駐妻のキャリア、夫はどう考える? 

パートナーの海外赴任が決まったとき、一緒について行くか日本に残って仕事を続けるか、悩む方は多いと思います。

 

私は夫が海外に異動になった際、身の振り方を決められずウジウジしてしまい、退職を決断するまでになんと1年もかかってしまいました……!

悩んだ理由はいろいろありますが、一番は「一度専業主婦になって、その後また働き口はあるのか?」ということ。熱心に仕事をしていていたわけではないにも関わらず、職を失うのが怖くなってしまったのです。

 

帯同(夫の転勤についていくこと)について夫からは「どちらでもいいよ」と言われていました。

私の意思を尊重しての発言ではありましたが、当時の私は「絶対来て! と言われれば覚悟もできるのに」と不満に思ったものです。

しかし「夫が来てほしいと言ったから会社を辞めた」と人任せな決断はしたくなかったのも事実なので「好きなようにしていい」という夫の言葉に甘え、とことん悩むことにしました。

 

今回は、悩んだ過程と結果、そしてその際に私なりに考えたことをご紹介したいと思います。

駐在夫が語る妻のキャリア

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夫が海外に異動することになったことと、帯同を迷っていることを、まずは上司に話しました。

上司は数か国の海外勤務経験があり、ご家族もすべての国に帯同したそうです。私のキャリアについて一緒に考えてくださると同時に、海外生活についてもいろいろなことを教えてくれました。

 

奥様のキャリアについては、

「自分たちの世代は結婚したら仕事を辞める女性がまだ多かった世代だから、退職には躊躇なかったように思う。でも最初の滞在国で日本語を教えるボランティア活動に出会ってハマったみたい。一度日本に帰任したときに日本語教師の資格をとって、以降の駐在先ではそれを活かしていろいろボランティアをしていたよ」

と話してくださいました。帰国後は日本語学校で働いているそうです。

 

他にも、家族で赴任を決めた駐在者にパートナーのキャリアについて話を聞いたところ、実に様々な意見がありました。

 

まずは、30代の同僚。奥様は看護師で、帯同に伴い一度退職したそうです。

「当時勤めていた病院が激務で転職を考えていたこともあり、退職に迷いはなかったようだ。日本に戻ってからも看護師としての働き口はあるので特に悩んでいるようには見えない」とのこと。

 

看護師や教員の他、美容師や幼稚園教諭等の有資格者を妻に持つ方々は「退職には特に迷いはなかったし、ブランクへの不安はあっても、仕事が見つかれないかもしれないという不安はそんなになかったようだ」と言う方が多かったです。

 

しかし、奥様が教員免許を持っているというある友人はこう言っていました。

「妻は大学卒業後は先生にはならず新卒で一般企業に就職して、帯同するため退職。日本に帰国してからは教員免許を活かした仕事を探していたが少し苦労したようだ。今は学習塾で働いている」

 

教員免許があれば仕事は見つかりやすいのでは? と思いましたが、実はそこには駐妻特有の悩みが。

というのも、彼女が職探しに苦労した理由は「夫がまたどこかに転勤になったら、仕事を辞めるのか」という問いにうまく答えられなかったからだというのです。

実際問題、その可能性は否定できないし、でも、必ずしも異動が転居を伴うものとも限らない。

 

帯同を迷っていた当時は、目先の「今仕事を辞めてついていくかどうか」で頭がいっぱいになっていましたが、

今後自分のキャリアを考える上でずっと、「夫の異動」という私にはコントロールできず、かつ、いつ発生するかもわからないイベントがついてくるのだな…… と痛感させられました。

駐妻ブランク=育休?

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一方、こんな経験を教えてくれた方もいました。

新婚早々に海外赴任が決定。奥様も一般企業を退職し、帯同したそうです。

「妻は『赴任期間中に子どもでもできれば、長めの産休育休をとったと考えてブランクにならないかも~』なんて言いながら退職したけど、実際はなかなか授からず結構苦しそうだった。しかも周りの駐妻友達が続々と妊娠するので焦りもあったようだ」

 

これはなかなか辛いだろうと思います。

実際に駐在してみると、比較的結婚歴の浅い駐妻は常に誰かしら妊娠しているような状況です。私もあらかじめこの話を聞いて心構えができていなければ、このブランクを埋めるために子どもを! と焦ったかもしれません。

 

なおこの友人は「新婚期間中に海外で暮らすのは、長い新婚旅行をしているようで楽しかった」とも言っていました。

なるほど、長めの旅行に出たという意識でいるといろいろとラクになることもあるかもしれない。この考えは今でも採用しています。

駐妻ブランクの重みが与える影響

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キャリア継続の必要性を説いてくれた方もいました。

その方の奥様は、まだ女性の総合職が少なかった頃に総合職として働きはじめ、元々はキャリア志向だったそうです。

「妻は、海外生活でこそ得られるものもあるだろうし、一度退職してもまた仕事を見つけられるだろうと意気込んでいて、自分も妻なら大丈夫と思っていた。でも段々、数少ない女性総合職の元同期がバリバリ働いている様子を、働いていない自分と対比するようになってしまい、次第に働く自信を失ってしまった。これはとても意外だった」

 

就職先がなかなか見つからないのではなく、就職活動を始める前の段階でそもそも働く自信がなくなって動けなくなってしまうのか…… と、聞きながらとてもショックを受けました。

 

結局奥様は退職してから約20年経った今に至るまで、一度も再就職はしていないと言います。

「妻の元同期には、会社初の女性役員になった人もいるようだ。不平不満を言うことはないが、同じ志をもって入社した同期が今でも活躍しているのに、自分は…… という思いがどうしても捨てきれていないのを感じる。自分も、妻に仕事を辞めてもらったのが正解だったのか、正直わからない。だから働きたい気持ちが少しでもあるなら、絶対軽い気持ちで仕事を辞めない方がいい。細々とでも何か続けた方がいい

 

これこそが駐妻とキャリアのリアルなのではないかと感じたと同時に、気持ちがとても暗くなったのをよく覚えています。

 

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最終的に、私は仕事を辞めることにしましたが、「ブランクが長いと、そもそも働く自信を失う」という話は常に頭の片隅にあります。

だからどうする、と具体的に行動できているわけではありませんが、「改めて仕事をしようと思ったときに自分もそうなるのかもしれない」と事前に知り、その心理状態を理解しておくのは、とても大事なことだと考えています。

もしかしたら、駐在だけでなく、女性のキャリアという視点に関しては、あらゆる情報収拾と想像力が、その先を切り開く原動力になるのでは、と思います。

駐妻とキャリアの狭間で

高野 萌奈

東南アジア在住。夫の転勤を機に退職、駐在員の妻「駐妻」に。思いがけずスタートした海外生活で試行錯誤を重ねる日々を送っています。

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