在宅ワークはママの味方? 活用しているママに聞く「理想と現実」

毎日バタバタな送り迎えや、急な子どもの熱で有給が消えていくとき、ふと頭をよぎるのが「在宅(ワーク)できたら良いのに」という願い。安倍政権も子育て世代の女性の活躍促進として在宅勤務の推進を目指し、「テレワーク」や「サテライトオフィス」なんていうキーワードがニュースになることも増えてきていますが…… 実際に在宅ワークってそんなにイイモノなのでしょうか? 

 

かくいう私も、実は週4日子どもを保育園に預けての在宅ワーク中。

ギュウギュウの満員電車で通勤し、時短勤務の限られた時間で仕事をこなし、18時15分までのお迎えに電動自転車を猛漕ぎでダッシュ……していた会社勤めワーママ時代を思えば、パラダイスの日々が始まる気がしたものです。ただ、実際に在宅ワークが始まると、あれ? 在宅ワークってそんなに楽じゃない?

 

今回は8人のワーママにインタビュー。「会社に行かなくても良い」というだけで、男女や子どもの有無関係なく、なんとなく羨ましく憧れてしまう在宅ワーク。その理想と現実をお伝えします。

 

在宅ワーク、したい? したくない?
キーワードは「家で仕事をしないこと?」

j_17_1 8人のワーママのうち、「したい」と答えたのは6人。

「家でもできる仕事だから」(S.Mさん)「通勤時間を仕事にまわせるので有効につかえる」(Y.Hさん)など、出社や通勤しないことによる仕事の効率化を挙げる意見もありましたが、いちばんは「急な子どもの病気や行事を、仕事を休まなくて済むので、年度末に有給がなくてピンチということがない」(S.Gさん)という意見のように、平日に休まなくてはいけない時に、在宅ワークを選択したいと考える人が多いよう。

一方で、「できない」と答えた2人は、「業務上、会社に行かないとできない仕事だから」(S.Hさん)という物理的な問題に加え、2人とも「ONとOFFのメリハリが効かないから」ことを理由に挙げていました。

 

ONとOFFの切り替えは重要で、家にいるとやはり仕事モードになるのに苦労している様子。

「家は静かで集中できるけれど、集中力が切れると歯止めが効かない。いくつかの種類の業務を想定して、壁にぶちあたったら別の業務で気分転換して、集中力が切れないようにしている」(Y.Hさん)のように業務内容を工夫していたり、「リビングだと家事したりテレビつけたくなるので別の部屋で仕事」(N.Mさん)のように、生活空間と仕事空間を分けている人も。

家に仕事スペースを作れない場合、「ネットが使えるスターバックスが定番だが、机も小さく仕事はしづらい」(R.Kさん)と、仕事場環境に苦労している人も。

家で仕事していると、つい乱れた家が気になり、子どものお迎え前に洗濯や食器洗いなどをしてしまいがち。家事でどんどん時間がなくなってしまい、あっという間にお迎え時間。残った業務は寝かしつけの後…… なんていうことも。また、「通勤時間がないのは嬉しいと思っていたが、本を読んだりボーっとしたり、生協を頼む時間がなくなった」(N.Mさん)のように、実は通勤時間が貴重な時間だったと気づくケースも。意外に、時間にゆとりがあると思っていた在宅ワークに「時間がない!」「切り替えができない!」と悩んでいるママは多いよう。

 

私も、切り替えがうまくいかずに苦労したママのひとりです。我が家の場合は家族の理解も足らなかった気がします。育休からそのまま在宅ワークをスタートさせたのもあり、ママが「在宅」ということに家族全体が甘えてしまい、出勤していたときは電車の時間が決まっていたから何があっても8時に出ていたのに、ママが家にいればパパの動きが鈍り、子どもの支度もズルズルと遅れ、気づけば9時。そこから食器を片付けたり洗濯したりしてしまえば10時過ぎて、既に2時間のロス。業務時間はどんどん短くなるのに業務量はフルタイム分あり、夜中に起きて仕事をし、日曜は一週間の業務ノルマを月曜までに終わらせるために仕事三昧なんて生活をしていたら、3ヶ月目には眠いし疲れているし、仕事が全然終わらずにイライラして、夫婦喧嘩も増えました……。

そんな私が行き着いたのは「在宅ワークだけど、家で仕事をしない」という決断。朝の着替えから送りはパパにお任せし、「ママも仕事をしている」という認識を家族に理解してもらうために、9時になったら外出。カフェで仕事をするようにしました。最初は「本来は9時から就業時間」という私と「実際には家にはいるじゃないか」という主人とで認識がずれていたり、子どもを置いてカフェに行くことに罪悪感があったりしましたが、今は割り切り、「家で仕事をしない」がいちばんうまくいっている気がします。

在宅ワークを上手に活用するコツと今後の課題

j_17_2実際に在宅ワークをしているママのお話を聞くと、「できる/できない」は、”人” と”業務内容”によるのだと思います。“人”については、会社に行かない分、より社内とのコミュニケーションに気を配れる人が在宅ワークに向いているように思えます。

 

「メールベースのやり取りが増えるので、社内のメールは文章がきつくならないように、“~ですね”、”お願いしますー!”など、若干くだけた会話調にしている」(R.Kさん)と直接会えない分、メールで険悪にならないように心がけたり、「打合せや会議は最優先し、空いてる日に在宅の予定を入れる」(Y.Hさん)と、チームワークに支障がでないように気を使っている人は在宅向きかもしれません。

 

また、在宅ワークが育児中の人だけの会社の場合、社内で少数派だったり自分自身も後ろめたい気持ちがあったりすることも多く、「真面目に業務に取り組んでいる姿勢をアピール」(N.Mさん)して、家で遊んでいるわけではない、仕事の成果をしっかり見せることも大切とのこと。

 

そして”業務内容”で言えば、在宅可能な人は、やはりパソコン業務がメイン。

会社も「パソコンのログイン」で管理していることが多く、常にパソコンを開いて仕事をしているデスクワークの人が在宅を取りやすい傾向が。逆に自分で時間をコントロールできそうな営業職の人は、クライアントとの打合せなど会社が勤務時間を管理できないためか、在宅ワークを認められていないケースが多いようです。

 

今回のママたちも始業と終業時には上司にメールをしていたり、日報や週報を提出していたりするケースがほとんど。結局は、日本の多くの企業が「時間」で管理しているのが、在宅ワークを難しくしている原因? 「成果」や「生産性」でもっと評価してくれれば、1日3時間しか働けなくても、翌日10時間働いたり、1週間で帳尻合わせたりすればよく、ママたちだけでなくパパや、育児だけじゃなく介護や、別に家族のためだけでなくても在宅ワークができるのに、と思います。

 

今回、在宅ワークの現実は、思ったより大変…というのが正直な意見です。確かに、仕事の合間にスーパーに行けるし、たまには友人とランチも可能な自由さはあります。けれども、在宅ワークが故に出社するより厳しい管理が必要だったり、通勤時間やランチ時間の息抜きがうまくできなかったり、デメリットもあるようです。重要なのは「選択できる」ということなのでしょうか。1日も会社に行かないのは、それはそれで寂しいし、すべてをリモートワークにする必要はないけれど、色々な事情に合わせて「在宅可能」な選択ができることが、ママにとってありがたい在宅の形なのかもしれません。働き方に多様性をもたせることは、会社にとっても従業員にとってもメリット。そんな考えの会社がもっと増えれば良いなと思います。

 

ライター REMIQUEST
幼い頃から好奇心旺盛で、独身時代は海外留学やセミナーなどにお金をつぎ込み、興味があることにはすぐに飛びつく傾向あり。出産後も、常に週末は予定でいっぱい。親子で参加できるワークショップを主催するなど、色々なことに挑戦中。

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