悩めるワーママ必見! 周りに振り回されず、
シンプルに自分と向き合う方法 【後編】
仕事に子育てに忙しい毎日。「このままでいいのかな?」どこか心にモヤモヤや違和感を感じながらも、そのままにしていませんか? そんな悩めるワーママへ。
前回に引き続き『こじらせママ、子育てしながらココナッツオイルで年商7億円。』著者であり荻野みどりさんのインタビューをお届けします。昨今のココナッツオイルブームの火付け役として脚光を浴び、子育てに会社経営に…… 全てが順風満帆に見えますが、これまでの道のりは“こじれきった”状態だったそう。仕事・母・妻・女性としての悩みが複雑に絡み合い、自分を見失った彼女が、周囲に振り回されずに、どうやって自分の本音と向き合っているのか。後編はお子さんとのことや教育についても伺ってまいりました。
前編はこちら!
ToDoリストを作らない、数値化しない、自分を評価しない
編集部:もう一つ本の中でご紹介されていて、斬新だと思ったのが「ToDoリストをつくらない」「ゴールを設定しない」…など、逆に削ぎ落とす発想。共働き家庭のセオリーとしてTO DOリストを作って、いかにタスクをこなすか…… みたいなのがありますよね。
荻野:「ToDoリスト」って問題集みたいなもの。行動を数値化するようなものですよね。達成率が自分のがんばりとして見えますから。私、そういうのが嫌いで(苦笑) 「この数値は私を表していない!」って思うのです。平均点を高めたい訳ではなく、私は私として心豊かに行きて行きたいし、子どもにとっても元気で楽しいお母さんでいたいし、完璧なお母さんと思われなくていい。世の中を細分化して数値化して評価することに、真実はなく、そこに楽しさとか心の豊かさはないと思っています。またそういう形で組み上げてしまうと、“変化に弱い”。柔軟になれないから。
編集部:確かに。数値化は、ある種第三者の評価でしかないです。
荻野:まるでロボットが人間の行動パターンを指示させるような、状況を目指していいのか? と思います。私はそこに人間味や幸せを感じなく、それよりもやりたいこと、ワクワクすることを想像して…… 波に乗る感覚でしなやかに、時には受け流して生きていく方が、強いと思います。だから、私は自分を評価しません。「私、最高!」ぐらいな楽しみ方をしています。
編集部:どうしてこの発想に?
荻野:自分自身、学歴も職歴も転々として、極限まで自己肯定感が低くなったのです。だから最後は開き直るしかなかった(苦笑) それと同時に、いろいろな意識とか持ち物とか捨てました。すると周りの常識(こうあるべき姿)というものの反映である“自分”しかいなかった、ということに気がつきました。そこから“自分ってなんだろう”ってことを必死に掘り返していたと思います。
十分頑張っていろんなポイントをクリアできている、それでいいと思うんです。「みんなはできているけれど、私にはできない(もしくは、心地よくない)」でいいと思います。完璧にこなそうとして嫌々やっているよりは、自分の得意なことをやっていた方が、自分のパフォーマンスを発揮できるじゃないですか。
編集部:自分の得意な分野で頑張る方が良い、と。
荻野:そう。自分の楽しい部分、ワクワクする部分をもっと伸ばしていけばいい。そうすると、周りの人が楽しくなるし、幸せを感じる。ロボットじゃないので、均一になる必要ないし、みんなが求めるチェックポイントを全部クリアする必要ないんです。
子どもに対して一般的なものさしで測らない、コントロールしない
編集部:これって、子どもに対しても同様のことが言えますね。
荻野:そうなのです。一般的な物差しで測ってしまって、自分の子ども自身が見えなくなることありませんか? あの子はあそこまでできているのに、うちの子はできない…… とか。
編集部:そうしたくないと思っていても、どうしても比べてしまいます……
荻野:ですよね。あと自分に厳しくしすぎちゃうと、子どもにも厳しく求めてしまう。一般的に言われることで自分を評価してしまうと、子どもにもその子自身の個性ではなく、一般的なことを求めてしまう。
編集部:荻野さんの中で、お子さんに対して言うことは?
荻野:命に関わることや人を傷つけることに対してはもちろん言います。あと感謝すること、この2点ぐらいです。あとは子どもの意思決定のまま、コントロールしないで愛情表現に徹底することを心がけていますね。恥ずかしがっていてもハグはするし、駅のホームで投げキスしますからね!
編集部:ママがそうしてくれたら、子どもはいくつになっても嬉しいですよね!
荻野:「何があってもあなたの味方だし、これができなくてもあなたの悪いところではない。個性だからいいんだよ、たとえ計算ができなくてもあなた、絵は上手でしょ? だいたいパパのDNA入っているんだし、本気になれば計算なんて一瞬でできる様になるよ」と。
編集部:私も、そのつもりで頭の中では常日頃思ってはいるのですが、つい余計なことを言い過ぎて、自己嫌悪に陥ってしまうことも多いです。
荻野:一人前の大人に育てないといけない、そのプレッシャーがあるからお母さんたちはみんな責任重大。みんな一生懸命になっちゃう。だから愛を持って伝えるけれど、自分自身もこじれていたり、整理が付いていないと、自分のコンプレッスを反映させたり、子どもをコントロールしようとしてしまう。私の両親がしていたのと同じように「あなたの幸せはこうよ」と。愛情余ってなんですけど。すると子どもが自分自身を否定する感情に持ってしまったり、自分の人生の選択肢を親が削ぎ落としてしまったり…
編集部:あなたのことを思って、良かれと思って…… ってことは大体よくないですよね(苦笑) 日々、反省です。
子どもにとって私たちは“過去の時代”ということを認識すること
編集部:お子さんはどんな大人に成長して欲しいですか?
荻野:どう教育するかってことだと思いますが…… その前に、子どもたちが大人になった頃、私たちの育った時代とはまったく違う世の中になるってことを、真剣に認識しなければならないと思います。私は先輩ではなくて過去のものなのです。先んじて先導することはできない。足を引っ張ることになるのです、これが大前提です。子どもにどういう能力をつけて欲しいかってこと「想像力」と「自分をワクワクさせる力」、この2つに尽きると思います。コンピューターにできることはしなくていい。その部分のトレーニングをするとか、宿題をしない娘に当たるってことは必要ないと思います。
編集部:そう思っていても、目の前にいる子どもが宿題しないと怒ってしまいます……
荻野:私も、そう言う時期がありました。習い事でも「子どもができる量しか出てないよ。やりなさい!」ってモードに入ってしまいました…。… でも、やりなさいって怒られて、やる気を起こす訳がない。むしろ「毎日できない“あなた”の否定」「みんなはできるのにできない“あなた”の否定」になってしまう。
編集部:荻野さんでもモード入った時期があったんですね。毎日のことだから、ギアもどんどん加速して……
荻野:でもこれを続けてしまうと、大人になった時に自分をチアーアップする力がなくなるし、挑戦よりも安定したところに流れてしまうと思います。だから、一番大事なのは心豊かに、どう生きるか、楽しいか、イマジネーションを膨らましていけるかどうか。たとえ、モードに入ったとしても「さっきは言い過ぎたけど、あなたのことを否定しているわけではないよ」と後できちんとリカバリーする。「ママも不完全な生き物です」ってことをちゃんと伝えます。
編集部:ママも初心者ですものね…… リカバリー大事です。
荻野:あと、正解を教えません。正解って私の時代の正解は言えるけど、それって未来もずっと正解でいられるかっていうとそうではないので、未来の話に対して正解は言わないし、誘導もしません。大人って正解を言いたがるのです。間違いを正そうとする。でも間違っていい。とにかくガイドしていくよりも、自分で考えさせる方が大事。親が先輩ではないし、模範ではない。子どもとの関係は、相棒というかチームの感覚の方がいい。教えようとしない、自分でプレッシャーを感じると思うので。私は元気いっぱいでいることで全て!
編集部:想像力に関してはどうやって意識していますか?
荻野:子どもだと思わずに、世界各地で見たことは話すようにしています。イギリスではレジのほとんどがオートレジになっていた、とか、フィリピンでは会社に行って働かないでも楽しそうに過ごしている人がいっぱいる、とか。私が日々関心を持っている労働や幸せについて、事例に落とし込んで、娘に意見を聞いてみます。
編集部:すごい、生きた学習ですね。自分で考えるってことはクセだから、子どもの頃から習慣になっているのは大切です。
荻野:お母さんは正解を言わないで、事実を述べるだけ。自分が興味を持っていることとか、自分がシンプルでないと問うこともできない。自分の得意なところで、いつも子どもに意見を聞いていますよ。
編集部:自分自身、インプットがないと子どもに対しても出せないですし、楽しいことでないと続かない。やはり自分をシンプルにすることが大切ですね! ありがとうございました。
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著書紹介
「人生は何が起きるかわからない。
けど、何かを起こせるのは自分だったりする」。
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取材・文/飯田りえ
ライター