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2015.09.29 2023/05/31

男性も積極的に育児に参加しないと損!企業経営パパから学ぶ 共働き夫婦の育児の秘訣

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男性も積極的に育児に参加しないと損!企業経営パパから学ぶ 共働き夫婦の育児の秘訣

今回のインタビューは、キッズデザイン賞も受賞した育児アプリサービス「パパっと育児@赤ちゃん手帳」や「妊婦日記」を手掛ける株式会社ファーストアセントの代表取締役社長 服部伴之さん。某大手メーカー、WEBマーケティング会社のCTOを経て株式会社ファーストアセントを立ち上げた服部さんは、家庭では5歳と生後9ヶ月の2人の娘をもつパパでもあります。育児アプリサービスを手がけるだけあって、共働きで育児・家事を行う様子はまさにイクメンです。

きっかけは妻の育児メモ
子育てママの生の声から、ユーザに支持される育児アプリを開発

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齋藤育児アプリサービスを提供するに至った、経緯を教えて下さい。

服部さん(以下 敬称略)妻が育児をしていた時に記録していた育児メモを見て「アプリでつけると楽なのに」と思った事が、最初のきっかけです。その後、既存アプリを調べて、ほしいと思ったアプリがなかったので、自分で作ってみようと思いました。

アプリではどんな事ができるのでしょうか?

服部「パパっと育児@赤ちゃん手帳」では、赤ちゃんの睡眠や授乳などの時間を簡単にメモすることができます。その記録を集計することで自分の子供がどういう生活リズムをしているのか、1日にどれくらい寝ていて、どれくらいミルクを飲んでいるのかがわかるようになります。
「妊婦日記」では、マタニティライフを記録として残せるように、妊娠期の日記や、検診情報、体重変化を登録でき、それを電子書籍化しています。

アプリを作るにあたり、アイデアはどこで集めましたか?

服部アイデア集めは、自分だったら「こういうサービスがほしいなあ」と考えた後、同分野で提供されているサービスを調査し、当社がサービスを作る必要性があるかどうかを考えます。必要性があると判断した場合、自分の妻や身近な人からの情報を集めて、自分のアイデアとのフィットギャップ分析、企画の練り直し、実際のユーザにアンケートという感じですね。
「パパっと育児@赤ちゃん手帳」の立ち上げ時には、実は公園で知らないママに声をかけ、iPadを使ってアンケート調査を使ってアンケート調査をお願いしていました。

育児のルールは特に設けず、家族間のコミュニケーションで夫婦二人三脚を実現

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平日、奥さまとどうやってコミュニケーションをとっていらっしゃいますか?

服部帰宅後に話をできる時間がある場合が多いので、そのタイミングでコミュニケーションをとっています。話題としてはやっぱり子どもの事が多いですね。私も保育園に送迎していることと、子ども自身も今日あったことを一生懸命話してくれるので、子供の日常についてはかなり把握していますね。
スケジュールは冷蔵庫に紙のカレンダーを貼って共有しています。と言っても、平日は私が食事を食べて帰るか否かくらいの共有です。外食はほぼ100%事前申請で、当日会食に誘われた場合でも、後日に調整頂いたり、食べ物を食べずに会に参加したりという感じです。

お子さんの教育について話し合う事はありますか?

服部よくあります。両親とも雑草的な育ち方なので、たくましく生きてほしいなと(笑)。

雑草的な育ち方ってどんな?と気になりますが、長くなりそうなので、今回は止めておきます(笑)。服部さんのお話を聞いていると、家事・育児も積極的にしている感じを受けますが、奥さまとの家事分担は決まっていますか?

服部私がやっているのは風呂掃除、ゴミ捨て、食器洗い、あと自分の衣類の洗濯をたまにやるくらいで、後は妻がやってくれています。
共働きなので、妻の状況(つわり、育休など)で常に変わっています。まだまだ妻の家事の負担が大きいので、妻からの申し出ベースで決まっています。

それでも、他のパパに比べたらきっと多い方ですよね。保育園の送迎はどちらですか?

服部朝の保育園への送迎は私です。あとは、早く帰宅した時はお風呂や次女(生後9ヶ月)の寝かしつけ(これがエンドレス!)もしていますね。
少し前まで長女(5歳)の寝かしつけ時に本を読む担当だったのですが、次女が少し大きくなり、役割分担が代わりました。

男性も育児しないと損!手伝わない旦那さんもきっと変わる!?秘訣

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お子さんができて自分が変わったなと思う事は?

服部「子供のために」を強く意識するようになりました。
あと、子供がいる人への理解度が格段にあがったので、仕事の進め方、チームビルディングのやり方は少し変わったと思います。

子育てが仕事にも影響しているのですね。ちなみに子育てをするにあたり参考になった本、WEBの記事等ありますか?

服部仕事で育児系のサービスを始めたことで、いろいろな所で調べ物をし過ぎてしまい、逆に特にこれが参考になったというものが思い浮かびません。
「パパっと育児@赤ちゃん手帳」や「妊婦日記」で提供する情報などに、調べた結果をまとめているので、実は今となっては、それぞれのアプリに入れているアルゴリズムが一番役に立つ情報になっているかもしれません。

最近、イクメンという言葉が流行っていますが、父親の視点からみて、どう思いますか?

服部大前提として育児って楽しいものだと思っています。だから個人的には、男性も積極的に育児に参加してみたほうが良いものだと思っています。というか、育児しないと損だと感じています。
イクメンという言葉が流行ることで、楽しい育児体験をする人が増えるのであれば良いことかなと。

服部さんは積極的に育児に参加されていますが、旦那さんが全く育児や家事をしない方もいらっしゃいます。そんな旦那さんをお持ちのワーママへアドバイスをお願いします。

服部経済合理性のもと、旦那さんが育児、家事に参加されないのであれば、それはそれで良いと受け入れてしまうのも、一つの得策かもしれないですね。
そうでない場合は、私が逆の立場(女性)だったら、確実に役割分担について話をしていると思います。そこで役割を一旦決めた後、その役割分担がきちんと機能しているかを一定期間後にチェックしますね。めちゃくちゃ仕事っぽいですが(笑)。

あとは、育児が大変そうだと思っていても手伝わない旦那さんには、大変だから手伝ってと言っても響かないと思います。だから「これをやると子供が笑った」「1週間前には出来なかったのに、○○が出来るようになった。」といったポジティブな話をしまくって「子供の事を見ないと損する」「今しか見れない」という認識を摺りこんで行くと良いんじゃないかと思っています。
子供の成長を沢山共有するのは効くと思います。

実は「パパっと育児@赤ちゃん手帳」では育児メモの記録を共有する機能があって、旦那さんに最近の育児状況を簡単に共有出来ます。妻が外出したいから面倒を見てと言われた時に、「今ってどれくらいミルク飲んでるの?」「どれくらい寝てるの?」ということがわからず、不便に感じていたので作ってみました。実際に育児の引き継ぎに活用頂けています。これって旦那さんが育児に参加するハードルを下げることにつながりますから、ぜひ活用してみて頂ければと思います。最後が宣伝みたいになってすみません(笑)。

齋藤いい終わり方になりましたね。どうもありがとうございました。

無理をせず自然体で育児に関わっている服部さん。パパ目線の子育てにヒントをもらった方も多いのではないでしょうか。「こういうサービスがほしいなあ」を形にしてきた服部さんだからこそ、次はどんなアプリが提供されるか楽しみですね。

プロフィール

服部 伴之さん

株式会社ファーストアセント 代表取締役社長

1973年生まれ。愛知県津島市出身。大学院卒業後、株式会社東芝で研究者として従事。2001年よりIT系ベンチャーのシステム責任者を数社歴任。企業向け情報共有サービス、懸賞メディア、マストバイキャンペーンのASPシステムなどの開発を行う。2005年、株式会社エンターモーション取締役CTO、2011年、株式会社tattva取締役を経て、2012年、株式会社ファーストアセントの代表取締役に就任。

文・インタビュー:齋藤 有子

ライター

ラシク 編集部


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