日々のコミュニケーションで子どもの自主性と自己肯定感を育む!
“元祖ワーママ” のブレない円満子育てメソッドとは?

ラシク・インタビューvol.148

東京都女性の活躍推進加速化事業 運営事務局 吉田采都子さん

子育てと仕事を両立するワーママが当たり前になってきたものの、未だに 「3歳児神話」 が根づいている今日。「私がこのまま仕事をし続けたら子どもの成長にどう影響するんだろう……」 と心配するワーママも多いものです。

今回は、リクルート出身であり “元祖ワーママ“ との呼び声も高い吉田采都子(よしだ さとこ)さんに、リクルート時代の後輩にあたるLAXIC編集長・鎌田が直々にインタビューを決行しました。

ホットペッパーの創刊期からトップセールスとして活躍していた吉田さん。子育て真っ只中だった当時を振り返り、「既成概念に囚われず、ママがトコトン仕事を楽しむことが自己肯定感の高い子どもに育つ秘訣」 と断言されています。本取材では娘の恭子さんにも同席いただき、中学受験のエピソードなどを聞かせてもらいました!

「○○であるべき」「○○でなければならない」という呪縛にママたちはモヤモヤ?

編集部:私は周囲の方からよく 「仕事を好きなことはわかるけど、そんなに仕事をしていて子どもは大丈夫?」 などと言われます。でも、恭子さんを見ていると素敵なお子さんに育っているなと思って元気がでます!

 

吉田采都子さん(以下、敬称略。吉田):子どもの評価って、勉強ができるとかスポーツができるとかさまざまだよね。うちの場合は、二人とも伸び伸びおおらかに育っているのをよく褒めていただくから、おおらかさだけは保証する(笑)

 

編集部:私のように子どもを幼稚園に通わせているママや小学生のママは、「子どもと離れてはいけない」 という呪縛がやっぱりあるんですよね。でも、吉田さんを見ていると「働いているから子どもといる時間がない」「子どもの将来どうしよう……」という感じがあんまりしない気がして!

 

吉田:周りの人に何気なく「それって子どもを預けてまでする仕事?」なんて言われると、妙に説得力があるように聞こえて不安になるよね。ずっと一緒にいることが子どものためになるわけでもないのにね。

 

編集部:最近、父と仕事の話をしていたら、「子育てをきちんとしなさい」と言われて。大意はないかもしれないのに、なんかその裏を読んでしまう自分がいて……

 

吉田:私もしょっちゅう言われた! でも、“きちんと” ってなんだろう(笑) これが男性だったら仕事に一生懸命なことを褒められても「きちんと子育てしなさい」とは言われないのにね。私は就活のとき、企業の対応の不平等さに「何かおかしい」 と感じたなぁ。生まれてから学校卒業まで男女平等に教育を受けてきたというのにね。

 

編集部:子育てをしながら仕事をすることの負い目みたいなものって常にまとわりつきますよね。周囲に対しても子どもに対しても。

 

吉田:今、私が関わっている女性活躍推進加速化事業では、働く女性の雇用環境の制度やルールづくりだけでなく、企業側の意識改革研修の企画や運営、それから企業のえるぼし認定(※)の申請支援などに取り組んでいます。

(※)えるぼしとは厚生労働大臣が認める女性活躍推進が一定の基準に満たされた企業に送られる認定マーク

 

編集部:日本では育児や家事は「女性がやるべき」という既成概念がありますが、私が去年滞在していたロンドンではそのような考えは全くありませんでした。リクルート時代を振り返ってみると、当時独身だった私でもかなりハードだったのに、子育てしながら結果を出していていた吉田さんはどうやっていたんだろうと思って。きっと大変なことも多々あったと思うのですが、迷ったり悩んだりはしませんでしたか?

 

吉田:メチャメチャあったよ。「子どもがかわいそう」「今は子育てに専念した方がいいんじゃない?」「そんなに仕事をしなくても」「家事はどうするんだ」っていう周囲の言葉にいつも振り回された。子どもが病気になったりすると特に迷うし惑わされるよね。

 

編集部:それでも続けようと思った要因とはなんでしょう?

 

吉田:息子を出産した時に大好きだった仕事を泣く泣くあきらめた喪失感が大きいかな。その後復職するのも大変だったし。でも、悩んだって、結局仕事そのものは辞めないんです。仕事をあきらめてふてくされながら子どもとの時間を増やしたとしてもいい教育や家事をできるとは思えなかったし、前向きに仕事に取り組んでいる姿を見せた方が子どもにとっていい影響になる! と腹をくくって。まぁ、家事のほうは結局、未だに期待には応えられないんだけど(笑)

机に向かう受験勉強よりも、今しかできない体験を通してコミュニケーションスキルを磨く! 吉田さん親子の受験スタイル

編集部:恭子さんがいま通っている中学は、国立の国際バカロレア教育の学校だよね?

 

吉田恭子さん(以下、敬称略。恭子):そうです。ケタ違いに楽しくて凄く良い学校です!

 

吉田:家からはちょっと遠いんですけど。でも本人が 「どうしてもここに行きたい!」と言い出して…

 

編集部:行きたいと思ったキッカケはなんだったの?

 

恭子:小1のときから放課後にセカンドホームという学童スタイルの塾へ通っていて、5年生ごろから周囲の友だちが受験勉強を始めたのに影響されたのがキッカケです。初めは近所の進学校系の中高一貫校を目指していたんですが、ガリガリ試験勉強しなくてはならないことやレベル的に難しいなと感じ始めた頃に、自分の得意な作文と適性検査と面接入試を行なっている今の学校を見つけて、「ここだ!」と。制服がない海外のような自由な校風も魅力でした。この学校に決めたのは、6年生の10月です。

 

編集部:中学受験は自然の流れとのことですが、どうして受験しようと思うようになったの?

 

恭子:お兄ちゃんの影響かなぁ。お兄ちゃんには外国人をはじめ、通ってる学校だけでなくあらゆる地域の色んなタイプの友達が多くて、いつも楽しそうだなぁと。地元の公立校へ行くと地域の友だちとのつながりしかないけど、受験したら自分の住む地域だけでなく、いろいろな友だちができるんだろうなと思いました。

 

吉田:本人が受験したいということで私も大手塾の中学受験説明会にも行ったんですが、塾側の圧倒的なようすと親の熱心さに挫折しました。それに、近所に文化的にも評判のいい公立中学があったのでわざわざ遠方に通う必要はないと思っていました。あとは「親が頑張らなくてはいけない!」みたいな中学受験のムードに私が全くついていけなくて……(苦笑) 「キョン(恭子さんの愛称) が行きたいなら自分で頑張ってね!」というラフなスタンスでした。

 

編集部:そうなんですね。受験勉強はどのように取り組んでましたか?

 

吉田:本人が頑張るというので、いくつか塾のお試しにも行ったのですが、違和感を覚えたこともあり、小6の夏からお兄ちゃんの先輩の意識高い系の早大生と、憧れのお姉さん的な女子大生の2人の家庭教師の方に、週3回みて頂きました。志望校合格へ向けて、得意な箇所と苦手な箇所を見極めた上で、サポートをお願いしました。

 

編集部: 親が「行きなさい」とか「勉強しなさい」と言わずに中学受験を決めたのがすごいですね。

 

恭子:周りの友だちが「親からまた勉強しなさい、と言われた」と言っているのを聞くと、ママが受験に対してガチガチのスタンスでなくてよかった、と思いました。勉強をさぼっていても何も言われないし(笑)

 

吉田:私は近所の公立の学校をとっても気に入っていたので。土日になると「ママと遊びに行こう!」って妨害してたしね(笑)

 

恭子:でもそれが良かったんだと思います。なぜかというと、今の学校に合格したのは、緊張せずに自分の考えを伝えられた面接のおかげだと思っているからです。

 

編集部:なるほど。

 

恭子:後から知ったんですが、面接官は単なる受け答えの質だけじゃなくて表情や雰囲気、会話の間など見ていたらしくて。だから面接で「この子は人とのコミュニケーションが好きなんだな」ということが伝わったんだと思います。

 

編集部:コミュニケーションは日々の積み重ね…… 付け焼刃じゃ身につかないものね。

 

恭子:小さい頃からパパやママの会社へしょっちゅう行っていたのもよかったです。あと、お兄ちゃんは高校生の時からNHKのニュースで取り上げられるような外国人観光客の下町ガイドのボランティアをしていて、しょっちゅう外国人のお友だちを連れてきていて。私もよく仲間に入れてもらっていたので、学校の友だちだけではない色んな人とコミュニケーションする機会が多かったのもよかったんだと思います。

 

編集部:本当、コミュケーションスキルって習うものじゃなくて実践で身につけるものだよね。

 

恭子:受験の面接のとき、同じグループの人は「上手に話そう」ってかなり緊張していたみたいだったけど、私は感じたままに自分の意見を伝えることができて。あとは、ラッキーなことに、ディスカッションのお題が「クラスに外国人留学生が来たらどんな風に接するか」みたいな質問で。 しょっちゅうそんな環境にいたのでいつものアイデアを思いつくままバンバン話しました。そんな私の姿に先生たちは「面白そう」という表情をしていて、「いける!」と思いました。

 

吉田:面接会場から出てきた途端にドヤ顏だった(笑)

 

恭子:我が家が受験直前までほとんど普段と変わらないムードだったので緊張もしなかったし。2月の頭が受験なのに、クリスマスパーティをハシゴしたり、お正月も旅行に行ったり、受験2週間前にママの友だちのベビーシャワーパーティに泊まり込みで参加したりしていました。お泊まりは最初は断ったけど……(笑)

 

吉田:私が「一緒に行こうよー」って誘ったんだよね。「家にこもって悶々と勉強しているよりも、普段なかなか会えない、表現力が豊かで素敵な大人にひとりでも多く会った方が面接も上手くいくんじゃない?」ってそそのかして(笑) キョンは素敵なお姉さんが大好物なので。

 

編集部:とても受験直前と思えないですね。でもお話を聞くほど、そうしたママのスタンスが良かったのでしょうね! 上のお兄ちゃんも受験で学校側に猛反対されたランク上の学校をあきらめずに受験して合格したんですよね。

 

吉田:そうそう。都立の英語学科の学校だったんだけど、担任も学年主任も「内申点が全く足りていないから絶対落ちる! 2ランク下にしろ」って言われて。でも本人は「この学校に行きたい! 勉強のコツがわかった! 受験させてくれ」って言い張るんですよ。その時点で中3のクリスマスごろ。私もさすがに不安でしたが、本人がやる気なんだからと学年主任の先生をねじ伏せて、一般受験で合格して最高に楽しい高校生活を送っていました。

 

編集部:お兄さんがすごいのは、周りが反対しても自分を貫くことですね。でもその自信ってどこから来ているんでしょうか? 私は高校受験の時に英語に特化した学校を希望していたんですが、結局先生や親が勧めてくれた道を選んだので。

 

吉田:わかる。先生や大人に反対されると不安になるよね。うちは二人とも自分でやりたいと思ったことは絶対できる! という根拠のない自信に満ちていて。それで、かな。

大人がさせたいことを無理強いしない。子どもが本当にやりたいことで感じる『できる! おもしろい! 楽しい!』 が自己肯定感を育む!

編集部:恭子さんの話を聞いて、自己肯定感の高さが伝わってきました。今のお母さんたちは、刷り込まれてきた昭和的価値観と新しい考え方の間で混乱しているように感じます。何を信じたらいいか分からない方もいるんじゃないかな……

 

吉田:本当に色んな情報が溢れてるから惑わされるよね。素晴らしい教育方法もごまんとあるし。私がそもそも子どもの教育に熱心じゃないので偉そうなことは全く言えないのだけれど、賢い子にとか優秀な子に育てるとかではなく、仕事をしていても自己肯定感を養える方法論を語るのであれば、子ども時代に遊びの世界でのヒーロー体験をたくさん経験させることが大事なんじゃないかなって思います。

 

編集部:なるほど、遊びの世界でのヒーロー体験ですか!

 

吉田:大人が“評価”する学校の勉強やスポーツの英雄ではなくて、大人や先生の意思や采配が関与しない、あくまでも遊びの世界でのヒーロー体験。高校受験のあとに息子に「崖っぷちだったのに何でいけるって思ったの?」って聞いたんですが、「おいらは公園で“スーパー泥だんご”が作れる英雄だった!」と言っていたことがあって(笑)

 

編集部:泥だんご!(笑)

 

吉田:公園で、すごく硬いまん丸の黒光りする泥だんごをつくれると英雄になれたらしく。低学年から高学年まで一目置かれるという、その輝かしい経験がどうも彼の根拠のない自信につながっていたようです。大人にとってアホらしいことが実は子どもにとっては「自分ってすごい!」と自信を持てるかけがえのない経験になるんだなぁ…… と。

 

編集部:小さなことでも「やった!」って思える成功体験って大事ですよね。

 

吉田:キョンにしても、同じ公園で毎日のように遊び呆けていたんだけど、朝礼台に上がってテレビショッピングショーとかオーディションごっこ、選挙時期になると候補者の真似をして笑いをとっていたらしく。受験前でもおかまいなしで低学年の子を従えて、それはそれは楽しいショーを繰り広げてたらしく。「できた! おもしろい! 楽しい!」の経験をしていたんですよね。

 

編集部:そういう積み重ねが自信になり、自己肯定感につながるわけですね!

 

吉田:仕事をしていてよかったなと思うのは、そんな子どもの世界に口をだす機会が少なかったからです。子どもの喧嘩に口を出すなとよくいうけれど、子ども同士の遊びの世界も大人は絶対に入らない方がいいんですよね。もちろん、素晴らしい教育方法はごまんとあるんでしょうけど、「人生が楽しい! おもしろい!」と感じる自己肯定の高い人間になれれば、あとは親の力がなくとも子ども自ら自走できるので。「あなたはあなたで頑張ってくださいな。私は私の仕事と人生を楽しむので!」って、私はそんなスタンスなんです。

 

編集部:貴重なお話をありがとうございました。最後に、子育て真っただ中の読者にメッセージをいただけますか?

 

吉田:ママが働いていると子どもがかわいそう、いい子に育たないなんていう既成概念はもはやナンセンス! 卑屈になったり申し訳なく思ったりする必要はないと思います。親が働いていると子どもは自分で考えて決断する機会も自然と多くなるので自分の人生をデザインする自己肯定感の高い大人に育つと自信を持ってほしいです。

あとは、他人の意見に振り回されないことかな。母が働いていることを悲観的に見る人は必ずいるし、その意見も間違ってもいるわけでもないし、正しいわけでもないのです。大切なのは、自分がどうありたいのかをバシッと決めて、意見をどう捉えるかなので。仕事と子育ても 『できる! おもしろい! 楽しい!』 で乗り越えちゃいましょう。

吉田さん親子のお話を伺うと、子どもの意思ややる気を尊重し日々のコミュニケーションが活発に行われていれば自己肯定感が築き上げられ、受験や就職といった壁も乗り越えらえるということを実感しました。

現在、吉田さんは、女性の活躍推進に尽力し、恭子さんは本人曰く、ケタ違いに楽しい中学生活を満喫しています。吉田さんの持ち前のポシティブな発想と、ワーママ流子育てで培った経験によって 「○○でなきゃいけない」 というしきたりが、今後女性が活躍するシーンでどのように変化していくか楽しみです。

吉田采都子さんプロフィール
短大卒業後、リクルート社にて求人広告営業、大手海外化粧品会社、インポートランジェリーバイヤー職などを経て結婚、出産、退職。出産後に再びリクルート社にてホットペッパー創刊に携わり11年間在職。3年連続年間MVPを皮切りに事業初の殿堂入り営業受賞を初めトータル15の営業表彰、プチコンサルティング賞などを受賞。その後、ママ向けビジネス開発に携わり、子どものお誕生日を素敵に祝うバースプランナー資格取得事業を立ち上げ協会理事を務める。

現在は東京都の働き方改革、女性活躍推進加速化事業支援に携わり、女性だけでなく、働きたいと思う誰もが前向きに仕事ができるインフラづくりや、意識改革、リバイバルキャリア支援に取り組んでいます。
HP:

ワーママを、楽しく。LAXIC

文・インタビュー:(文)小田 るみ子・(インタビュー)鎌田薫

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