自立した人材を育むデジタルホールディングスグループ
多様な働き方・キャリア形成を実現するプロジェクト「働き方のタネ」とは

ラシク・インタビューvol.224

株式会社デジタルホールディングス 人事総務部 部長 平田陽介さん

株式会社RePharmacy プロダクト開発部 プロダクトマネージャー 虎谷謙太さん

働き方の多様化に伴い、働きやすさを整備するためのさまざまな取り組みが、企業ごとに進められています。自社での制度化にあたっては、ありたい姿の探求や現状の課題整理などから始まり、実際に運用して定着させるまで、多くの困難があります。これらを乗り越えるためには、経営層や人事部の視点からだけではなく、現場の声を踏まえた調整も不可欠です。
 
多様な働き方・キャリア形成に向けたプロジェクト「働き方のタネ」を、今年の4月から推進しているのが、株式会社デジタルホールディングスとそのグループ各社です。「自立した人材」の育成を目指し、新たに開始した5つの施策をはじめ、デジタル時代に合った取り組みを進めています。
 
今回は、同プロジェクトの発起人でもある株式会社デジタルホールディングス 人事総務部 部長 平田陽介(ひらた・ようすけ)さんと、実際に施策を活用したグループ会社・株式会社RePharmacy プロダクト開発部 プロダクトマネージャー 虎谷謙太(とらたに・けんた)さんに、同プロジェクトを開始した過程や取り組みの現状についてお話をうかがいました。

「働き方のタネ」とは?
自立した人材を育むために誕生

平田陽介さん

編集部:デジタルホールディングスさんの事業概要について教えてください。
 
平田陽介さん(以下、敬称略。平田):当グループでは、デジタルシフト事業・広告事業・金融投資事業を展開しています。元々は「オプトホールディング」という社名だったのですが、2020年に現在の「デジタルホールディングス」に社名を変更しました。同時期から事業の中心を広告事業からデジタルシフト事業へと移しており、現在、その変革の最中です。
 
編集部:虎谷さんがお勤めになっているRePharmacyさんは、グループ会社のひとつなのですよね?
 
虎谷謙太さん(以下、敬称略。虎谷):そうです。当社は「薬剤師の価値を再定義する」をミッションに、薬局と患者の新たなコミュニケーションをサポートし、かかりつけ薬局化の支援を行うLINE公式アカウント『つながる薬局』の提供をはじめ、調剤薬局向けのサービスを展開しています。
 
編集部:おふたりとも、ありがとうございます。今回推進されている「働き方のタネ」は、どのようなプロジェクトなのでしょうか?
 
平田:「働き方のタネ」は、社員一人ひとりが「自立した人材」として成長することを目的にした、デジタル時代に合ったキャリア形成を実現させる取り組みの総称です。デジタルホールディングスグループがこれまで行ってきた人事施策をもとに、プロジェクトの開始に合わせて新たに5つの施策を開始しました。
 
1つめは、日本国内であれば場所を選ばずに就業できる「どこでもワーク」、2つめが、能力開発に寄与する実践・学習機会を求めるために法定外の有給休暇を付与する「チャレンジ休暇」です。3つめと4つめは、サードプレイスをつくることを目的にした「シェアオフィス」と、コアタイムを設けないフレックス制度の「フルフレックス」。そして5つめが、配偶者の出産前6週から出産後8週までの期間に有給休暇の取得を開始し、最短10日から最長20日の特別有給休暇を取得できる「チャイルドケア休暇」です。こちらの休暇中は、会社から給与の全額が支給されます。

「働き方のタネ」から生まれる社員・チーム・会社の成長

編集部:このプロジェクトは、どのような背景から生まれたのですか?
 
平田:きっかけは、2020年からスタートした事業変革の中でデジタルシフト事業に注力するにあたって、まずは社員一人ひとりが、これまでの働き方を変えていく必要があると考えたことです。
 
当社では、バリュー(価値観や行動基準。同グループでは5BEATSと呼称)のひとつに「一人一人が社長(社員の幸せ=自立)」を掲げています。職業的・経済的・精神的の3つの自立をもって真の自立人材と考えており、その人材の集合体が強い組織になるという考え方です。変化が激しいいまの時代に、バリューのとおり、一人ひとりが自らに合ったキャリアを切り開けるよう、当プロジェクトを開始しました。
 
編集部:キャリアが多様化すると、社員が自社を離れてしまう。プロジェクトにあたって、そのような不安はありませんでしたか?
 
平田:実は、プロジェクトに先行して2020年11月に副業を全面解禁し、本人と会社へのメリット・デメリットをそれぞれ検証したんです。その結果、当社の場合は、副業解禁を背景とした退職がほとんどなく、むしろ本人と自社の成長につながるメリットのほうが大きかったので、不安はありませんでした。

チャイルドケア休暇を取得して
「親になる期間」に全力で向き合えた

虎谷謙太さん

編集部:続いて虎谷さんに、施策を活用した感想をうかがいます。今回はどの施策を利用したのでしょうか?
 
虎谷:「どこでもワーク」と「チャイルドケア休暇」です。現在は、福岡県に拠点を置いてリモートで仕事をしています。今年の3月末に第一子が生まれて、同時に約3週間の休暇を取得しました。正直「チャイルドケア休暇」がなかったら、子育ては夫婦にとって大変なものになっていたと思います。
 
編集部:「大変なものになっていたと思う」というのは、どのような面でそう思いますか?
 
虎谷:妻は産後5日で退院したのですが、出産によるからだへの負担が僕の想像していた以上に大きくて……。そんな産後間もない妻がひとりで子育てに向き合うのは、本当に困難だと思います。妻からも「サポートしてくれてありがとう」と感謝されました。
 
編集部:「チャイルドケア休暇」は、元々取得される予定だったのですか?
 
虎谷:はい。同僚の奥さんや僕の妹が最近子どもを出産していて、「出産直後は夫のサポートが大切」という話を聞いていたんです。インターネットの情報だけでなく、実体験に基づいた話を聞けたのは、出産直後が大変であることを認識する大きなきっかけになりました。だからこそ、「チャイルドケア休暇」を取得しようと思ったんです。

子どもと散歩している様子

編集部:「どこでもワーク」と「チャイルドケア休暇」を利用した感想や発見を教えてください。
 
虎谷:「どこでもワーク」を活用することで、出勤・退勤で消費していた時間で副業をしたり、子どもと向き合う時間にしたり、本来大切にすべき時間に充てられるので、生活の充実度が高まりました。
 
また、「チャイルドケア休暇」を活用することで、育児に対して100%の力で向き合える期間になりました。沐浴をしたり、ミルクをあげたり、オムツを替えたり。それらをひたすら繰り返す毎日が、いうなれば、ひとりの「親」になるための期間だった。その期間に集中して子育てができたからこそ、仕事に復帰してからも、育児との両立ができているのだと思います。

プロジェクト推進にあたっては困難も
疑問や不満を解消するための取り組みは?

「働き方のタネ」プロジェクトメンバーによるオンラインミーティングの様子

編集部:「働き方のタネ」の開始後、社内ではどういったポジティブな声が上がっていますか?
 
平田:「仕事との向き合い方も変わり、より良い仕事を創造したくなった」「生活の質が高まったことで、仕事のモチベーションがより高まった」「働き方やワークライフバランスに関する意見を言いやすくなった」「ライフスタイルに合わせた選択肢が増えている」などの意見が上がっています。「採用活動において自社の強みになっている」という声もありました。
 
編集部:プロジェクトの考案や社内への浸透にあたって、さまざまな困難もおありだったかと思います。課題にぶつかった事例やエピソードがあれば、教えていただけますか?
 
平田:プロジェクトの開始前に課題となったのは、「人への投資が、自社のパーパス実現にどれだけつながるか明確にすること」です。むしろ、この問題に対して「これだ」という解を持っている企業はないかもしれませんね。社員の働き方をいまより柔軟にしたいけれど、本当に企業成長につながるのか。その議論を続け、やはり「人」を起点に変化を起こす必要があると、最終的にプロジェクトを始めました。
 
編集部:プロジェクト開始後には、どのような課題があったのでしょうか?
 
平田:働き方の多様化に対して、必ずしもポジティブな反応だけではなかったことですね。ある程度は予想していたのですが、実際にそのような声をいただくと、「本当にこのまま進めてよいのだろうか」と少なからず不安にはなりました。
 
編集部:「ポジティブではない声」というのは、たとえばどのような内容ですか?
 
平田:分かりやすい例を挙げると、「制度を盾にされると、上司が部下の勤務状況を把握することが難しくなり、成果をコミットできなくなるのではないか」といった意見です。「判断が個人に委ねられているので、もう少し明確なルールを敷いてほしい」などの声もあり、現在、課題を解決するためのアプローチを模索しています。
 
編集部:そのような声も上がる中でプロジェクトを推進するために、納得感を深める取り組みを何か実施されているのでしょうか?
 
平田:各社を回りながら、部長やマネージャーの方々との対話会を順次開催しています。当社はホールディングスを含めて全11社のグループなので、人事からの一方的な発信だと、プロジェクトの背景や想いが行き届かないと思うんです。1社1社個別に機会を設け、プロジェクトを経て何が実現できるのかを伝えながら、生じている悩みや疑問をうかがっています。
 
あと、オフィスでの勤務が減っている分、日々の何気ない会話や偶然の中で生まれる有効な情報が少なくなっているので、施策の利用状況やロールモデルを定期的に社内へ共有しています。
 
編集部:ほかにも「働き方のタネ」を通して得た気付きがあれば、教えていただけますか?
 
平田:「理想」と「現実」のどこを中間地点として取り組みを進めれば、組織全体の変化につながるのか。その解像度が、現場のさまざまな声を聞く中で高まったように感じます。経営層と現場の声がそれぞれ可視化されましたし、社員個人にどこまで選択肢を持ってもらい、責任をどこまで委ねるべきなのかを、組織として考えるきっかけになりました。

「会社」という枠組みにとらわれずに
社会全体に向けた取り組みを進めたい

デジタルホールディングスグループの社内の様子

編集部:人事部として、今後力を入れたいことを教えてください。
 
平田:キーワードとして、「働きやすさよりも働きがい」を掲げています。働きやすさを実現した上で、より一層働きがいにつなげていくために改善できることはあると感じています。個々の挑戦や声をグループ内で共有するなど、働きがいを追求するには何が必要かを考えていきます。
 
「働き方のタネ」がうまく進めば、最終的には、出社とリモートワークが掛け合わされた「ハイブリッドワーク」のような働き方がスタンダードになっていくかもしれません。ハイブリッドワークの良さについて、明確な答えを持っている企業はまだないと思います。ハイブリッドワークが「人」と「組織」の価値をどれだけ高められるのか、データから証明できるようにしていきたいです。
 
編集部:たしかに「出社の良さ」「リモートワークの良さ」って、それぞれ整理されてはいても、ハイブリッドワークとして同時に語られることって少ないですね。
 
平田:そうなんです。「働き方」という大きなテーマは、社会全体に共通するものですよね。昨今は、自己実現や自己表現できる機会・場所が増えていて、「会社」という枠組みがなくなってきています。
 
私たちも、自社だけでなく、その外側にも広く目を向ける。そうやって取り組みを続けられれば、企業として社会全体へ価値を提供できるようになると思うんです。「働き方のタネ」に限らず、今後も多様な施策を作り、実行していきます。

「どこでもワーク」を活用し、北は北海道、南は沖縄で仕事をする社員もいるそうです。「働き方のタネ」は、取材中にお聞きした事例だけでも胸が躍るような、多様な取り組みでした。一方で、先進的な取り組みを進めながらも、すでにその先にも目を向けているデジタルホールディングスさん。これから、どのようなプロジェクトが生まれるのでしょうか。楽しみにしていたいと思います。

平田陽介さんプロフィール
株式会社デジタルホールディングス 人事総務部 部長
2018年、株式会社オプトホールディング(現、デジタルホールディングス)に人事担当として入社。人事領域全般(人事企画、人材/組織開発、労務、採用、HRBP)を務め、2022年から人事総務領域全体を部長として管掌。現在は、「働き方のタネ」のプロジェクトリーダーとして、働き方改革をはじめ、グループ経営/事業戦略と連動した人事企画設計及び実行を遂行中。
HP:株式会社デジタルホールディングス
虎谷謙太さんプロフィール
株式会社RePharmacy プロダクト開発部 プロダクトマネージャー
2014年に株式会社オプト(現、デジタルホールディングス)に新卒入社。入社以来、広告事業領域でデジタル広告に関する内製プロダクトの導入コンサル・セールス・PdMを担当。2019年より、大手損害保険企業様向けの新規事業開発のプロジェクトマネージャーを歴任。2021年にグループ会社の株式会社RePharmacyに出向。同年3月より、調剤薬局業界にて、かかりつけ薬局化支援を行うLINE公式アカウント『つながる薬局』のプロダクトマネージャーを担当(現職)。
HP:株式会社リテイギ(※株式会社RePharmacyは株式会社リテイギ発の事業会社です )

ワーママを、楽しく。LAXIC

文・インタビュー:紺野天地

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