているだけで、あっという間に一日が終わっているという日常を経験し、「職場復帰して、仕事と育児の両立ができる?」と悩む人も多いはず。ふと先輩ママを見てみると、メディアに出てくるのはみんなパワーママばかり。自分がどうしたら育児と仕事を両立できるのか、イメージができなくても当然。
そんな悩みを持ち始めたら、まずは育休中に少しだけ「仕事モード」を復活してみませんか?実は最近、育休インターンなど、育休中に子連れでボランティアをするという企業・団体が増えつつあります。
そう、今、ママたちの育休がとーっても熱いのです!
今回は、特定非営利活動法人サービスグラントがママ向けに行うプロボノ(プロボノとは職業上のスキルや専門的知識を社会的・公共的な目的のために生かしていくボランティア活動のこと)である「ママボノ」のプロジェクト報告会にお伺いし、プロジェクトの様子や得たこと、「働く」ことへの考え方の変化などを取材してきました。
おんぶしながら、寝ている間を見計らっての真剣勝負!
ママボノと聞いて、「ゆるーいボランティアでしょ」と思ったら大間違い!皆さんバリバリの仕事モードの真剣勝負でリサーチから調査・提案まで行います。ミーティングは子どもと一緒に、おんぶや時には授乳しながら行い、自宅でのやり取りはサイボウズライブやスカイプ・メーリングリストなどを駆使。子どもが起きる前・お昼寝の間・そして「おかあさんといっしょ」の時間(この辺り、すごーくリアル!)・そして子どもが寝てからと空いている時間を使って、リサーチややり取りを続けていたそう。効率的に仕事を進める必要があるママ同士だからこそ、コミュニケーションは省かないように気をつけていたそうです。
今回、集まった9名のママボノチームに課せられたテーマは、NPO法人NAGOMI VISITのサービスである「世界の旅人と食卓を囲むホームビジット」の顧客層を「お子さんがいる家庭」や「地方」にも広げるためにどうしたら良いかというマーケティング調査を行うこと。プロジェクトチームのリーダーとしてサブグループの進捗の把握やスケジュール管理などを行う“プロジェクト・マネージャー”を中心に、調査やヒヤリングを行う“マーケッター” がサブグループに分かれ、1人に負担がかかりすぎないよう役割を分担して行いました。綿密な潜在顧客への調査を経て、お子さんの年代別にキャッチフレーズを変えることやフェイスブックのコミュニティの活性化、チラシの設置場所の提案やNPO支援組織での広報活動など具体的な提案を行い、結果として、今まで声を届けられなかったエリアからのエントリーが増加しているとNPOの代表理事である楠めぐみさんからのお話がありました。
復職への不安はみんな同じ!
子どもの就寝後、スカイプ「なぜ働くのか」について熱い議論も
ママボノメンバーの皆さんは、職場復帰予定の0〜1才の子どもをもつ同じママたち。そして皆さん、復帰に向けては不安や、ネガティブな気持ち、なんらかの申し訳なさなどを持っていたそうです。その一方で、仕事をしてみたいという思いや、「ママだからこそ提供できる価値があるのでは?」という思いも。そんな同じ境遇や悩みを持ったメンバーたち、
業務以外ではママトークや、働くこと、保育園に関する話題でも盛り上がったそうです。そして、子どもが眠った後に「なぜ働くのか」についてスカイプミーティングで話し合いを行うことも!同じ境遇で、ここまで深く「働くこと」について話し合える同士は、こういう場でしか得られないかもしれません。参加者の皆さんそれぞれが、出会えたメンバーが財産で、他では得難いママ友&ママのロールモデルを得ることができたと語っています。
そういう意味では、ママボノや育休インターンは、同じ志を持つママ友と出会うきっかけにもなりそうですね。
ママボノに参加したから、ポジティブな職場復帰ができた
プロジェクト・マネージャーを務めた栗林真由美さんは、産休・育休に入る時に上司から「視野を広げてこい、育休の時にしかできないことをするといい」と言われ、このプロジェクトに参加したそう。「復帰へのウォーミングアップどころか、スキルアップになっていて、ママボノに参加していなかったらネガティブな復職になっていたかも」「ママだからこそ提供できる価値があると思っていたけど、漠然としていたものが明確になり、制約のあることはやり方を変えれば仕事を楽しめるということを復帰前に実感できた」との力強い言葉は同じ不安を抱える人たちに勇気を与えてくれそうです。
最後に全員への「あなたにとってママボノとは?」という質問には、「子育てしながらどのようにキャリア形成をしていくかを見つめ直すことができる場所」「ママでも仕事を楽しめることが確信に変わった」「自信を持って会社復帰できた」「育休期間をより充実したものにしてくれたもの」というポジティブな意見が続々と出てきます。参加者にとって育休中の3ヶ月間のママボノは、「仕事と子育て」について深く見つめ直すきっかけや自信に繋がるだけでなく、ママ友であり同士というかけがえのない友人を得るお金では買えない貴重な経験となったようです。
サービスグラントでは2015年も秋ごろ から「ママボノ」プロジェクトをスタートする予定だそうです。また、「ママボノ」以外のプロボノでもワーキングマザーが参加しているケースも。気になる方は、こちらをチェックしてみて下さいね。
サービスグラント – スキルを生かしたボランティア「プロボノ」を始めよう
また最近は企業でも育休インターンを受けいれているところがありますので、この機会に別の企業や世界を見てみることも貴重な経験に繋がるかもしれません。
ライター