【LAXIC学生編集部発】フリーランスなら子育てと仕事を両立しやすい!?
2児のママであり、フリーランス協会代表理事の平田さんに聞きました

ラシク・インタビューvol.99

フリーランス協会代表理事・PRプランナー 平田 麻莉さん

雇用にとらわれない柔軟な働き方を求める人が増え、近年「フリーランス」として働く人が増えてきました。

女性が働く時代の中、仕事と家事、子育てを両立するのは大変なことだと思います。現在、学生である私自身も将来、様々なライフイベントを迎えても働き続けたいという思いがあり、子育てをしながら働くにはどんな働き方があるんだろう・・・そんな疑問を抱いていました。 

そんな時、子どもとの時間も大切にしたいとフリーランスという形で働いているママたちがいることを知り、興味を持ちました。自分の強みを持って働いているフリーランスの方たちがどのような働き方をしているのか詳しく知りたいと思いました。

今回インタビューさせて頂いたのは、2児のママでありフリーランスのPRプランナーとして働いている平田麻莉さん。2015年にはワーママオブザイヤー賞を受賞し、今年の1月には、誰もが自分らしく働ける社会を実現したいとフリーランス協会の構想から立ち上げに奔走し、代表理事を務められています。

常に新しいことに挑戦し続ける平田さんにフリーランスという働き方を選んだ理由や経緯、フリーランスとして働くために大切なことを伺いました。

大学院生の時に、母校の広報も兼務したのがフリーランス人生のはじまり

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編集部:フリーランスとして働くことを選んだ理由は何でしょうか?

平田 麻莉さん(以下、敬称略。平田):なろう!と思ってなったと言うよりも、なりゆきでなったところがあります。20代前半はずっとPR会社で広報の仕事をしていて、27のときにビジネススクールに行ったんです。当時は、社会起業やムーブメント形成に明るい経営学の研究者になろうと思っていて、修士号を取得し、その後博士課程に進みました。その頃、研究の合間に母校のビジネススクールの広報もしてくれと恩師に言われたのがフリーランス生活の始まりですね。学生と職員の二足のわらじを履いていました。

その後出産をしたので、大学も仕事も一旦やめて、1年半くらいは専業主婦をしていたんです。そろそろ働こうかなと思った時に、フリーランスとしての働き方が、元来掛け持ち好きな性分や、子育てとの両立を考えても自分に合っていると思い、自然とその働き方になりましたね。

 

編集部:フリーランスとして働く中で、大変だったことや苦労したことはありますか?

平田:私個人の経験としては、今も昔もフリーランスだから大変ってことはそれほどありません。違うことと言えば、会社員だと上司がいて、個々の業務を把握し、リソースのコントロールをしてくれますよね。でもフリーランスだと、私の仕事の全体像は私しか知らないんです。なので、責任を持って全ての仕事をやることや、体調管理も含めて、自己管理がすごく大事だと思いますね。

創業間もないPR会社への就職がキャリアのはじまり

現在はフリーランス協会代表理事としてイベントの登壇も

現在はフリーランス協会代表理事としてイベントの登壇も

編集部:大学3年のおわりからPR会社で働き、そのまま新卒として入社したとのことなのですが、きっかけはなんだったのでしょうか?

平田:PR会社に就職したいと思っていたので、PR会社で働く先輩にOB訪問をしていたんですね。その時に「PR会社を立ち上げた知り合いがいる」と言われ、紹介してもらったんです。当時、会社の登記をしたばかりの代表と話をして「私、この会社に絶対入る」と勝手に直感しました。当時は創業3ヶ月だったので、新卒なんてもちろん募集していなかったのですが、「やります!私のこと必要ですよね!?」くらいの勢いで内定をもらい、インターンを始めました。まだオフィスもない頃だったので、最初の仕事はオフィス探しからでした・・・・(笑)。

 

編集部:なぜPR会社に入りたいと思われたのですか?

平田:元々、世論形成やジャーナリズムに興味があって、大学時代テレビ局の報道局でバイトをしていたんです。ちょうどイラク戦争が起こっている時期で、中東とアメリカの通信社から送られてくる映像を編集してニュースにするためのキャプションを作る仕事をしていたんです。もちろん、人が亡くなっている映像もたくさんあるのだけれども、そんな映像ばかり見ていると感覚が狂ってくるんです。失われている人の命がライブ中継で目の前にあるのに、呑気にお弁当を食べていたり、深刻さを感じなくなってくるんですよ。そんな時、「戦争広告代理店」という本に出会って、「情報を受け取るよりも、自分が届けたいと思う、知らせるべき社会問題を発信する側になりたい」と思ったんです。それがPRという仕事に興味を持ったきっかけですね。

あと、組織づくりや経営にも興味があったので、PR会社でありスタートアップの会社はまさに理想的でした。

 

編集部:PR会社には何年くらいいらっしゃったんですか?

平田:5年ほどですが、ベンチャーなのですごく濃密な経験をさせてもらいました。自社の広報や人材育成も含め、法務・財務以外のことはほとんど経験させてもらいましたね。クライアントの規模の大きさや職種は本当に様々でした。当時、他の同僚はだいたいいつも四~五件のところ、なぜか1人だけ十数件のクライアントを担当させられていました(笑)。

出産を経て専業主婦に
キャリアをスローダウンしようと思った理由

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編集部:博士課程に進みながら大学の広報という二足のわらじを履いていた時に妊娠されたとのことですが、“出産しよう”と思った決め手は何だったのでしょうか。

平田:子どもは授かりものですし、妊娠がわかった時はとても嬉しかったのですが、博士課程の途中だったので「私のキャリアはどうなるんだろう」っていう戸惑いは正直ありました。しかし、指導教官に紹介されたカウンセリングの先生と話していて「子供を産んだからこそできるキャリアもある」と言われたんです。その言葉を聞いて、挑戦してみようと思いました。

産む前は、サクッと産んでサクッと預けて大学院と仕事に復帰するつもりでしたが、産後、私の中で「価値観革命」が起きて、大学院をやめ、一度専業主婦になったんです。それまでは自分のキャリアや好奇心が人生で一番大事なことだったのですが、結婚すると自分と同じくらい大切な人ができるんですよ。そして子どもって自分よりも大事だなと思ったんですね。この子の一挙一動を見てることができるんだったら、少しキャリアスローダウンしてもいいかな、って思えて。

また、妊娠前からあった卵巣嚢腫が、産後、悪性化しているかもと言われたんです。そう言われから実際に手術で卵巣切除するまで7ヶ月あったのですが、その間は本当に色々と考えました。もし寿命が限られているならば、親孝行をしたり家族との時間を後悔ないように使いたいと思ったのも専業主婦になったきっかけですね。

 

編集部:子供が生まれる前と後の人生がガラッと変わったんですね。

平田:専業主婦になったものの、社会と切り離されている感じがして、モヤモヤしてた時期はありました。会話する相手がいないし、日本語がたどたどしくなっていくんです。「あぁ、私はこうやって世の中と断絶されていくのかなぁ」とか「夫は外で仕事して楽しそうでいいなぁ」とかを思うときもあって…。それでママゴスペルに行き始めたんですよ。そこで生き生きとして楽しそうなママ友ができて、その仲間たちのおかげで専業主婦を満喫できました。

「ワーママオブザイヤー」の賞を頂いた時は、週3は働き、週4は主婦という生活をしていた時期で、半々のバランスで両方の体験ができたことはよかったなぁと思いますね。ワーキングマザーと専業主婦の両方の気持ちがわかりますから。

 

編集部:平田さんなら専業主婦のままでも色々なことをされてそうですよね。

平田:そうですね、やりたいことが溢れてくるタイプなんです。高校の時から部活を2つ掛け持ちしていましたし、大学の時は2つのゼミ、4つのサークルに入って、そのうち2つで役職に就いていました。解決したい課題を見つけたら、すぐに動きたくなってしまうんです。実はフリーランス協会の立ち上げも、構想を思いついてから3ヶ月で立ち上げているんですよね。このせっかちさは、キャリアの始まりがスタートアップの会社だったという側面は大きいかもしれません。できるかできないかじゃない、やるかやらないかだ・・・という台詞が飛び交う会社でした。

他にも解決したい課題はたくさんあるんです。現在広報をしている家事代行マッチングプラットフォーム「タスカジ」の仕事は、女性の多様な働き方や生き方、新たな家族像を広めていきたいという思いでやっています。家事を核家族で抱え込まず、信頼できるパートナーを見つけて「拡大家族」としてチームで回していくというライフスタイルを提案したいんです。

実はニュースにすることって、一定のノウハウを身につければそれほど難しくはないんです。だからこそ、広報のプロフェッショナルは倫理観を求められると思っています。自分の仕事によってどういう情報が世の中に溢れていくのかを考えながら、よりよい社会にするためにどう自身のスキルを活かせるのか、微力ながらも考えていきたいです。

フリーランスになるために、やっておくべきこととは!?

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編集部:では、どのような人がフリーランスに向いていると思いますか?

平田:色々な仕事を楽しめて、問題があった時は自分で前向きに解決できる人ですね。外部環境のせいにして評論とか批判するのは簡単なのですが、フリーランスはなんでも自力で解決しなければいけないので、自分自身のアクションに落とし込める人が向いていると思います。

 

編集部:最後に、フリーランスに興味がある学生向けに、今やっておくべきこと、大切にすべきことなどあればお教え頂きたいです。

平田:フリーランスを視野に入れつつ、まずは成長できる環境に身を置いて、何かしらのプロフェッショナリズムを極めると良いのでは。フリーランスはゴールではなく、あくまでも働き方の一つです。だからこそ、フリーランスになる!という目標設定ではなく、何かのプロフェッショナルになって、社会に価値提供することを目指してほしいと思います。

 

平田さんはフリーランスとしての自身の人生を楽しそうに生き生きと話してくださいました。働き方や働く時間の制限が生まれた時、自分らしく自由に働きたくなった時、「フリーランス」という働き方は、私たちの働き方に多様性をもたらしてくれそうです。

平田 麻莉さんプロフィール
2005年に慶應義塾大学総合政策学部卒業。大学在学中よりインターンとしてPR会社ビルコムの創業期に参画。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院への交換留学を経て、2011年に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。同年、同大学大学院政策・メディア研究科博士課程在学中(出産を機に退学)に、フリーランスとして活動開始。現在は、フリーランスとして「タスカジ」や「ビザスク」の広報責任者を務めるほか、エグゼクティブ教育のためのケースメソッド教材制作(ケースライター)、ビジネスコラム執筆、翻訳などを行う。フリーランス協会代表理事。
HP:フリーランス協会

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文・インタビュー:原田 梨央

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