子どもの可能性を引き出す!
知育動画制作者と考える、家庭でできるデジタルデバイス活用法

ラシク・インタビューvol.181

株式会社イースマイリー 代表取締役 矢澤 修さん

オンライン学習、子ども向け動画や知育アプリなど、子育てにおいてITやテクノロジーが普及しつつありますが、その活用の仕方については悩む人も多いのではないでしょうか。LAXICでは今年10月、「子育Tech(コソダテック)委員会」が提唱する「テクノロジーを活用したゆとりある子育て」について紹介しました。今回は子育Tech委員会の参画企業で、絵本制作・販売や、読み聞かせ動画の企画・配信事業を展開する株式会社イースマイリー代表取締役の矢澤修さんに話を伺いました。

知育動画の先駆者ともいえる矢澤さんは、知育動画サービス「きっずちゅーぶ」を運営しています。知育動画を制作するに至った経緯やパパとして家庭でデジタルツールを活用する際に工夫していること・大切にしていること、さらには子育てにITやテクノロジーを上手に取り込む秘訣などを教えていただきました。

2020年10月の「子育Tech委員会」取材記事はこちら

罪悪感を持たず子どもに動画を見せたい

イースマイリーで制作・運営されている知育動画サービス「きっずちゅーぶ」

編集部:「きっずちゅーぶ」は育児中のパパ・ママに大変好評だと伺いました。

 

矢澤 修さん(以下、敬称略。矢澤):ありがたいことに、多くの保護者から「ようやく安心して見せられる動画に出会った」と喜びの声をいただいています。今年はステイホーム期間が長かったので、動画に限らずどうやったらおうち時間が充実するか必死に考えていた方が多かったですよね。

 

編集部:本当にそうですね! 子育Tech委員会のみなさんからも親子で楽しむ工夫をたくさん聞かせていただきました。矢澤さんが「きっずちゅーぶ」コンテンツを作ろうと思われたのはなぜですか?

 

矢澤:自分の子どもが小さかった時、いろんな動画のコンテンツを調べると、見せたいと思えるものがなかったんです。ただ子どもがおもちゃで遊んでいる動画や、大人が子どものおもちゃを撮影している動画、あとはゲーム実況とかですね。そういうのを見せるのが嫌だし、罪悪感がある。それならば自分で作ってしまおうと思ったのがきっかけでした。

 

編集部:子育て中の「こうしたい」から始まったのですね!

 

矢澤:最初は歌、工作、実験などの楽しみながら学べる教育コンテンツを中心に作っていましたが、メッセージ性がある親子向け絵本コンテンツの評判が良くなり、段々とそちらを主力にしていきました。

 

編集部:絵本を動画サイトで見る経験がないので、すごく新鮮です!

 

矢澤:子どもにメッセージを伝えるには、絵本のシナリオだとわかりやすいし、メッセージが伝わりやすい。動画であっても内容に問題がなければ見せる側も罪悪感が少なく、安心して見せられるかなと。コンテンツ作りでは言葉の学びにもつながるように意識しています。

 

編集部:子どもが楽しいのはもちろん、親に罪悪感がないからこそ魅力的に感じるんでしょうね! コンテンツの特徴やポイントはどんなところですか?

 

矢澤:季節や時事ネタなどを取り入れながら、子どもらしい好奇心や疑問に応えてあげることですね。子育てしているとたとえば、「どうしてウイルスは危ないの?」「どうして節分の時は豆を巻くの?」などとっさにうまく説明できない質問ってけっこうあると思うんです。そうした内容などを絵本にしたらとても好評でしたね。

スマホ・アプリはエンタメコンテンツ < 生活を豊かにするアイテム

株式会社イースマイリー代表取締役社長 矢澤 修さん

編集部:矢澤さんは小学生と未就学児のパパでいらっしゃいますが、緊急事態宣言中は何かと大変だったのでは?

 

矢澤:そうですね。ただ、僕が住んでいる渋谷区では、区内の公立小中学校へ通う児童生徒に対して一人一台のタブレット端末が貸与されていて、休校中も小学校の朝礼をコミュニケーションツールである「Microsoft Teams」で行ったりしていました。なので、子どもたちも在宅だけど何かしらやることはあるといった状況でしたね。ただ、先生たちも子どもたちも試行錯誤! でも何とかなっていましたよ。

 

編集部:休校中もタブレットを使っていたんですね!

 

矢澤:うちの子はプログラミングが大好きで、大ハマり中で、自主学習も熱心にしていました。朝も僕が子どもに叩き起こされて親子でPC作業していたくらい……(笑)

 

編集部:習うより慣れろ、って感じですね! ちなみにご家庭ではタブレット以外にどんなデバイスを使っていますか?

 

矢澤:ゲーミングPC、iPad、その他にもスマホでアプリや動画を見せることもあります。あと、元々何もインストールされていないデバイスにLINEを入れて、上の子が在宅している時は家族との連絡用に使っています。下の子は動画や知育系アプリなど、楽しむためのコンテンツを見る時に使用していますね。

あとはiPhoneのリマインダー機能もよく使っていますね。スケジュールを入れておくと「習い事まであと何分です!」というように音声アラートが出て、子どもが自発的に動いてくれるので、何かと忙しい我が家では重宝しています。他にもGoogle Homeを活用して天気や気温を調べたり。工夫すれば結構色々できます。

 

編集部:子育てでITというと、「スマホで何かを見せる」と想像しがちですが、お話を聞いていると、生活の一部として組み込んで活用できるんだなと感じました。

 

矢澤:単なるエンタメの機器として使い始めると遊び道具になって終わっちゃうけど、生活に組み込めるようなことを実践してみると「こういう使い方もあるんだ」と子どもたちが自然に認識していくんです。そうなると活用が広がっていきますよ。

ITは切っても切れない時代だからこそ、活用方法とルールは家庭の中で

編集部:保護者の中には、 ITやテクノロジーに強くないという方もいると思います。そういう方がITとつながるきっかけとして何かおすすめはありますか?

 

矢澤:まずインターネットで検索したり、ブログやSNSで発信されている方法に乗っかってみることが良いと思います。 ITやテクノロジーに強くないと認識されている方であっても、大体の方がスマホは持っていて何かしらのアプリは使っているのではないでしょうか?その延長で、日常生活で「何か不便だな」と思うことがあれば、まずは「テクノロジーを使ってもう少し簡単にできる方法はないかな?」と調べてみてはいかがでしょうか。

この「調べる」というアクションを積み重ねていくと、段々と調べ方やポイントがわかるようになってきていつの間にかいろいろなコンテンツを活用できるようになると思います。まずは親が興味を持って調べてみることをおすすめします。

 

編集部:育児へのITやテクノロジーの活用については賛否両論ありますが、制作している立場としてはどう感じていますか?

 

矢澤:スマホを渡しっぱなしで関与しないのは良くないと思いますが、親子でルールを決めたり、子どもの学習目的で親が一緒にデジタルツールを使うことは便利で良いことだと思うんです

我が家の子どもたちは英語の動画が大好きで、知らないうちに英語を吸収して歌ったり踊ったりしている。僕には英語を教えられないけど、動画やアプリは子どもたちの興味・関心を上手く引き出して教えてくれています。YouTubeなどの動画コンテンツは一般的には一方通行のコミュニケーションだと捉えられているのですが、最近ではインタラクティブ性を取り入れたコンテンツも増えてきているんです。

「きっずちゅーぶ」では「わかれみち絵本」といって、物語がマルチシナリオになっている動画を作っているのですが、途中で選ぶ選択肢によって結末が変わるように作っているんです。なので、親子で「これかな?」「こっちじゃない?」と一緒に考えて話し合いながら見てもらえます。そういう意味で、「このコンテンツはどういう風に使ったらいいかな?」と親自身が考えることも大事だと思います。

 

編集部:目の前にあるツールを単に与えるのではなく、親がどういう風に活用するかを考えていくことが大事なんですね。

 

矢澤:子どもが誕生して今の年齢に達するまで、みんなあれこれ考えて、時には試行錯誤しながら子育てしていますよね。デバイスとの付き合い方について考えることはそれと同じだと思います。これからの育児では、IT環境との適切な距離感を伝えたり、その環境を整えることが大切かなと思っています。

テクノロジーを活用して子どもの可能性を伸ばせることも!

矢澤さんのお子さんが描いた絵をTシャツにして販売。売れたときの喜びはとても大きいとのこと。

編集部:IT環境との適切な距離感だったりマナーやルールを学べば、その先にいろいろな可能性が待っているというとなんでしょうね。

 

矢澤:インターネットやスマートデバイスが普及したことは大きなチャンスだなと思っています。自己実現がしやすくなったし、自分の才能を見つけやすく発揮しやすい時代になったんじゃないかと。

 

編集部:そうですね。私の知人にもブログを書き続けていたら出版社から書籍化のオファーをもらったというケースがありました。

 

矢澤:ちなみに僕はいま、子どもと一緒にTシャツ屋さんを運営しているんですよ。子どもは絵を描くのがとにかく好きなので、それを応援するためにネットショップを立ち上げたんです。うちの子がデザインしたTシャツを実際に販売して、利益は子どものお小遣いにしています。利益といってもせいぜい500円ちょっとですけど(笑)

 

編集部:それはすごいですね! 500円だとしても自分で稼いだお金は重みが違いますね!

Tシャツを購入したお客様からお礼のお手紙を受け取られたそうです!

 

矢澤:そうなんです。子どもにとって実際のビジネスを通してお金の流れや儲けの仕組みをまなぶ体験になっていますね。好きな事で稼ぐっていいじゃないですか!

それに僕にとってもこのネットショップは子どもと一緒に楽しむライフワークになりましたし。こういうアクションはいまの時代ありがたいことに誰でもやれるんですよね。出品するためのECサイトのアカウントさえ作れば無料で始められますし、商品は受注制作なので在庫を抱えるリスクもないんです。

 

編集部:本当にちょっとした工夫なんですね。

 

矢澤:親はうまくテクノロジーを活用してその子の得意や強みを応援することできる。これって、インターネットの時代じゃなかったらできなかったことですよね。デジタルツールとの上手な関わり方を知って、そっと背中を押してあげるだけで子どもの可能性は広がっていくと思います。

 

編集部:親自身も時代の変化に合わせて考えて成長していかないとですね。矢澤さん、今日はありがとうございました!

今や子どもがデジタルツールを活用していることは切ってもきれないものです。また、テクノロジーを利用して、楽しく効率よく、子どもの世界を広げることは決して悪いことではありません。大切なのは「どういうふうに活用するか」。親御さん自身の中で指針を持つこと、なのではないでしょうか。目の前の良し悪しだけではなく、明るい気持ちでテクノロジーを活用していきたいですね。

矢澤 修さんプロフィール
株式会社イースマイリー代表取締役。2016年3月同社創業後、6月から知育動画サービス「きっずちゅーぶ」運営開始。障がい・難病当事者と家族への支援にも積極的に取り組む。
特定非営利活動法人 エースマイリー 理事長、医療法人社団 健智会 理事、一般社団法人 日本筋ジストロフィー協会 顧問、株式会社デフサポ 顧問。
HP:きっずちゅーぶ

ワーママを、楽しく。LAXIC

文・インタビュー:永見 薫

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