子どもはいつも親の顔色をうかがっている 〜そこから学んでいることとは?

子どもの視線、感じる瞬間ってありませんか?

何をしているというわけでもないのに、ふと子どもはママやパパをチラッと見ている。親の顔色をうかがっているのですね。

うちの子、親の顔色をうかがってばかりだけど大丈夫? と心配になる方もいるでしょう。でも、その視線の先から、子どもは、もしかしたら人生に大切な2つのことを学んでいるのかもしれません。

気付いてる? 親の顔色をうかがう子どもの視線

l_131_1ある日、次男(小学生)がたまたま不在で、夫と長男(社会人)と話したときのことです。

ふと、私が「次男が何かと親の顔色を伺うように私を見るのが気になるわ、神経質なのかしら」とつぶやきました。すると長男が顔をあげて言いました。

 

「そんなの当たり前でしょ」

「え?」

「子どもはいつだって親がどう思ってるかな、と見ているもんでしょ」

「えええ? いやー、そうかなー。あんたなんて全然そんな感じじゃなかったよ」

「それは気づかなかっただけ。なんかママがイライラしているなとか、パパが玄関から入ってくる時に〝ただいま〟の声音の違いでヤバいぞ、なんか不機嫌だぞ、って見てたよ」

「そんなものなの!?」

「今も、見てる」

「ええー!?

今も、見ている、と言うではありませんか。社会人、むろんわが子ではありますが、それでも親の顔色を見ている! とビックリしてしまいました。

 

「今も見ているよ、『ああ今日はママが苛ついてるから近づかないでおこう』とか、『わからないようにしているつもりだけど、どうも夫婦喧嘩したらしい、触らぬ神に祟りなし、サッサと部屋に退散すっか』と思ったりする」と言うのです。

 

「親の顔色を伺うっていうより、今ウチはいい雰囲気なのか、ヤバい雰囲気なのかっていうのを見てるの。だってそうでしょ」

長男はあっさりと

「アイス食べたい、コンビニ行こうよ、だってさ。同じ事をお願いしても笑顔でOKされる時と、いきなり〝今、無理!〟とか怒られちゃうパターンとあるの、小さいうちから、なんとなくわかってるから親の顔色見ているんだよ」

あるかも、あるかも、そういう場面。見られているんですね、親の姿。きっちり、子どもは見ているらしいのです

親の顔色をうかがう子どもは
「雰囲気を察するチカラがつく」

l_131_2「ママやパパの今日の機嫌はどうなのか」「怒ってるみたいだから静かにしていようか」どうやら、子ども達はこんなことを小さい頭をフル回転させながら考えているみたいです。

最近「忖度」という言葉が取り沙汰されましたね。忖度とは「他人の心をおしはかること」だそうですが。言葉にださなくても、相手の気持ちに思いをはせるのは、大切です。

 

家庭で親の表情を見て「どうしたんだろう」と子どもが迷いながら無意識に雰囲気を読み取ろうとする事、これは決して悪い経験ではないのかもしれません。

いわゆる「KY」がいじめの対象になりやすいことを考えても、また常識ある大人になる成長のステップとしても、最も身近な家の中で「今ってどういう雰囲気なのかな」と空気を読む体験は必要だと思います。

親の顔色をうかがう子どもは
「気持ちをさらけ出せるようになる」

l_131_3もうひとつ、大切なことに気づきました。冒頭の、長男と夫との話の続きで「家で不機嫌な顔してちゃダメだねぇ」とうなだれていたら、

「それでいいんじゃないの」と、長男は言いました。

 

「オレはママたちがしょっちゅう、家でムッとしているのを見ながら、オレも気にくわない事あった時はムカーって顔していいんだなって思ったから」

「あいつ(弟)本当はそんなタイプじゃないのに、学校ではわざとふざけて笑い取ったりしてるみたいじゃん。そうやって学校で自分の居場所を作ってるの。そーいうの疲れるんだよ」

「あいつも、不機嫌なママを見ながら、不機嫌な顔してていいんだなって思ってるかもね。家だから、周囲を気にしなくていいんだって思うんじゃないの」

長男の言葉にしみじみと考えてしまいました。

 

親は勝手に子どもの姿を天真爛漫と捉えているけれど、本当は小学生くらいになったら社会性を身につける中で葛藤を抱えている。仲間はずれやいじめは、昔からあることです。多くの子どもは、どうしたら仲間でいられるのか、学校での居場所作りに必死なのかもしれません。

「外の顔」「家の顔」誰もが持つ二面性です。子どもは親を見ながら、心も気持ちもさらけ出せる、そんな場所が必要で、家族しかいない家こそ、素顔の自分でホッと出来る場所だと改めて気づいていくのでしょう

家は、どんな顔を見せても大丈夫な場所

l_131_4大人も、親も同じですね。職場で理不尽なことがあっても、その場で怒りを爆発させるのは社会人らしからぬ行為です。もやもやした気持ちを抱えて帰宅します。そうして家の中では、苛立ちや不機嫌をあらわにしてしまう事もあります。

家に着いてようやく、お仕事用の仮面をはずし、あるいは身にまとう鎧を脱ぎ捨てて、大きな吐息をついて安心します。イヤなことがあった日には、帰宅した途端に「全く最悪な日だった!」と思わず表情をゆがめます。不機嫌にもなるでしょう。仕事で疲れ切っていると、子どもが「あれやって、これやって」と側に来ても邪険に振り払うときだってあるかもしれません。

 

子どももまた、幼児から少年少女へと育つ中で葛藤するようになります。学校で子どもなりの精一杯の社会生活を送る中で、もやもやと苛立ち、時には怒りを抱えて帰ってきます。

親も子も、家に帰ったら、イヤな事があればイヤな気分のままにムスッとしていればいい。気持ちを素直に出せる場所がなかったら、私たち、どこで息を抜けばいいのでしょうか。

 

子どもがムッとしてると、今度は私たち親も子どもを見ているわけですから「どうしたのよ、そんな顔して」と声をかける。煩わしいと思うときもあれば、声をかけられてホッとして話し出すときもあるでしょう。そんな気持ちの揺れは大人も子どもも一緒ですね。

その姿を見つめて、心配したり不安に思ったり、そっとすべきか、声をかけるべきかと悩んだり。それが家族だからこそのお節介? 思いやり? まさに「忖度」なのでしょうか。家族だから、ここは私たちのおウチなのだから、どんな顔を見せたっていいんです。

 

我が家は家族だけの小さなシェルター。ここでは、どんな顔を見せても、嫌われるかも、バカにされるかも、仲間はずれにされるかも、そんな心配はないのです。

だって、家族なんですから。

親がそのままの姿を見せる事で、子どもは大人になることを学んでいます。ママもパパも、そう、いつものままでいいのですね

 

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ライター 大橋 礼
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌! 本とお酒があればよし。

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