奥様の大学院留学に育休を取得して帯同 お互いを尊重し、キャリアと子育てを両立するご夫婦

ラシク・インタビューvol.28

小野俊樹さん・小野春奈さん

お子様を出産して3ヶ月で奥様が大学院留学のために渡米。「家族への気持ちを言葉だけではなく行動で示したい」と思った小野俊樹さんは、自身が育休を取得し、家族一緒に渡米することを決意します。一方で、奥様の方にも、子育て責任者となってくれた夫の育児スタイルを見ることで、子育ての価値観や気持ちに大きな変化が起こったようです。夫婦それぞれのキャリアや育児スタイルを尊重し、共に歩んでいる小野俊樹さん・春奈さん夫婦をインタビューさせて頂きました。

家族への気持ちを、言葉だけでなく行動で示したい

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宮﨑まず、俊樹さんが育休を取得されてNYに行くようになった背景を教えて下さい

小野俊樹さん(以下、俊樹)妻の留学がきっかけです。妻は妊娠前から留学を希望しており、私にも同じ希望があったため、最初は同じタイミングで行くことができればと思っておりました。妊娠が分かったのは、妻の海外大学院出願プロセスの途中でした。子どもを出産して3ヶ月後となる2015年の秋より妻が大学院で学べることが決定したため、私が育休を取得する形で帯同することにしました。30代前半、気力体力共に十分で仕事がとても楽しく、全社的な新規事業を優秀な先輩や仲間たちと立ち上げていたため、休職するという決断には迷いもありました。でも最終的には、家族への気持ちを言葉だけではなく行動で示したいと思い決心しました。

数ヶ月の育休は取得する人が増えてきましたが、1年という長期間の育休取得はまだまだ少数派だと思います。一緒に働いていたメンバーや会社の反応はどうでしたか?

俊樹私のいたチームメンバーの反応は想像以上に好意的でしたね。最初は驚かれたものの、事情を聞いて「チャレンジングだが頑張れ」と応援してくれました。チームメンバーをはじめ職場関係の皆様には、大変感謝しています。

会社としては、男性では、数ヶ月の育休取得の例はあったものの1年という長期の育休取得はほとんど例がありませんでした。そのため、会社の方で育休に興味がある男性社員のための座談会を企画してくれまして、結果として30名程の男性社員が集まり、取得の経緯やチームメンバーに相談した際の反応などを共有させて頂きました。座談会では、育休取得のどのくらい前から周囲に相談すれば良いかといった質問も出ましたが、これは女性と違い、子どもが産まれるのに自身の体型や体調が変化することがなく、タイミング次第では急な育休宣言になりかねない男性ならではの懸念事項かもしれませんね。

育休を取得するにあたって「1年後に居場所があるかな」とか、「部下が例えば上司になっているような不安」とかそんなことを感じたことはありますか?

俊樹幸い、会社の制度が整っており、周りのメンバーにも恵まれているので、育休から戻った後に居場所があるかな?という不安はありません。
また、年単位で不在になるわけですから、「部下が上司になっている」こともあるかもしれません。仕事ができて会社への貢献度が高い人が出世するのは会社にとって良いことなので、不安を感じることはありません。むしろ自然なことだと思っています。
ただし、「彼は育休を取ったから…」という偏見を持たれぬように、職場復帰後はしっかりと仕事をしなければと思っています。

子どもが成長していく姿は、楽しく愛おしい

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宮﨑8月の渡米から5ヶ月程が過ぎていますが、主夫を経験して思うことは?

俊樹子供ってこんなにも成長するのが早いのかと驚きの連続で、想像以上に楽しく過ごせています。育児本などで、「3か月になったら首が座るんだね、ふーん」と頭では理解していたのですが、いざ、我が子の首がすわると、感情表現も豊かになり、ますます愛おしく思えます。最初は寝ているだけだった赤ちゃんが、どんどん人間らしく成長していく姿は、本で読むのとは比べ物にならない楽しさです。

一方で、想像以上に大変なのは、仕事と違って自分のペースでできる余地がないからだと思っています。午前中は掃除をする…と考えていても、子供が寝たら掃除機は掛けられず後回し、洗濯物を畳んでいる最中に子供が空腹で泣き出したら、洗濯物を畳むのは中断せざるを得ない…など予定はことごとく崩れ、その場その場で臨機応変に対応していくことになります。一人暮らしをしていたこともあるので、家事は一通りできるし何とかなるだろうと思っていましたが、自分のペースで効率的に進められた一人暮らしの時の家事と異なり、子供のペースに合わせて行わなければならないのが育児中の家事の大変なところです。

また、子どもが言葉を話せない0歳の時期だから余計なのかもしれませんが、一日中部屋で子供と一緒にいると、社会から切り離されたような感覚になることもあります。またいわゆるママ友に関しては、育休前のイメージは「ママ友同士、楽しそうにお茶したりして気楽なもんだよなぁ〜」などと思っていたのですが、子供以外とのつながりや育児に関する情報交換の場として、とても大事なものだと分かりました。
一方で男性で育休を取る方がまだまだ少ないので、育児に関する情報交換をしようとすると現状ではどうしても女性が多いコミュニティに入っていくことが多くなります。男性の場合は女性が多いコミュニティに入っていくのに少し抵抗があったりするので、育児をしている男性を特別視しないような環境が広がっていくと良いなと思います。

NYでパパ会に参加されたとのことですが、どんな会話をされるのですか?

俊樹パパ友の会の皆さんは、主に在宅でお仕事をされていて、時間に融通が利く方々が多いようですね。話される内容はおそらくいわゆるママ友の会話とそんなに変わらないと思いますね。「お子さん、何ヶ月?」から始まり、「女の子ですか?え、男の子なんですか!?てっきり女の子かと思いましたー。」みたいな会話が多いです。また便利グッズなどの情報交換をすることも多いですね。

「子育てはお母さんの仕事」という価値観が、心を重くしたことも

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宮﨑では奥様の春奈さん。留学を決めるまでのキャリアや経緯などを教えて頂けますか?

小野春奈(以下、敬称略 春奈)私は新卒で厚労省に入省しました。働いているうちに、政策決定やマネージメントについて実務を離れて体系的に学び直したいと思うようになり、3年目の時に、海外の大学院への派遣制度に申込みをしました。ちょうど入社5年目に当たる春に長男を出産、息子が3か月の時に産休と2週間の育休を経て渡米し、2年間の予定で、コロンビア大学国際公共政策大学院の修士課程で学んでいます。

私の職場は毎年数名の留学生を派遣しているのですが、留学前にお子さんが生まれ、奥様が育休を取って夫の留学についていくのは「よくあるケース」でした。だから、私たち夫婦に留学前に子どもが生まれたとしても、我が家は役割を逆にするだけ、とそれほど深く意識していませんでした。

私の妊娠が分かったとき、夫と育休取得について相談した後、職場に子どもを授かったことを報告しつつ、留学に子どもを連れていきたいとお願いをしました。職場からは「良かったですね。大変なこともあると思いますが頑張って下さい」と大して驚かれることもなく、前向きに応援して頂きました。そんな経緯を経て、「産後の留学」を見据えて、大学院の出願書類を徹夜して書き、なんとか希望の大学から合格をもらい、出産を待ったのです。

出産から渡米までは3ヶ月程。出産してからも、名前を決めたらパスポートを取り、ビザを取って…など留学に向けた様々な手続きが待っているのですが、出産を機にちょっとした気持ちの変化があったのです。

どのような変化が?

春奈生まれてみると、授乳をする、寝かしつける、夜泣きする赤ちゃんをあやす、など、お母さんじゃないとできないこと、お母さんがやった方が圧倒的に効率が良いこと、があることがわかりました。いろんな育児情報をみても「ママ」や「お母さん」が一人称で書かれてあります。そういう環境で初めて、一般的に子育てはお母さんの仕事であることが多い、ということを理解しました。私の中に母性が芽生えた、ということなのかもしれません。

だんだん夫に育休を「とらせて」、子育てを「夫にさせて」、赤ちゃんをおいて学校へ行く、赤ちゃんがいるのに自分のキャリアのために留学をするということが、悪いことのような気がしてきました。もちろん夫は「育休をとらされている」とか「子育てをさせられている」などとは思っていないのですが、私の中に「子育てはお母さんの仕事」という昔ながらの価値観がどこかにあったんだと思います。でも夫が育休をとることについてとても前向きなこと、ニューヨーク生活を楽しみにしてくれていること、そして夫の職場の皆様も育休取得を前向きにとらえてくださっていることをきいて、この心理的な負担はかなり軽減されました。

「妻が子育て責任者、夫が補佐」という状態から
夫も妻も、何でもできる状態に

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宮﨑現在、俊樹さんのサポートの元、子育てと学業生活を両立されていますが、日本で思っていた心境からの変化はありますか?

春奈ニューヨークに来てからはさらに気持ちは楽になりましたね。同級生や近所の方に話をすると、お父さんがメインで子育てをしていることについて驚きかれることは少なく「え?日本では1年も育児休暇がとれるの?すごいね?」という反応です。乳幼児健診でも、お父さんが小児科に赤ちゃんを連れていくというご家庭も珍しくなく「お母さんだから○○しなきゃいけない」というプレッシャーを感じることはずいぶん減りました。

子育てに対する不安という意味でも変化がありました。出産前はあまり不安はなかったのですが、生まれてみると本当に小さくてフニャフニャで…。出産後の3か月は私が産休・育休をとって日中を子どもと過ごし、夫は会社にという生活をしていたのですが、他の多くの新米ママさんたちと同じく、「どうしたらいいかわからない」ということの連続でした。

夫が子供と触れ合えるのは土日に限られてきますので、土日も含めて私が子育て責任者、夫は補佐、という感じでした。夫は、出国前に友達とご飯を食べにいっておいで、と言ってくれたのですが、私は子供のことが気がかりで、夫に子どもを預けてでかけるということができませんでした。出かけるだけでも気がかりなのに、学校が始まったら、3か月の子供を夫に託して学校に行く、それも毎日…というのは不安で仕方なかったです。しかし渡米して授業が始まると、不安は一瞬でなくなりました。私が家にいない間や、勉強をしている間は夫に100%、子供の世話をお願いすることができます。「私が子育て責任者、夫は補佐」という状態から、「夫も私も(授乳以外のことは)何でもできる」という状態ができあがりました。「主体的に子育てをする」ということが世の男性にとってはなかなか難しいということをよく耳にしますが、環境が変われば夫は驚くべき適応能力で、子育て責任者になってくれました。

夫が主体的に子育てをするようになってくれたからこそわかったこともありました。私の産後3か月の育児は、やや神経質すぎて、几帳面だったのかな、と今となっては思います。夫の育児を見ていると…とても大らかです。私が勉強をしているときは、私が家にいても子供の世話を夫に完全に任せているときもあるのですが、子供がよく泣いてます(笑)。私は子供が泣いていると耐えられなくて、抱っこしたり授乳したり、と落ち着かなくて、無駄に体力を使ってしまっていたのですが、夫は「抱っこしてあげないといけないとき」と「放っておけばそのうち泣き止むとき」「放っておけばそのうち寝てしまうとき」を、夫なりに区別して対応していて、上手に子育てしてるな、と思うんです。私は子供が安全に、健康に育つように、ということで頭がいっぱいだったのですが、夫は「子供の興味をどうやって引き出すか」とか「どうすれば子供と楽しく遊べるか」ということをクリエイティブにいろいろと考えて子育てをしてくれています。夫流の子育て方式から学ぶことは本当に多く、今は夫婦で楽しく、バランス良く、子育てができていると思います。

では俊樹さん、育休の取得が今後の仕事に役立つなあと思うことはありますか?

俊樹育休が今後の仕事に役立つだろうなという点は、大きく3つありますね。子育て世代に向けた商品やサービスの開発に活かせること。また、人を育てるという意味で後進の指導に活かせること。最後に、会社にとっては私のような人が出てくることで、多様な生き方を尊重してくれているという姿勢を示せるのではと思います。新卒の学生も、中途採用希望者も、ポジティブなメッセージと受け止めてくれると思いますね。

夫婦の中で、お互いどんなキャリアを歩んでいきたいか、どんな家庭を築きたいか
よく話しているのでしょうか。

俊樹日本に戻ってどんな生活になるかは、まだあまりイメージ出来ていないので、その点はこれからなのですが、お互い好きな仕事を続けられるように、歩み寄りながらやっていきたいと思います。個人的には、明るく、楽しい、戻ってくるとホッとする家庭を創りたいですね。

春奈大学院で学ぶうちに、学んだことを職場や地域社会で実践したい、学んだことを活かして貢献したい、という思いが強くなってきました。留学を終えたら、頭と体をフル活用して、それを実現していきたいと思っています。そしてもちろん、私の留学を夫が応援してくれたように、私も夫の仕事や夢を応援したいと思っています。夫と同じく、日本に戻ってどんな生活になるのかは、あまりイメージができていません。まだ子供を保育所などに預けて夫婦ともども働く、という生活がしたことがないので。おそらくたくさんの壁に直面することになると思いますが、夫婦で一つ一つ話し合って、夫の言うように歩み寄りながら、長期的に見て二人ともが望むキャリアを歩めたら良いと思います。

春奈さんの日本とNYでの心境の変化や、「育児スタイルにおいて、夫方式からの学びがあった」という言葉を聞いて、ある意味、多くの家庭では妻側が夫側の協力を阻害している面もあるんだろうなあと思わされました。
また、夫婦だからこそ、子どもがいるからこそ生まれた小野さん夫婦の「夫婦というチーム」の形、素敵ですね。

小野俊樹さん・小野春奈さんプロフィール
小野俊樹さん
埼玉県出身。京都大学大学院情報学研究科を修了後、株式会社NTTドコモに入社。法人企業向けの商品・サービス企画業務を経て、2011年よりコンシューマ市場向けのマーケティング業務に従事。サービスの企画開発および運用や、海外市場のマーケティング支援に携わる。2015年8月より育休を取得し、妻の留学先であるNYに帯同し長男の育児に奮闘中。

小野春奈さん
三重県出身。筑波大学第三学群国際総合学類卒業。新卒で厚生労働省に入省し、公衆衛生や労働分野の政策立案に従事。行政官長期在外研究員制度にてコロンビア大学国際公共政策大学院に派遣され、公共政策修士課程に在籍中。
HP:小野さん夫婦のブログ

ワーママを、楽しく。LAXIC

文・インタビュー:宮﨑 晴美

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