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2019.08.16 2023/05/31

キャリアへの挑戦を諦めない二児のワーママが
育児と仕事の両立にモヤモヤしない理由

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キャリアへの挑戦を諦めない二児のワーママが<br>育児と仕事の両立にモヤモヤしない理由

限られた時間と労力のなかでいくら自分なりの努力を重ねても、子育てと仕事の両立が思い通りに進まずもがき苦しむワーママは多いのでは。しかし一方で、出産後も仕事で成果を上げ続け、子育てと仕事の両立を華麗に成し遂げる女性たちも存在します。

プルデンシャル生命で現在営業所長をつとめる重松和佳子さんも、そんな“スーパーウーマン”の一人。育休復帰後の限られた時間での勤務のなかでも高い業績を達成し、さらにこの4月には営業所長に就任しました。「彼女だからできること」「私には無理」そんな声が聞こえてきそうな中で、今回、LAXICがあえて彼女にインタビューを行なったのは、その並々ならぬ努力の裏に隠された彼女なりの葛藤やそれらを乗り越えるための考え方を探りたかったからです。責任ある仕事と現在3歳と0歳の子育てを両立する彼女の舞台裏とは一体どのようなものなのか?

重松さんの、“こうあるべき”にとらわれない育児マインドや心構え、両立の裏側が、読者のみなさんのヒントになれば幸いです!

時間に縛られない働き方を叶えるために
将来の出産を見据えて転職

編集部:重松さんはプルデンシャル生命に入社した1年目から成績優秀者表彰に入賞され、さらに2年目には全女性営業職の中でナンバーワンの成績を収められたとのことですが、着実に仕事で成果を残していくなかでお子さんを持つことへの不安はなかったのですか?

 

重松和佳子さん(以下、敬称略。重松):不安はもちろんありましたよ。日本の女性は「まだ生まれてきてもいない“幻の赤ちゃん” を抱いて就職活動している」と言われていますが、私もまさしくそんな風に幻の赤ちゃんを抱いて「子どもが生まれても働けますか?」と聞くような学生でした。実際に働き始めてからも不安はありましたから、子どもを産むことを遅らせたのにはそれも影響しているかもしれません。

もともと子どもは欲しかったのですが、子どもを持つことでこれまでの自分自身のイメージが変わってしまうのではないかという思いもあり、子どもを持つことに関しては5年ほど思い悩みました。

 

編集部:その後、無事妊娠・出産を経て、仕事に復帰されるわけですが、今度は仕事と子育ての両立への不安は感じられていましたか?

 

重松:正直、不安はあまりありませんでした。出産前の段階で、ワーママになった後を見据えてそれなりに準備をしてきたつもりでしたから。

あと、これは私の考えなのですが、自分がママであることと仕事をすることは、一切関係ないと思っています。お客様自身は「この人は子どものことをわかってくれるな」というのはもちろんあると思いますが、働く個人として私自身がママか否かは本当に関係ないと思っています。

 

編集部:「仕事をすること」と「ママであること」をまず切り離して考えるということですね。そのような重松さんの仕事に対する考えを大切にするためにも、出産前の段階でどのような準備をされていたのですか?

 

重松:当社に転職したことですね。ママになっても働き続けることを前提として仕事と育児の両立を考えたとき、「時間に縛られず自分の裁量で働ける」というのはとても重要だと思いました。

前職の外資系消費財メーカーは転勤もあり、それが叶わないことはわかっていました。でも新婚だったこともあり、「いつか子どもが欲しいから、キャリアはそこそこでいいや」と思っていたんです。ところが、そんなとき、プルデンシャルのお話を聞く機会があり、「ここなら両方叶う気がする」と直感したんです! そして前職を辞め、プルデンシャル生命に転職したんです。

ここではフルコミッション(完全歩合制)で働くことになるので、時間に縛られることがほとんどありません。基本的に私たちの仕事は、お客様が喜んでくださることを第一優先としているので、会社とか上司のことよりもとにかく目の前のお客様を第一に考えればいいのです。そういう意味では一般の会社員よりも柔軟に働けるという魅力があります。

仕事を楽しみ、チャレンジし続けることが育児の原動力になる

編集部:育休復帰後も高い業績を達成されたということですが、お子さんが生まれて間もないなか、どのような努力で成果を残されたのでしょうか?

 

重松:実は、単純にこれまで仕事の努力を続けてきたから、たまたまそこで大きな成果を残せたっていうだけなんです。ただ、子どもが生まれてからは、仕事への熱意は一層上がったとは思います。

 

編集部:子育て中は仕事のペースを落としたいという女性もいるなか、逆に熱意があがったのはどのような理由があったのですか?

 

重松:子どもに不自由をさせたくないというのはもちろんありますが、可愛い我が子を預けてまで仕事に出るからこそ、自分にとってつまらないと感じる仕事に時間を使うのはもったいないと思ったからです。少しでも自分がおもしろいと思える仕事をしたり、新しいことにチャレンジできたり、ベストを尽くせる仕事をしたいなと。

 

編集部:ママが辛い顔をして仕事をしているよりも、イキイキと楽しそうにしている方が、子どもたちも明るい気持ちになれますしね!

 

重松:そうなんです。お母さんがいつも楽しそうに仕事をしていたら、「仕事って楽しそうだな」って子どもたちも働くことに対してポジティブなイメージが持てますよね。私は、世界中の子が大人になったとき「仕事って人に喜ばれるものなんだな」とか、「自分も得意なことを見つけて自分が楽しく生きられることの一つに仕事があるんだな」って考えられる世の中になればいいと思っています。

そしたら、みんなが楽しくワクワク生きられて、争いもなくなって、世界も平和になるんじゃないかって信じてますから(笑)

 

編集部:さらに2人目をご出産された後には、マネジメントの方にキャリアチェンジされていますが、なぜこのタイミングで新しいことに挑戦しようと考えられたのですか?

 

重松:理由は2つあるのですが、1つ目は、「あえてマネジメントに挑戦してみよう」と思ったことです。私はもともと営業という道で活躍しつづけたいと思っていましたからマネジメント職には興味がなかったのですが、当時はまだ少なかった「ママのマネジメント職」にチャレンジしてみることにしました。

そして2つ目は、どこかで仕事をやりきった感を感じてしまった瞬間があって、そのときふと「今の私はちょっと楽をしてるんじゃないかな」ってことに気付いたんですよね。「私は今、大したチャレンジをしていないのではないか」、「子どもを預けて仕事するんだったら、あえて新しいことにチャレンジしてみよう!」って…… それでキャリアチェンジに挑戦してみることにしたんです。

子どもにとっていい環境とは「ママがご機嫌でいること」に尽きる

編集部:仕事と子育ての両立は決して容易なことではないかと思いますが、両立をするにあたり、重松さんが大切にしている考え方などがあれば教えていただけますか?

 

重松:そもそも、子どもの人生と私の人生は別、という考えがあります。基本的に「私の人生、楽しいのが一番!」と思っており、私自身がご機嫌でいることがすべての判断軸なんです。子どもにとっての「良い環境」は、私があぁだろうこうだろうって考えるより、私がご機嫌でいることだと考えています。

ママが自分の人生や置かれた環境に対して、不満を抱えてイライラしているよりも、ほんの少しでもいいから希望を持ってやりたいことを実現したり、好きなことを楽しんだりすることで、ママ自身も満たされて、仕事や子育てに対しても前向きな気持ちで取り組めると思います。

そうすることで親子のコミュニケーションやスキンシップが自然と増え、子どもたちが安心して過ごせるような、よりよい環境を作れるのではと考えています。

 

編集部:なるほど! ママ自身が好きなことをして、人生を楽しむことが結果的に、子どもたちにも好影響を与えることができるということですね。

ただママのなかには母親として“こうあるべき”に縛られて、なかなか自分のご機嫌をとること自体が難しい側面もあると思うのですが、何かアドバイスはありますか?

 

重松:確かに難しいことだと思います。ただ先日私自身の体験として、子育てと仕事について考えさせられたエピソードがありました。きっかけは、4月から始めた新しい仕事が全くうまくいかなかったことでした。こんなにやってもやっても成果が出ないのは生まれて初めてなんじゃないってくらい努力しても成果が出なかったんです。

そのタイミングでたまたま合宿があって、土日に家を空けることになってしまいました。月曜から金曜までもみっちり働いていたのに、さらに週末の土日もいなかったんです。それで日曜の夜に帰ってきたら家族に「(上の子が)不安定だから抱っこしてあげたら」って言われたんです。

別に普通のひと言なんですよね。なのにその時の私は、「この子が不安定なのは、私が働き過ぎって言いたいわけ?」って、思わずカチンときてしまった…… 要は、ご機嫌でいられなかったわけです。その日はベッドで一人で泣きました。「こんなに努力しても結果が出ない仕事なら私には向いていないんだ、その上、子どもの精神状態が悪くなるなんて、私は何のために仕事しているんだろう」と、すべて悪い方へ悪い方へ考えてしまったのです。

 

そのことを踏まえて考えたのが、私はもともと、“家庭がうまくいっているから仕事がうまくいく”と思っていたけれど、もしかしたらこれは反対なのかもって…… “仕事がうまくいっているからこそ、家庭がうまくいくのかも”って考えた時、やっぱり人は自分が向いている仕事を選んだり、自分が好きな環境に身を置いたり、自分が欲しい労働環境を手に入れることが先なのかなって思ったんです。

やりがいのある仕事があるのは、人生において重要なファクターですよね。だからやりがいがあったり使命感を感じられる仕事に出会っていたり、仕事で結果が出ているというのが、家庭円満の秘訣なのかも…… って思いました。

もちろん頑張ったから結果が出るわけじゃないですけど、そのための努力をすることが大切なのかもしれませんよね。

子育て、仕事、生き方…… 「誰かと比べない人生」を歩むには
まず目の前のことを最大限にやってみる

編集部:重松さんはご自身の信念を強く持っていらっしゃるように感じますが、他人と比較しないで自分らしい人生を歩むためには、何が大切だとお考えですか?

 

重松:他人と比較しない、という自分になれるまで、私自身もすごく時間がかかったし、ずっと自信なく生きてきたので、その辛さもすごく理解できます。ただ、比較しない人生って、めちゃくちゃ楽しいですよね。私は弓道を長くやっていたこともあり、武道の世界でいう「守破離(しゅはり)」という言葉で生きてきました。型を守る努力をし続けたから、型を破れるし、離れられるよねっていう話で、いかに模倣するか、同じ努力をし続けるかの上に自分らしさがあると思っています。

そのために自分がまずこれだというものを見つけることだと思うんですけど、そんなすぐには見つからないですよね。だから今、目の前にあることをただ単純にベストを尽くして、最大限にやる。それが守の部分で模倣から始まると思うんです。やり続けることで絶対自分らしさが見えてくるし、自分らしさって他人との比較でしか見えないんです。

そういう意味では比較って大事だし、誰とも会わず、関わらずにいたら自分らしさって多分見えない気がしていて、誰かと接触しない限り見えないんですよね。

 

編集部:確かに人と関わって、違いを感じないと自分らしさって見えないですよね。

 

重松:そうなんです。ただ人は比較によってつい自分の悪いところを認めてしまうけど、そうじゃなくて資質を強みにするのか、弱みにするかっていうのは、努力次第って話なんです。

やっぱり同じ資質があっても捉え方によって良い方にでる時と、悪い方にでる時ってありますよね。長所と短所は表裏一体っていう話なんですけど、人と比較して短所を見つけるんじゃなくて、長所を見つけようっていうことが根本的にとても大切なんじゃないかと思っています。

 

編集部:なるほど。冷静に自分と向き合って長所を俯瞰するのはキャリアの面はもちろん育児にも大切な要素な気がします。重松さん、今日は貴重なお話ありがとうございました!

現在営業所長として営業所の立ち上げから携わりながら、採用担当としても日々奮闘する重松さん。率直で決して飾らない彼女の言葉から伝わってくるのは、どんなに悩んだとしても決して立ち止まることなく、悩みながらも目の前にあることを最大限に取り組むという物事への姿勢でした。

とことん努力を続けるからこそ、自信を我がものとし、自分軸がブレない…… そんな彼女の信念は決して簡単に真似できるものではないけれど、ママ自身が常にご機嫌でいるためにも、自分のことを好きでいられる努力と人生の選択を行うことがいかに大切であるかをあらためて実感させられました。

プロフィール

重松和佳子さん

プルデンシャル生命保険株式会社 品川第二支社 営業所長

1980年群馬県藤岡市生まれ
2003年3月 慶應義塾大学卒業 (文学部 人間関係学科 教育学専攻)
2003年4月 外資系消費財メーカー入社
2009年1月 プルデンシャル生命保険に転職。
1年目より同社の成績優秀者表彰に入賞、2年目には同社の女性営業職でトップの業績を挙げる。
MDRTに入社初年度から10年連続入会。
2015年、2017年、2018年には3倍基準のCOT(Court of the Table)達成。
2019年4月より、営業所長に就任。

現在は、営業職社員の採用と育成が仕事のため、日々可能性のある20-30代のビジネスパーソンを中心にお会いし、仕事のやりがいをお聞きしながら、夢を叶えるフィールドをご紹介する毎日。
また、「営業職の面白さ、やりがい、その実践的ノウハウを若い人に伝えたい」と大学での講義も積極的に行っている。

文・インタビュー:倉沢れい

ライター

倉沢れい

ライター

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