3つの「やらなくてOK」で、忙しくても親子共に大満足できる!
幼児期以降の読み聞かせのコツ

ラシク・インタビューvol.171

株式会社ベネッセコーポレーションこどもちゃれんじ 読み聞かせプラス<すてっぷ><じゃんぷ>開発リーダー 角田 彩さん

「読み聞かせ」は、子どもにとって良い効果があるはず! そんなイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

しかし、実際にはどんな効果があるのか、改めて考えてみると、よく知らないかも…… 編集部内でも、読み聞かせは、毎日やったほうがいいの? どんな本を選べばよいの? 文字が読めるようになったらしなくてもいいの? などたくさんの疑問があがりました。何かと忙しいママからは「本当は読み聞かせを日課にしたいけど、バタバタしちゃって今日もできなかった…… の繰り返し」という嘆きの声があがり、編集部一同共感。

そこで、今回は、<こどもちゃれんじ>読み聞かせプラス開発リーダーの角田彩さんに、読み聞かせの教育的な効果とコツを教えていただきました。お話の中で、なんと、意外な事実が明らかに!  親子共に「ゆるく」「楽しく」やるほうが良い影響があるのだとか。忙しいパパ・ママには朗報かもしれません!

ゆる~くやるほうが、効果大!? 思考力を育む「読み聞かせ」ってどんなもの?

年中・年長さん向け<こどもちゃれんじすてっぷ・じゃんぷ>読み聞かせプラス講座を担当している角田さん

編集部:“読み聞かせをすると賢くなりそう”という漠然としたイメージがあり、毎日したほうがいいのかしら…… と思っている保護者の方は多いと感じます。実際に読み聞かせにはどんな効果があるのですか?

 

角田彩さん(以下、敬称略。角田):「本が好きな子は思考力が育まれる」ということが、調査結果からも明らかになっています。年少から小学4年生の子どもの7年間を縦断調査(※)した結果、読書習慣がついていると、物事の因果関係を考えたり、自分の言葉で順序立てて相手に伝えたりするスキルが育つことが報告されているんです。
(※)ベネッセ教育総合研究所「幼児期から小学生の家庭教育調査(縦断調査)」 分析:荒牧美佐子先生,「幼児期からの読書活動が児童期の言語発達に及ぼす影響」,2018

 

編集部:「思考力」。これからの時代に必要な力としてよく聞く言葉です。

 

角田:はい。あとは、小学校高学年になってくるとお悩みでも多くなる「作文力」などの書く力とも相関関係がありました。

 

編集部:うう…… やっぱり毎日の「読書習慣」が将来的にも大事ということですよね。実は、我が家は、仕事や家事などでバタバタな日々で、きちんとした読み聞かせの習慣がなくて…… いつも好きな本の同じところばかり読んでいるんです。

 

角田:「毎日読み聞かせができない」ことや「同じ本ばかり読むこと」は、まったく問題ないんですよ。思考スキルを育むための土台として大事なのは、自分で読める年齢になったときに「本が大好き」になること。そのために幼児期の読み聞かせで重要なことはなんだと思いますか?

 

編集部:たくさんの本を読み聞かせすることではないのですか?

 

角田:この調査では、幼児期に「親子で本についての会話をした時間」が長いほど、本が好きな子になっていくことがわかりました。たとえば、絵本『ぐりとぐら(福音館書店)』を読みながら「こんなに大きなたまご、どこにあるのかなぁ」とおうちの人に質問をしたり、おうちでパンケーキを作ったときに「ぐりとぐらみたいだね」と会話をしたり。実はそういう時間が、とても大事なのです。

 

編集部:本をきっかけにした会話なら、我が家にもあるかも。お着替えのたびにヨシタケスンスケさんの絵本『もう ぬげない(ブロンズ新社)』の真似をして笑ったりしています。

 

角田:それで十分です。1冊の本に没頭し、本の世界に浸って親子でその世界について会話を交わす。私は、この体験こそ、幼児期の読み聞かせにおいて最も大切にしたいことだと考えています。「毎日10分読む」とか、「たくさんの種類を読む」などと意気込まず、会話を楽しめる時に読めばOKです。

 

編集部:それは共働き家庭にとっても、心強いお話です。

 

角田:我が家にも3歳の息子がいますが、疲れたときは読み聞かせはパスしますし、好きな本ばかり繰り返し読んでいます(笑) 大事なのは「親子の会話がうまれること」なので、それでいいんだと思います。疲れていたら会話どころじゃないですし、好きじゃない本では会話ははずみませんから。ルール化や習慣化よりも、ゆる~く楽しむほうを重視してみてください。

 

編集部:親が頑張りすぎない姿勢がより良い親子の時間を作れるのかもしれませんね。

読み聞かせの新常識? 3つの「やらなくてOK」とは

プライベートでは3歳男の子のママとして育児と仕事を両立中

編集部:忙しい中でも、読み聞かせを続けるコツはありますか?

 

角田:もしも、「読み聞かせしなきゃ」と、頑張りすぎているのなら、3つの「やらなくてOK」をおすすめしたいです。

 

編集部:ぜひ教えてください!

 

角田:1つ目は「1日10分、など、時間や頻度は決めなくてもOK!」ということ。

 

編集部:さきほどのお話とつながりますね。強制的にやるよりも、親子共にコミュニケーションを楽しめるときにやるほうが大事ということですね。

 

角田:はい、そうです。幼稚園や保育園での読み聞かせと違って、家での読みきかせは「1対1」のコミュニケーションが楽しめます。好きな本を、好きなタイミング、好きな調子で読んでもらえることが子どもの本の世界への没頭体験を作り出します。眠くなったら途中でやめたっていいんです。

 

編集部:なるほど。1対1だからこそ、子どもの興味に寄り添って柔軟に対応できそうです。

 

角田:2つ目は「まんべんなくたくさんの本を読まなくてもOK!」です。

 

編集部:これも先ほど話題に出ていた、同じ本を何度でも読んでいいというお話ですね。とはいえ、興味が偏ってしまうのではという心配もあるのですが。

 

角田:親がバランスよく与えるというのは、確かに大切です。ですが、その目的は、幅広いジャンルに触れることではないんですよ。

 

編集部:どういうことですか?

 

角田:写真や、図鑑、物語や、ノンフィクション、動物の世界の話など…… さまざまなジャンルに触れると、その中から「お気に入りの1冊」が見つかりやすいです。いろいろな本を読む中で、没頭できる1冊に出合えたら、そこから会話が生まれます。たとえば、図鑑が好きになった子は、図鑑を読み聞かせしたっていいんですよ。

 

編集部:興味のないものを無理やり読ませなくてもいいんですね! なるほど!

 

角田:3つ目は「演じて読まなくてもOK!」です。

 

編集部:私は、演劇部みたいに登場人物で声色を分けたり、抑揚をつけたりするのは苦手で…… ちゃんと読まなきゃ! と思うのですが、疲れているとそんなテンションにもなれないので朗報かもです。

 

角田:得意な方はもちろんそのまま続けて大丈夫。でも、無理に“うまく”読もうとしなくていいんです。読み聞かせは「耳で聴く」ことに意味があります。文字を読める子であっても、「文字を読む」に集中していると、お話の世界に浸り切ることができません。「聴く」に集中することで、想像の世界が広がりやすいのです。「読む」と「聴く」では使う脳みそが違うのです。だから、棒読みだって耳で聴けば十分効果がありますよ。パパ・ママそれぞれの読み方で聴いて、その違いを楽しんだりするのもいいですね。

 

編集部:ということは、自分で読める年齢になっても、読み聞かせはしたほうがいいのでしょうか。

 

角田:小学校の中学年くらいまで読み聞かせしたほうがいいとおっしゃる先生もいます。続けなきゃ! と思いすぎず、親子の楽しい時間として続いていくといいですね。

どんなに叱った日でも「読み聞かせ」でチャラになる!?
親子の癒しの時間をゆったりと楽しんで


角田さんが担当されている<こどもちゃれんじ>読み聞かせプラス講座の絵本

 
編集部:読み聞かせは親子共に楽しんだほうがいいんだな、とわかりました。

 

角田:読み聞かせは「勉強」ではなく、「コミュニケーション」の一つの手段です。

 

編集部:頭をよくするために読み聞かせを頑張る! だと続けるために親自身が大変になってきますよね。

 

角田:私は、年中さん、年長さん向けの読み聞かせ講座の開発リーダーをしているので、さまざまな専門家の先生にお話をうかがう機会も多いです。その中で印象に残っていたのが、ある先生の言葉でした。「昼間どんなに叱っても、夜の読み聞かせが免罪符になります。夜8時45分にバタバタっとお布団に入って楽しみに読み聞かせを待つ時間は、子ども記憶に残り続けます」と。

 

編集部:普段バタバタしがちで、夜になると今日も叱ってしまったと自己嫌悪してしまうパパ・ママの胸に響く言葉です。読み聞かせは、親子の癒しの時間でもあるのですね。

 

角田:その先生も、ずっと働きながら子育てをされてきた女性です。読み聞かせは「教育のため」ではなく「親子のコミュニケーションのため、楽しい時間をすごすため」に使えばよいのだと、私はそのお話を聞いて確信を持ちました。

 

編集部:「勉強のため」ではなく、親子で絵本を媒介に会話を深め、想像力を広げ、その結果、思考力が育まれるということなんですね。

 

角田:絵本は、ある意味会話の「きっかけ」にすぎません。私が担当している<こどもちゃれんじ>読み聞かせ講座の絵本には、最後に「おはなしひろば」という見開きを作りました。お話を読んだ後に「自分ならどうする?」と一緒に考えてみたり、それぞれのページの絵にかくされた秘密を解説してみたりするお楽しみコーナーです。親子でたっぷりお話の世界に浸れて会話ができる「きっかけ」をどうしても作りたかったんです。

 

編集部:「絵本をきっかけに会話をする」といっても、何を話せばいいのだろう、と思ってしまう保護者の方にとっては、頼りになるページですね。同じお話を何度も、いろいろな角度で味わえそう。

 

角田:絵本を通してだと、親子が対等に語り合えるところもいいですよね。親は必ず正解を知っているわけではないですから、一緒に考えたりおもしろがったり。「ゆる~く」やることで親にとってもリラックスのひと時になればいいですね。

 

編集部:頑張ろうとしすぎず、ゆる~く、楽しくやっていこうと思いました! 角田さん、今日はありがとうございました。

 

※本取材は感染症対策をおこないマスクを着用、一定の距離を保ち実施いたしました(撮影時のみマスク非着用)

図鑑でもいい、好きなものを何度でも読んでいい、疲れていたら休んだっていい。「楽しめばいいんですよ〜!」「それで充分です!」と、にこにこと笑顔でお答えくださった角田さん。肩の力を抜いていいのだと感じました。インタビュー翌日から、読み聞かせ中にも絵本を見ず枕の端をいじっている娘に対して「本当に聞いてるの?」「聞かないんだったらやめるよ!」とイライラしていた気持ちが、すっと消えたのが不思議です。いそがしい毎日の中でも、読み聞かせの時間が、親にとっても子にとっても「ほっとする時間」になるといいですね。

角田 彩さんプロフィール
2007年株式会社ベネッセコーポレーション入社。3歳男児の母。入社以来、0歳〜未就学児向けの通信教育講座<こどもちゃれんじ>の企画・編集に携わり、多くの玩具、絵本、ワークブックなどの制作を担当。2019年より現職、<こどもちゃれんじ>読み聞かせプラス講座<すてっぷ><じゃんぷ>の開発リーダーに就任。同講座は、2020年4月より、年中さん向け<すてっぷ>が開講、2021年4月に<じゃんぷ>が開講予定。
HP:<こどもちゃれんじ> 読み聞かせプラス講座

ワーママを、楽しく。LAXIC

文・インタビュー:あさのみ ゆき

求人情報

時短勤務可!シェアオフィスの営業管理 

株式会社アクトコールでシェアオフィスの営業管理のお仕事となります。
契約獲得の後に発生する手続きなどをご担当いただく予定です。

詳しく見る↓

勤務地
品川
勤務時間
9:00〜18:00
報酬
応相談
条件
若手社員の教育や1人称で作業も行えるくらいの能力を持たれている方を希望しております。イメージとしては大手不動産会社でバリバリ手続きや部下をもっていた方などが理想的です。

話をきいてみる

↑閉じる