人生で最も大切なこと。自分の「原点」や「価値観」を知る方法。
4月に仕事復帰したママも本格的に疲れが出てくる頃ではないでしょうか。
ちょっと立ち止まって心の中を整理したい。自分らしさを取り戻したい。そんなときにヒントをくれるツールを紹介したいと思います。
紙とペンがあれば簡単にできるので、ぜひ一緒にやってみてください。
これまでの出来事から価値観や強みが見えてくる
ご紹介するのは「ライフライン」というツールです(上記画像はライフラインの例です)。これまでの出来事を振り返ることで、自分の価値観や強みを知ることができます。また過去の出来事が人生やキャリアにどんな影響を与えたのかを考えるヒントにもなります。
まず、縦軸に満足度を、横軸に年齢(時間軸)を設定します。そこにこれまでの出来事を思い出しながら曲線を描いていきます。
縦軸と横軸の交点をゼロとして、うれしかったことや成功体験などポジティブに受け止めた出来事はプラス方向に、悲しかったことや失敗体験などネガティブに受け止めた出来事はマイナス方向に描きます。
年齢は0歳からでもかまいませんが、何か印象に残る出来事から始めると描きやすいと思います。
とにかく描いて振り返ることが大事なので、細かく考えず自分の主観で描いてみてくださいね。
特に印象に残っている出来事については、ラインの横に出来事や気持ちを書いていきましょう。
毎日を充実させるには、自分の価値観を知ること
自分の価値観が大きく現れるのは山と谷の部分です。山は欲求の表れ、谷は避けたい状態です。
山の時はなぜそんなに嬉しかったのか、谷のときは何に傷つき、苦しんだのか。そんなふうに思い出しながら眺めてみてください。
山の理由も谷の理由もひとつではないと思いますが、無理に共通点を見つける必要はありません。それだけ喜びや悲しみの理由があるということです。
山を欲求と認めたくないこともあるかもしれません。人から称賛される、人より目立つなど、認めるにはちょっと勇気がいる一面もここにははっきり出てきます。
シンプルな法則ですが、山の状態が増えて谷の状態が減るように過ごすと幸せを感じやすくなり、充実した気持ちで毎日を過ごせますよ。
「強みの罠」に注意して、もっと強みを活かそう
強みを知るにはラインが山に向かったときに注目してみましょう。その時使った力、特に他の人と比べて大きな苦労もなく成果が出たときに発揮した力が強みです。
職場でも強みについて考えることがあると思いますが、どうしても仕事に役立つ強みだけになりがちです。でもそれだけだと思うのはもったいない! この機会にプライベートでも活かせるような幅広い意味での強みを見つけてみてはどうでしょうか。
失敗をすぐに忘れられる、いつも周りに助けてもらえるなど、職場では歓迎されない力も幸せに生きるには大切な強みですよね。
また見落としがちですが、強みを活かすには周囲の状況も重要です。ある特定の状況だから強みとなり得たということがあるからです。
「強みの罠」とも言えますが、人は弱みではなく強みで大きな失敗をすることがあります。
弱みは隠そうとしますが、強みは積極的に使おうとするからです。
それが成果と結びつくかどうかはその時の状況にも左右されます。
これまで自分が強みを発揮できたのはどんな状況だったからか。それを客観的に振り返ることができるのもこのツールの特徴です。
自分の「いい状態」を知って、いつも自分に気を配ってあげよう
他にも自分だけの法則が隠れていることがあります。谷から山に向かったきっかけからはリカバリー方法が、山に向かうときには成功の法則が見えてくるかもしれません。
また、考え方の癖や、何に執着しているかといったことが見えてくることもあります。
私はキャリアカウンセラーとして、まずは相談者が自分自身を理解すること、それから自分の考えが周囲とどう違うかを知ってもらうことが大切だと考えています。
(違うことが悪いのではなく、違いによって生まれるさまざまな出来事を受け止めるためです。)
その意味でライフラインを家族や親しい人と交換することもお勧めです。質問や感想を通じて自分の価値観や強みがより明確になりますよ。
自分を客観的に見られるようになると周囲の状況も見えてきて、悩みを解決するために動き出しやすくなります。
もやもやするけど何に悩んでいるのかわからないという人は、ぜひ親しい人と交換してフィードバックをもらってみてください。
SNSやメディアからの情報が多すぎて、
「〇〇さんみたいにならないと成功じゃない」
「みんなからいいねと思われないと意味がない」
と思ってしまうこと、きっと誰にもありますよね。
他人にばかり目が向いてしまうと自分に対する洞察は鈍くなります。
ときどきこうしたツールの力を借りて、自分のことを考える時間を持ってみてはいかがでしょうか。
自分がどんな状態なら「あ、なんだかいい感じ」と思えるのかを知って、充実した毎日を過ごしたいですね。