ママの ”働く” を作る、という一心で
立ちはだかる壁を、幾度となくはい上がったママ起業家

ラシク・インタビューvol.113

株式会社マミーゴー 代表 荻野久美子さん

「ママの働く場を作りたい」その一心で30歳の時に起業した株式会社マミーゴー代表の荻野久美子さん。 ”IT×ママ” という切り口で、主婦や在宅ワークママに “学びながら社会とつながる場” = ITマミー部を結成し、多くの女性から支持を得ています。現在は全国に700名以上の登録者数を越えるまでに成長しましたが、これまでは失敗と挫折の連続だったとか。そんな荻野さんは5歳、2歳、0歳児という三児の母で、会社の経営もしながら多忙を極めるだろうに…その行動力とポジティブさ、朗らかさは一体どこから⁈ そんなママ起業家の素顔に迫ってまいりました。

マイナスからのスタート、そして失敗と挫折…
それでも私はママの ”働く” を作る!

int113_1編集部:ご自身で起業されて8年目ということですが、起業はいつ頃からお考えを?

荻野久美子さん(以下、敬称略。荻野):どちらかというと、学生の頃の夢は「専業主婦」でした。でも短大時代に両親がリストラにあい、住む家もままならない状態で…。会社員として得られる収入では家族を支えられないと考え、若さとチャレンジ精神も後押しして、兄と会社を立ち上げて家族のために働きました。
当初は不安でしたが、仕事を通して自分がどんどん成長し、自信が持てるようになりました。自分だけでなく「多くの女性が働き続けられる環境を作りたい」と決意し、30歳までに資金の1000万円を貯めて起業しました。そして同時期に結婚しました。

編集部:結婚と独立が同じ時期だったのですね!当時から主婦やママの働く場を作る構想を?

荻野:そうですね。当時(2008年)はまだ女性が働き続ける環境が整わず、家庭と両立している人が周りにいませんでした。私自身も「仕事を続ける=女性の幸せは得られない」と思っていたので、それなら「仕事と家庭を両立し、女性の幸せもつかめる世界をつくりたい」と。

編集部:今でこそ仕事を続けることが一般的になりましたが、8年前はまだ厳しかったのですよね。独立当初はどんな事業を?

荻野:まずママのための教育事業を立ち上げました。オンラインで受講できるシステムで、地域格差なくスキルアップできるという仕組みです。まだオンライン教育事業は黎明期だったので、翌年『経済界』のプレゼンで特別賞を頂きました。そんなこともあり「絶対成功する!」と意気込んでいました。

編集部:現在の事業とは違いますが…どうなりました?

荻野:コンテンツは充実していましたが、有料だったこともありユーザーが増えず…3年で資本金の1000万がなくなりました。残ったのは「主婦・ママの働く場を作る」という信念だけ。どうしよう‥と次の策として考えたのは、受講生の中で優秀なママたちがいたので彼女たちの働く場を作ろうと思い、人材派遣会社に企画書を持って何十社と一人で回りました。

編集部:今でこそ女性活躍と言われていますが、当時の反応は?

荻野:主婦・ママというだけで「途中で休む」「無責任だ」と9割の会社に断られました。ママ向けの支援をしていることで有名な企業の代表の方にプレゼンすることができたのですが、「このビジネスモデルはうまくいかない」と目の前で企画書を捨てられ、その場に居合わせた新人社員にもバカにされました(苦笑)。お金も無くなり、自分の信念も踏みにじられ…もう諦めよう、と泣きながら帰りましたね。

編集部:味方をしてくださっていたご主人の反応はいかがでした?

荻野:「じゃぁ明日から専業主婦だね」とひと言。その後「でも、それまでの思いだったんだね」とも。本当に悔しくて、悔しくて。もう一度だけ立ち上がってみよう、と方法を模索し直しました。今までB to C だった考え方をB to Bに切り替え、企業から頂いたお金を還元し、ママたちからは一切お金を取らないことに決めました。そのモデルのもと、某高級車ブランドにママ向けプロモーションの企画提案をしたら、面白がって頂いて‥初受注を頂きました! そこから一気に広がりましたね。

編集部:失敗から得られる反省が活かされ、ここからの快進撃につながったのですね!

未経験者にも ”無償で” 学びの場を提供、その名も『ITマミー部』

編集部:今年で5年目になるマミーゴーは 『ITマミー部』 がメインとのことですが、ITやWEB経験者が多いのでしょうか?

荻野:経験者も1〜2割いますが大半は「ITに強くなりたいママ」。これから勉強して働きたい意欲のあるママたちに、無償で教育の場を提供しています。仕事内容としては企業のPRや販売促進に伴うプロモーション支援(商品開発・改良するための座談会、イベント企画、アンケート等)と、業務サポートによりを業務効率支援(データ入力、イベント運営、人材紹介等)です。そして私自身もアプリ開発ぐらいはできるよう勉強をし、エンジニアリングを学びました。

編集部:お仕事の手法としては、クラウドソージングに近いのでしょうか?

荻野:クラウドソーシングのリアル版です。顔の見えないマッチングではなく、全員と面談をし、適性を見定めた上でマッチングしていますので。女性って帰属意識が強いじゃないですか。『ITマミー部』に所属し、勉強しながら仕事をアウトソースするという形は、クオリティの担保を図る上でも効果的ですね。

(ITマミー部)

(ITマミー部)

編集部:なるほど…!『ITマミー部』の今後の展開は?

荻野:多様なスタイルで働く場を提供したいと思っています。今は業務委託メインですが、今のお子さんが成長した時、もっと働きたいママのニーズに応えたい。ですので、昨年有料職業紹介を取得したので、ガッツリと働きたい女性の職業紹介をし、2年後には人材派遣業を取得して、ライフステージに合わせた仕事を提供し続けたいです。また『ITマミー部』の登録者数を増やすだけでなく、きちっとアクティブ化させたいですね。そして「子どもと一緒にいたい」「無理なく働きたい」その思いにもっと寄り添って、働ける場を作りたいです。

会社を経営しながら、3児の母! それも子連れで仕事ができる環境があるから

編集部:お子さんたちはどのタイミングでご出産を?

荻野:オンライン動画教育事業の会社を立ち上げて2〜3年目に長女を出産しました。その頃は事業も上手くいかず、一番大変な時期でしたので、主人の母に娘を預けながら毎日夜9〜10時ごろまで働く日々でした。その時の長女に対する私の口ぐせは「ごめんね」でした。3年後、次女を出産する時に「もうこれ以上子どもに寂しい思いはさせたくない。子どものそばで仕事できるような環境を作ろう!」と決意し、子連れワークできる場を作りました。そして、昨年の8月に長男が生まれました。

編集部:ちなみに『マミーゴー』内での子連れワークってどのような形態ですか?

荻野:所属しているメンバーの中で、保育免許を持っている託児スタッフに、週3回見守り保育をしてもらっています。ほかのスタッフは子どもを預けて、隣の部屋で仕事をしています。託児スタッフに預けてしまえば作業効率はグンと上がりますが、母子分離ができない子は抱っこ紐をしながらでもOKで。子どもの近くで仕事ができる安心感は、何事にも代え難いです。

(見守り保育の様子)

(見守り保育の様子)

編集部:子育てを通してのご自身の変化は?

荻野:子どもを中心に働こうと思いました。今でも朝から晩まで仕事はしていますが、長女が生まれた時はまだ心が「仕事」で。独身時代と同じ感覚で仕事をしていましたから(苦笑)。次女、長男の出産を経て、この部分は大きく変わりましたね。

事業計画も意識づけも、夜の晩ごはんも翌日のコーデも…すべて「見える化」

編集部:日々の多忙なスケジュールですが、どのように管理を?

荻野:全てグーグルカレンダーで管理しています。経営者としては「毎週月曜日に中期の事業計画書をチェックする」というタスクを入れています。というのも、達成できていない事業計画をどうしたら達成できるか、と考えた時“常に見る” という習慣を自分に課すことにしました。あと事業計画書とは別に10年計画表をつくっています。そちらも必ず毎日見て、頭に焼き付けています。そこには会社とプライベートな将来の目標、例えば「年商を〇〇億円にする」「年に何回は海外旅行に行く」「ホノルルマラソンに家族みんなで走る」「自分の本を出す」など具体的に書いています。そこには子どもの年齢も入っているので、進級・進学とともに働き方をどうしないといけない、収入はどうしないといけない、というのが可視化されています。これを始めると、本当に目標が達成されていきますよ! 人間って自分に甘いじゃないですか、だから常に見続けていると行動に繋がるのでオススメです。

編集部:なるほど! すべて行動につなげる訳ですね。ママとしてはどうでしょう?

荻野:長女の幼稚園の行事は全てタスクに入れて…あとは、翌週のスケジュールに合わせて晩ごはんのメニューを考えカレンダーに入れて、土曜日にネットスーパーで1週間分の食材を予約します(笑)。買い物に行って「今晩何を作ろうかな」と悩む時間がもったいないし、計画的なので節約にも繋がるのです。私の洋服選びも同じで(苦笑)。1週間のスケジュールに合わせてコーディネートを考えて入れ込んでいるので、朝、悩まないで済みます。あとはふと思ったことや熟考したことも意識づけできるように入れたり、エバーノートのリンクを貼ったり…

編集部:献立から服から思考まで入れるのですね!しかし徹底しています。こうして聞いているとお仕事も日々の暮らしも、とても楽しんでいらっしゃいますね!

荻野:ママもパパも、働く自分自身も‥みんなが仕事を続けることで “楽しめる!” という姿を見せることが私の宿命だと思っています。そうでなければ、次の世代に夢を与えられない。私は「仕事する→お互いを高めあえる→夫婦円満になる」と言うことを立証したいのです。

編集部:夫婦円満ですか…!ちなみにご主人はどのような関わり方を?

荻野:育児も家事も一緒にやってくれますしとても優しいので、一人目産んだ時より、三人目を産んだ今の方がずっと夫のことが好きです!

編集部:…ラブラブですね!考えられない(苦笑)。

荻野:夫は子どもという “愛おしい存在” を届けてくれた存在ですよ。それを思ったら大好き〜❤って思えますよ。何事もポジティブに考え、ちょっとしたことでも感謝の気持ちを忘れない。そしてそれを必ず “伝える” ことを夫婦の間でも大切にしています。

編集部:すごく大事なことですよね…。荻野さんの朗らかさの理由がわかりました。今日はお忙しい中、ありがとうございました!

とにかく底抜けに明るく朗らかな荻野さん。日々の感謝の気持ちを忘れないで、ご自分の信念に突き進む前向きな姿が、たくさんのママたちから支持される所以なのでしょう。事業計画や10年後計画に始まり、晩ごはんのメニューに服のコーデに…徹底した ”見える化” はすぐにでも取り入れたいですね! 実は、取材当日は東京に大雪が降った日。午後からの積雪に備えて荻野さんからの提案でスカイプ取材に切り替えました。あそこまで豪雪になるとは予測もしていませんでしたし、帰宅時の大混乱を考えると…さすがの判断でした!ありがとうございました。

荻野久美子さんプロフィール
1979年生まれ。大阪出身、甲南女子大学短期大学部卒業。父親のリストラを機に、兄と店舗のデザイン設計・製作施工会社を設立。以後、2013年春までの13年間、経営に携わる。2010年、教育事業を行う『株式会社ヒメルリッチ』を設立。2014年には、「IT×ママ」をテーマに『株式会社マミーゴー』を設立。「主婦・ママの働く」を支援している。
HP:マミーゴー

ワーママを、楽しく。LAXIC

文・インタビュー:飯田りえ

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