職場やママ友などで人間関係が上手くいかない…… とお悩みの方に朗報。
解決のカギは“自己肯定感”にあった?【前編】

ラシク・インタビューvol.152

心理カウンセラー&心理コーチ 加藤隆行さん

職場・ママ友・地域・家族…… 人間関係の悩みは誰もが避けたいもの。
でも人が集まれば当然、考え方や価値観、文化の違いもあって、人間的にも合う・合わないがありますから、トラブルが生じてしまうこともしばしば。

できるだけ苦手な相手とは適度な距離感を保ち、何かあっても自分の心の中で流しているつもり…… でもどこかモヤモヤ。特に、直属の上司や部下、隣近所や保育園・幼稚園など、ある種の囲われた環境下で毎日顔を合わす関係性であればあるほどしんどいですよね。ちょっとしたきっかけでハレーションが生じると、溝は一気に深まるばかり。一度トラブルに巻き込まれてしまうとストレスが溜まり、ひどい場合には自分の心や体を壊すことも。

まさに今回、インタビューさせて頂いた加藤隆行さんがそうでした。サラリーマン時代、職場での対人関係に悩み、3度の休職と入退院を繰り返されたそうです。その後、自分の心と向き合い、さまざまな勉強を重ねて見事克服。今ではそのメソッドを伝えるべく心理カウンセラーをされています。そんなご自身の体験から、昨年9月に『「会社行きたくない」と泣いていた僕が無敵になった理由』(小学館クリエイティブ)を出版されました。ビジネス書コーナーに並んでいるので男性向きかと思いきや、誰もが抱える人間関係の悩みを解決できる本とのこと。お話を伺って参りました。前後編でお伝えします。(後編の最後に著書プレゼントもありますのでお楽しみに!)

3回の休職で気がついた、自分の中に抱えるメンタルの問題

編集部:サラリーマン時代、人間関係が原因で休職されたそうですが、そこからどの様な変化があって心理カウンセラーになり、本を出版するに至ったのでしょう?

 

加藤隆行さん(以下、敬称略。加藤):4年前に会社を卒業しましたが、それまでに3回休職しています。子どもの頃から自律神経失調症で重度のアトピーだったこともあり「自分が上手くいかないのは、全て病気のせい」と思っていました。劣等感も強く、人との付き合いが苦手でした。「病気で弱い自分ではダメ→だから人より頑張る」という思考回路でしたので、残業、休日出勤当たり前の働きづめ。でも30代で2回目に倒れた時に「これは病気じゃなく、自分のメンタルの問題では?」と気づき、そこから自分の心と向き合い始めました。宗教やスピリチュアル系にも行きましたし(苦笑)、答えの出ない哲学書や脳科学の本なども読み漁ったりしましたが、「どうも、違うな……」と。そこでアドラー心理学と出会いました。

 

編集部:心理学との出会いは、やはりアドラーでしたか。

 

加藤:そうですね。出会った時の衝撃はすごかったです。ただ、僕の悩みは病気の身体という面から始まっており、アドラーの“理論”的な面だけでは向き合いづらい部分もありました。そこで、より身体に近い部分を扱う様々な心理学やセラピー、瞑想、ボディーワークなどを勉強しました。これらは「いま、ここで感じている“感情・感覚”を大事にする」という考え方。この“感情”の部分と、アドラーの“理論”の部分の両輪がバランスよく組み合わさるといいなと考え、自分なりのやり方を模索し今に至ります。やがて自分が楽になるにつれて「みんなもこれを知ったら楽になるのでは?」と思い、同じ悩みを抱えている人たちに伝えたい、と思うようになりましたね。

 

編集部:そこからカウンセラーの道へ?

 

加藤:まあ自分でやって来たことが本当に人の役に立つかどうかはわからなかったのですが、5年前に「とりあえず100人、無料でやってみよう」と始めました。20~30人をカウンセリングしていくと、だんだんパターンが見えてきて、それを咀嚼して自分のメソッドにフィードバックして、また次のカウンセリングに生かして…… と磨いていった感じです。

その頃、アドラー心理学仲間の熊野英一さんの書籍にライターとして関わっていました。次第に「自分も本が書きたい」と思うようになり、各方面に企画書を送り、小学館クリエイティブの酒井さんにお声がけいただいて出版できました。

 

編集部:30年以上悩み続けたところから、一気に好転したのですね!

人間関係のカギは、幼い頃からの自分の“思考グセ”にあった

編集部:カウンセリングを重ねるごとに、見えてきたパターンというのは?

 

加藤:小さい頃にどんな環境で暮らしていたのか、そして、その環境で出来上がった思考や感情のクセ、適応するために会得した生きかたのクセ、それをそのまま持ち続けて大人に成長しています。ありのままに受け入れられて生きてきた人は、周りをみんな“味方”だと思い、世界は“安全”なところだと感じており、自分の想いを素直に出すことが当たり前だと思って成長しています。これが、自己肯定感が高い人です。

 

編集部:なるほど。小さいころに、自分のことを素直に出せないまま成長すると?

 

加藤:幼い頃の親との関係や生活環境がしんどい状況であったりすると、世界を“危険”で大変なものだと認識し、「自分が我慢する」「耐える」、もしくは「戦う」などが生きる上での基本スタンスとなってしまいます。すると「ありのままの自分でいい」とは思えず、「このままの自分ではダメだ」と自分を否定し続けて生きることになります。また、自分はいつも責められる被害者で、他人=“敵”という回路ができあがってしまいます。この基本設定を持ってしまうと、その後はしんどい生き方になりますよね。

 

編集部:確かに。幼少期からの思考のクセ、ありそうです。

 

加藤:そうやって根拠なく自信を持ち、自らにOK(肯定)が出せる人は、自分自身との関係性が良好なので、他者との人間関係も良好なのです。一方で、自分に否定的な人は、他者に対しても否定的になりがちで、その関係性も悪くなっていくのですが、そのタイプの違いをボクの本では「反抗タイプ」と「悲観タイプ」と言っています。

 

編集部:それぞれのタイプの違いはなんですか?

 

加藤:反抗タイプの人は、自分が自分を否定しているだけなのに「他者も自分を否定している」と感じがちになり、社会に反抗して生きていきます。「他者から肯定(承認、褒め、愛情など)がもらえない」と思っているので、怒りや権力を使って、人から奪ってでも肯定を手に入れようとします。その結果、どんどん人を遠ざけてしまい、「やっぱりわかってもらえない」と、さらに思い込みを強化し続けていきます。

 

編集部:なるほど、私の周りにもいつも戦っている人っています…… そういうことだったんですね…… 悲観タイプの人は?

 

加藤:「他者からの肯定なんてもらえない」と最初から諦めていて、肯定自体の受け取りを拒否します。ネガティブなことばかり言うので、人が離れていきます。その様子をみて「やっぱり私は嫌われている」と、より悲観的な思い込みを強化していきます。また、病気や自分が劣っていると感じている部分を使って「弱い自分」「かわいそうな自分」アピールをし、同情という形で、誤った肯定をもらおうとします。

 

編集部:いつもネガティブで、褒めても聞き入れてもらえない人、います。

 

加藤:反抗や悲観タイプの人は、自分のエネルギーの大半を自己否定と葛藤に費やしているので、慢性的に疲労しています。かつての僕がまさにそうでした。ただ、どんな人でも自己肯定感は高くなったり低くなったりするもの。謙遜してばかりいると低くなりますし、自分にOKを出していくとどんどん高くなります。

 

編集部:程度の違いはあるかもしれませんが、この構造を知っているだけでも、自分や相手のことを客観的に見ることができますね。

自己否定してしまう人のほとんどが手放せない「3大思い込み」

編集部:では、どうすればその自己否定から解き放たれるのでしょうか。

 

加藤:カウンセリングをすることで、過去のその人の状況と、それによってできた思い込みが明確になります。人は大きく分けて3つの思い込みで自分を否定し、制限してしまっています。それらが複雑に絡み合うことで、その人の人生を縛っているのです。その思い込みを様々な方法ではずしていきます。

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【3大思い込み宗教】

  1. いけない教(禁止・抑圧) : ダメな自分だから、〇〇してはいけない
  2. できない教(過度な劣等感) : 〇〇ができない(持っていない)自分は嫌われる
  3. がんばり教(過度な完璧主義) : 愛されるため、もっともっとがんばらねば

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編集部:多かれ少なかれ、誰にでもありそうですね。私の場合、「母親だから〜できない」と抑制してしまっていることがあります。

 

加藤:できている人もいるのでしょうから、「母親だから~できない」というのも思い込みですね。自己否定の強い人は、その思い込みが人一倍強く、頑なに信じて手放そうとしません。この思い込みによって、人から愛されなくなる「恐れ」から自分を守っているのです。しかも子どもの頃に体で覚えたクセなので、自覚がなく手放しにくいのです。

過去にあった出来事の受け取り方、思い込みに気づき、自ら手放す

加藤:まず、「あなたには過去にこんなことがあって、こういう風に受け取っている。もし、これを手放すことができたら、今の人生は変わるよね」と説明し、“理論”で理解してもらいます。問題点に気づいたら、普段の生活の中でもいつも同じような行動パターンで暮らしていることに気がついてくる。

とはいえ、これは心のクセなので、気づいて手放す、ということを何度も何度もやってもらう。また、思い込みは過去の“感情”とも紐付いているので、その感情を身体にアプローチすることで癒やしたり終わらせたりしていきます。

基本的には陥っているパターン(クセ)から抜け出すために「自分でできる方法」をお伝えしていますので、カウンセラー依存にはなりません。僕自身はクライアントさんができるようになるまでサポートをするだけです。

 

編集部:私もパセージ(子育てに特化したアドラー心理学)を学びましたが、意識していないとすぐにいつもの思考に戻ってしまう。何度かフォローアップしないと……

 

加藤:自分の失敗パターンがわかるようになるまで意識していくと、変わりますよ。こうした生き方のクセの上に自分の人生が積み上がっているので、そこをブレイクすると全部の原因が腹に落ちて、過去が塗り変わり、正しく未来に向けるようになってきます。

“強く”ありたい”無敵”ではなく、”敵”を作らない無敵へ

編集部:書籍のタイトルにある「無敵」を最初に見た時は、自分が“最も強い”という意味だと捉えたのですが、読み進めると “敵を作らない”という意味なのですね。そもそも、その敵を作っているのは自分だと。

 

加藤:そうなんです。この「無敵」という言葉にこだわったのは、この本の編集担当である酒井さんです(笑)

 

編集担当 酒井徹さん(以下、敬称略。酒井):僕もある時期、上司との人間関係がうまくいかずショートしてしまい、一度休職しています。反抗タイプの上司に責められ続け、悲観し、そのうち爆発し反抗して戦う…… というループに入ってしまいました。その苦しい時期にたくさん本を探して読みましたが、しっくり来るものがありませんでした。当時は、とにかく自分が弱いから強くなりたいと思っていました。そういう人にこそ、「敵を作り出しているのは自分だ」ということに気づいてくれればいいな、という思いで本を作りました。最近よく見る「ありのままでいい」というタイトルの本は、男は買わないですから、あえて強いワードをつけつつ、中身を優しく作りました。かつての自分に向けて、ですね。

 

編集部:男性はなかなか弱さを出せないんですね……

 

酒井:女性も大変なことが多いと思いますが、男性も大変です(苦笑) 小さい頃から「泣いてはいけない」「弱くてはいけない」と言われ続けているので、弱い自分を認められない。そうなると、「自分は弱くない!→相手に反抗・怒りで表現する」ようになってくる。「嫌な上司に負けてはいけない、勝たなければ」と終わりなき戦いに身を投じてしまう。

 

加藤:自分もそうでしたね。だからこそ、そういう戦ってしまう人たちが手に取ってくれるようなデザインにしました。男性がカウンセリングに来るのはハードルが高い。自分の内面を話すなんてしたくないでしょうし、そもそも「ありのままでいい」なんてことに気づいてもいないと思いますので、まずは本から。

 

酒井:気づいているけど、気づいていないふりをしている場合も。でもその受け入れられない部分が、現実の自分とのギャップになって、しんどくなっていくのです。

 

加藤:会社という囲われた枠の中にいると、いろいろな考えを入れる機会が少ないでしょう。そこの価値観に従うことが基本になってしまう。みんなやっているのだから、と頭をごまかして、麻痺させて生きている。だから鬱になるのです。本音に嘘をついている人は、やがて心か体が壊れてしまいます。

 

編集部:男の子を育てる身としては、とても参考になります。そして夫にも読ませてあげたい…!

後編へ続きます)

幼少期の思考グセがその後の人間関係に影響するなんて、思ってもみませんでした。そして敵を作り出しているのは、他でもない自分だった、ということ。最近、人間関係がしんどくなった、人を疑いやすくなった…… そんな時は、自分の思考回路を振り返るサインが出ているのかもしれません。思い込みを外し、自分を肯定してあげる必要がありそうです。

また、仕事と育児を両立させていると、上手くいかないことも多く、自己肯定感って下がりますよね。しかし、加藤さん曰く「子育ては自己肯定感を高めるチャンス」なのだそう。では、子育てする上でどうやって自分を認めていくのか、そして、子どもの自己肯定感をどうやって高めていくのか。また、反抗タイプの人に攻撃された時の具体的な対処法も伺いましたので、後編もお楽しみに。

加藤隆行さんプロフィール
幼少より病弱だったこともあり、劣等感が強くコミュニケーションが苦手な子として育つ。大学院卒業後、システムエンジニアとしてNTTに入社。インターネット黎明期よりOCNなど関連サービスの企画開発に携わる。激務の中、30歳の時に体調が激烈に悪化。3度の休職と入退院を繰り返す中、カラダとココロが明確に繋がっていることに気づき、ココロへのアプローチを始める。以後、仏道、哲学、スピリチュアル、オカルト、心理学などを節操なく学びながら、ある日、人生は楽しく素晴らしいものであると気づく。44歳にして20年勤めた会社を退職。「自分自身と仲直りして優雅に生きる」をコンセプトに、アドラー心理学、心屋塾、認知行動療法、交流分析、マインドフルネスなどを取り入れた、独自のカウンセリング&セミナーを一般の方々向けに全国で開催。自由で楽しい「ココロと友達になる方法」を伝え続ける。
HP:加藤隆行

ワーママを、楽しく。LAXIC

文・インタビュー:飯田りえ

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