子育て期は親である自分にとっても、子どもにとっても 自己肯定感を上げるチャンスです!【後編】

ラシク・インタビューvol.152

心理カウンセラー&心理コーチ 加藤隆行さん

程度の違いはあれども、きっと誰もが一度は人間関係に悩んだことがあるのではないでしょうか。自分にだけ上司のアタリがきつかったり、ママ友からいつもネガティブな発言をされたり…… その逆も然り、知らず知らずの間に子どもにマイナスな影響を与えてしまっていることもあるかもしれません。

『「会社行きたくない」と泣いていた僕が無敵になった理由』の著者である、心理カウンセラーの加藤隆行さんによると、これらはすべて自己肯定感、つまり幼い頃からの思考グセに起因しているのだそう。子どもも親も、自己肯定感を育てるにはどうしたらいいのでしょうか。加藤さんに詳しく伺いました。前編インタビューも合わせてご覧ください。

子どもの自己肯定感を育むために、親の私ができること

編集部:幼い頃からの思考グセについて、いろいろ仕組みはわかりましたが、実際にいま子育てしている身としては、わが子の自己肯定感が育まれているかが非常に気になります。

 

加藤隆行さん(以下、敬称略。加藤):アドラー心理学では10歳、他の心理学でも大体15歳までに「自分がどうやったら安全に生きていけるか」という基本設定を自分の中で作るといわれています。それが心のクセとして手放せなくなるのです。幼い頃から親と戦っている人は他者と戦わないと生きていけないと思うだろうし、強さを手に入れた人は人間関係にすぐ上下のピラミッドを作ってしまう。それって、強くはなれるかもしれないけど、幸せにはなれませんよね。

 

編集部:ちなみに、カウンセリングを受けにくる親御さんには、どんなタイプの方が多いですか?

 

加藤:両極端が多いですね。子どもに手を出してしまうぐらい感情的な親か、非の打ち所がない完璧さを目指す親か、このどちらかです。感情的な親ももちろん辛いですが、完璧さを目指す親は「親とはこうでなくてはならない」「完璧だった自分の親に認められなければならない」という思い込みから自分を追い込んでいることが多く、結果として自己否定に陥りやすい。中には「そもそも家庭はうまくいっている。そこに原因なんてあるわけがない」と思い込んでいる方もいます。

 

編集部:本人が気づいていない分、こじれそうですね。

 

加藤:それとは親子逆のパターンが、本の中には登場します。会社の上司とトラブルを抱えていた男性がいて、彼はとても社交的なお母さんに愛されて育ったのですが、彼自身は子どもの頃から内気なタイプ。「引っ込み思案な子で……」とお母さんに言われる度に、社交的になれない自分を無意識のうちに責めていたのでしょう。「誰からも愛される素敵な人にならなければいけない」とプレッシャーを抱えながら大人になり、社交性がないことを就職した会社の上司に執拗に指摘されて、爆発してしまったのです。以来、パワハラ上司に真っ向から対抗し、泥沼の戦いの末に敗れてしまいます。それをきっかけに、彼は過去と向き合い、その中で、母親への罪悪感や劣等感が根底にあった事に初めて気がつきました。こうして彼は解決の糸口を見出したのです。

 

編集部:そういうパターンもあるのですね。

 

加藤:そうなんです。彼の母親は一般的には「よい親」で「優しい親」で、彼は直接お母さんから社交性のことで責められた経験はありません。理想的な母に対して、そうなれない自分を勝手に責めてきたのです。

 

編集部:では、どうしていたらよかったのでしょうか?

 

加藤:母親が「お母さんはこうだけど、あなたはあなたのままでいいのよ」ということを、言葉ではっきりと伝えてあげていれば良かったですね。

 

編集部:言葉で伝えることが大事ですね。似たようなことはきょうだい間でもありそうですよね。子どもが3人だと、真ん中が自分を抑えてしまったり、きょうだいで比較してしまったりする話はよく耳にします。

 

加藤:長子と末っ子に挟まれた真ん中の子どもは、バランスを取ろうとして自分を抑えてしまいがち。長子は注目や愛情はもらえやすいですし、末っ子は親の育児経験値があがっているから、かわいがられて自己肯定感が育ちやすい。だからこそ真ん中の子には、5割増しで愛情を注いであげるぐらいの意識でいるのがいいですね。

 

編集部:親は子どもたちを平等に見ているつもりなのに…… 難しいものですね。とにかくありのままを受け入れて…… でも、あれこれ考えすぎると、結局、身動きが取れなくなりそう(苦笑)

 

加藤:子どものために精一杯になるよりは、自分が幸せになれることをしていれば、それでいいんですよ。お母さん自身が幸せを感じて、ニコニコ笑っていればいい。「大人になるのって最高よ!」と、楽しむ背中を見せてあげればいい。

 

編集部:「あなたのためを思って」と、お母さんが自己犠牲をしているのが良くない?

 

加藤:それが一番良くないですね(苦笑) それはお母さんの理想の押し付けであって、その子の「ありのまま」を認めてないかもしれませんね。

子育ても職場も…… 人間関係を築く時は、自分が成長できる時

編集部:それにしても、子育て時はいろいろと上手くいかないことも多く、母親自身の自己肯定感が下がりがちです。これも子どもに影響しますか?

 

加藤:もちろん影響してきます。でも心配はいりません。お母さんの自己肯定感が低い状態だったとしても、子どもと一緒に育んでいけばいいのです。「子育てがなかなか上手くいかない自分」のことを肯定しながら、一緒に子どものことも肯定していく。何でも子どもに指示を出すのではなく、子どもの意思を尊重し、子どもと親を対等な横の関係に置く。日々、子どもを受け入れる練習をすれば、自分を受け入れる練習にもなりますから、子どもを一緒に自己肯定感をはぐくむパートナーだと思えばいいと思いますよ。

 

編集部:これはすごく励みになります!

 

加藤:イライラ・ざわざわした時は、自分が成長するチャンス! と思ってください。自然とそうさせてくれる子どもが目の前にいるのですから、無理矢理学ばざるをえない環境へと親を導いてくれます(笑) 自分のイライラの感情を否定することは自己否定になります。「怒っちゃうのもしょうがないよね」「怒っていいよ」と自分にOKを出して、怒りや悲しみをしっかり感じてあげる。人は気持ちをわかってもらえたら安心して、その感情は収まっていきます。だから、自分で自分をわかってあげる練習が必要。自分の感じていることにOKを出すことが、自己肯定感へと繋がっていきます。子育て=自分の育て直しです。自分の内面を見つめ直す、とても良い機会ですよ。

 

編集部:子どもに向けるのではなく、自分に…… なんですね。

 

加藤:そうです。感情的に怒ってしまった時は「私はどうして怒ってしまったのだろう」と内省し、そうして自分の言動を振り返る回路ができて来れば、次につながります。もし実際に手を上げたり大声を上げたりしてしまった時は、自分を責めたり否定したりするヒマがあったら子供を抱きしめてあげて、「お母さんイライラしちゃったね。ゴメンね。大好きだよ」と、しっかりフォローすればいい。自分のことを叩いていると子どものことも叩いてしまいます。

子どもだけでなく、ママ友でも上司でも、人間関係に悩んだ時は良いチャンス。もし上手くいかなくても、自分を責めないで、少しずつ自分にOKを出していくと、自己肯定感が育っていきます。

 

編集部:なるほど。理想的な親子の関係像ってありますか?

 

加藤:子どもから「お母さんしょうがないなー、でも笑ってるからいいか」って言われるぐらいのラフさでいい。お母さん自身も「こんな私だけど、毎日楽しいよ~」って言えれば◎ 親子はそのぐらいの関係性がいいのです。

 

編集部:親子が横の関係になるのが良いのですね!

攻撃的な人に巻き込まれた時の対処法

編集部:ここからは私の悩み相談になってしまうのですが、前編にも出てきたような反抗的なタイプの人に攻撃されてトラブルに発展してしまった場合は、どう対処すればいいのでしょうか。何を言っても通じないので……

 

加藤:方法は2つあります。(1)相手への接し方を変える、(2)自分の内面を対処する、です。まず相手への接し方ですが、基本、相手を変えることはできませんから、必要最低限の付き合いにするとか、仕事だから我慢しようとか…… そこはもう諦めるしかない部分もあると思います。本当にしんどいなら会社を辞める選択肢もありですし、どうしても辞められない場合は、「自分を守る」方法を考えましょう。

 

編集部:というと?

 

加藤:前編にも出てきた、周囲に敵ばかり作ってしまう反抗タイプの人と、ネガティブな発想しかできない悲観タイプ、どちらも自分で自分を肯定できない人で、「肯定」が欲しいだけなのです。だから、自分の方が大人になって、相手を褒めたり持ち上げたりと肯定や承認をしてあげればいい。パワハラ上司と戦っていても仕方ないので、「こういう人なんだ」と上司のありのままを見て、それに対してどう攻略するかを考える。僕はよく「相手に花を持たせてあげよう」とクライアントさんに伝えています。また、周りには必ずその上司と上手に付き合っている人がいますので、その人たちに聞けばいい。「そんなの、ご機嫌とっておけばいいんだよー」ってきっと言いますよ。

 

編集部:でも、ご機嫌を取ることが怖くてできなかったり、抵抗がある時ってありませんか?

 

加藤:そこからが、自分の内面の問題なのです。例えば、威圧的な上司が怖くて何も言えなくなってしまう、となると、威圧的な父親にいつも言うことを聞かされていた…… とか、もしくはそんな父親に反抗して生きてきたから、「機嫌をとるなんてありえない!」と抵抗が出てきてしまう…… とか。それは自分と父親との間の問題で、実は上司は関係がないこともある。「ああ、自分は父親に対して怒っていたんだ」ということに気がつくことで、怒りを手放せる人もいます。

 

編集部:自分の内面に原因がある場合もあるのですね。

 

加藤:反抗タイプの症状がひどい人は、子どもの頃から親との縦の関係にいるので、そのパラダイムから抜けだそうとしない限りいつまでも戦っているし、いつまでも辛い想いをする。人に勝った時は一時的に満たされますが、またすぐに満たされなくなります。それよりも、人の上に立とうとするのをやめましょう、というのが理屈なのですが、本人はなかなかそれに気付けません。

 

編集部:そう、本人が気づいていない。どうにかしてこの本を渡したいぐらい(苦笑)

 

加藤:常に誰かと戦っている人は「自分の気持ちをわかって欲しくて困っている人」。わかって! 肯定して! 認めて! と言い続けているんです。そこを満たしてあげれば、そのうちあれこれ言わなくなります。

 

編集部:なるほど! 相手を知ることは有効ですね。

 

加藤:反抗タイプの人は、いつも自分の不満を誰かや社会のせいにして外向きに戦って生きています。でも、自分で気づかないとそれをやめられないので、大きな事故や失敗、病気など、本当に大変なことになって、初めて気づいたりする。逆に、悲観タイプの人は、自分自身に問題があるという想いはあるので、まだ、原因にはたどり着きやすかったりします。

 

編集部:その原理を知っていると、こちらもモヤモヤしたり、イライラする気がなくなりますね。前後編にわたってのお話、ありがとうございました!

 

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著書紹介

自己肯定感を育めばアナタの敵はいなくなる。

がんばっているアナタに寄り添うコトバと、元システムエンジニアならではの分析力と問題解決力には定評があり、
著者の心理カウンセリングを受けた人は、「不思議とうまくいくようになった」「他人のことがどうでもよくなった」と口をそろえて言います。
職場の人間関係に苦しんでいる人は、いちど本書を読んでみてください。根本的な解決方法がわかる本です。

「子どものために」とあれこれ気負う前に、自分も子どももありのままを認めて楽しく過ごしていればいい、ということなのですね。どうしても躾と言って子どもの行動を否定してしまったり、将来のためと言って子どもがやりたいことよりも勉強を強いてしまったり。でも、子どもの自己肯定感が育まれると、世の中を生き抜く力が身につくはずですから、あとは自分で勝手に育っていくのです。その力を信じて「あなたはあなたのままでいい」「お母さんはあなたの味方よ」と言葉で伝えていく。その大切さを痛感させられました。特別な“何か”は、必要ないのですね。

加藤隆行さんプロフィール
幼少より病弱だったこともあり、劣等感が強くコミュニケーションが苦手な子として育つ。大学院卒業後、システムエンジニアとしてNTTに入社。インターネット黎明期よりOCNなど関連サービスの企画開発に携わる。激務の中、30歳の時に体調が激烈に悪化。3度の休職と入退院を繰り返す中、カラダとココロが明確に繋がっていることに気づき、ココロへのアプローチを始める。以後、仏道、哲学、スピリチュアル、オカルト、心理学などを節操なく学びながら、ある日、人生は楽しく素晴らしいものであると気づく。44歳にして20年勤めた会社を退職。「自分自身と仲直りして優雅に生きる」をコンセプトに、アドラー心理学、心屋塾、認知行動療法、交流分析、マインドフルネスなどを取り入れた、独自のカウンセリング&セミナーを一般の方々向けに全国で開催。自由で楽しい「ココロと友達になる方法」を伝え続ける。
HP:加藤隆行

ワーママを、楽しく。LAXIC

文・インタビュー:飯田りえ

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